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本編でとっさにミオリネがスレッタを守ろうと動き、状況を変えるわけですが、これはあの場の誰にとっても不測の事態ですよね。では、グラスレー社のサリウス・ゼネリが本来、想定していたシナリオって何なんだろう、とさっきから考えてるので思考整理がてらメモします。
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たぶんヒントは、「“やはり”認めたな、ガンダムを…」ですよね。……サリウス・ゼネリ視点ではこれ、デリングとプロスペラの間に密約や協調なりがあると疑って、それを炙り出そうとしてる?
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ジェターク社を使ってプロスペラをおさえ、ペイル社を使ってスレッタとエアリアルを槍玉にあげる。サリウス視点、デリング総裁はここで「駒が潰されるのを見過ごす」か「駒を強引にかばう」かの択を迫られる。サリウスにとっては損がない択の押し付けです。
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デリングが「旗色が悪い。損切りだ、見捨てよう」という択をとれば、手駒を一つ潰した形になる。単に総裁とシン・セーが無関係でもサリウスに損はない。そしてデリングがここで「かばう」択を選ぶ場合、それだけ大きな手を準備してるわけです。まさに冒頭の「手を読む」という発言に繋がる。
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もちろんスレッタとエアリアルをかばうミオリネの介入は、ミオリネが自発的に行ったものです。ここに企業間政治は関係ないでしょう。だからミオリネが勝ち取った今回の「株式会社ガンダム」は、ミオリネの成果でありデリングはそこにひと押しぶん手を添えただけ。
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ただ、サリウス視点だと、これ仕込みを疑う余地もあるんですよね。エアリアルが「ガンダムだ」って言われた時、デリングが「廃棄だ」って言って、ミオリネが反対し、廃棄が流れるの、前の会議とあわせてこれで二度目。娘と示し合わせてるとも考えられる。
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デリング総裁が口では頑固なことを言いつつ、娘を使って上手く軟着陸させて、生命倫理に配慮したガンドアーム研究を解禁するとどうなるか。現状のともすれば膠着した、御三家優位が崩れかねない。シン・セーはその尖兵か……? みたいなのがサリウス・ゼネリの読みでしょうか?
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AIにコマンド入れるのが「呪文」で定着して、有用な呪文群をまとめたものが「魔導書」扱いになってるの、なんだか見てて楽しいですね。まさに「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」のそれ。
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身長程度の短槍でイノシシを仕留めたとは… twitter.com/fortune0514/st…
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つまり斬り合いのシーンを書くときにキャラクターにダウンジャケット着せとけば、羽が舞う決着ができるのか! twitter.com/49_kame/status…
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水星の魔女、シャディクが想像以上にミオリネに対してウェットな感情を抱いてましたねえ! そしてシャディクの養父であるサリウスが、対ガンダムでいちばん強硬なスタンスなのか。なるほど。
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シャディクのムーブは実利込みっぽいんだけど、明らかにミオリネに対する執着が見える。グエルに対して「任せられると思った」とか、温室の中(ミオリネの聖域)に踏み入らないムーブとか、理解度の高さがすごい。
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あと物語開始前のパワーバランス、「エラン(n号)は本気の戦闘回数に制限があるから挑戦を受ける立場には不都合」「シャディクはグエルの性格を理解して、ミオリネを任せて決闘を避けた」みたいな形での御三家がスリートップ、グエルがホルダーの形だったんですねえ。なるほど。
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シャディクはなんていうか、学生たちのなかでいちばん計算高く現実路線で、人当たりよく振る舞えて実務経験もあるのに、根底にあるのがミオリネへの執着なの、ベタだけど美しいキャラ造形だなあ。
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シャディクがハーレム状態なの、あれ女好きの自由人のペルソナをかぶることで、「ミオリネ? 執着してないよ」「婚約者ができたら遊べないじゃないか、グエルはストイックだよね」的な外面を取り繕ってる感があって湿度たかい……
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その上でちゃんと有能な女性をそばに置いて実務上の側近化してるの、遊び人っぽい振る舞いしててそれが嫌いでもないんだろうけど、たぶん本質的にはそういうタイプじゃねーだろオメーってなるやつ。一途なロマンチストが、遊び人のリアリストの皮を被ってる感。器用。
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正当防衛の口実あれば、グエルは殴り合い強いだろうからなあ。「うっかり水をかけてしまって」「そしたら弁解の余地もなく殴られました、ぼくたちわるくありませーん」みたいな言い抜けの余地を残してるあたり、絡んでた男子四人は「言い訳が立つ」ラインが見えてた感。 twitter.com/yomooog/status…
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#水星の魔女 は「感情」の誘導の仕方も巧みですよね。最初まず視聴者はスレッタ(転校生。学園のことを何も知らないので情報レベルが同じ)に肩入れしてお話を楽しむ。スレッタに敵意や好意や関心を示す人物が次々出てきて乙女ゲー化、視聴者はスレッタに肩入れして心配したり喜んだり悲しんだりする。
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そのあと七話かけて「スレッタを振り回しつつも、スレッタを守るためにがんばるミオリネ」を描いて、「株式会社ガンダム!」でミオリネへの肩入れ度合いが最高に高まったところで、シャディクという「スレッタじゃなくミオリネを愛する男」を出す。
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半クールかけてミオリネの良いところ悪いところを描いてきたからこそ、視聴者も「そうか、きみはミオリネのそういうとこに惚れたのか」とシャディクに共感できる。「感情」を描く順序が、とても巧い。これ無意識にできる人もいるんですが、意外と苦手な人も多い作劇テクニック。
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ただ器用すぎて、被った皮で身動きが制限されたり疑念を持たれてる感じ。自分をどうとでも演出できるくらい有能で器用であるがゆえに本音をさらけだせず、本音をさらけ出せないから欲しい物に手が届かない。ままならないキャラクターで好きですね、こういうの。
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水星の魔女のプロローグって要するに、「医療技術としてガンドアームを研究してたがお金に困ってた機関」を、「別のMS会社」が買い取って、「研究費は出すけどMSへの技術転用もしてね」って要求した。ガンドアーム技術の未来を信じて飲んだ。
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で、これがアーシアン系企業だったもんだから、「このガンドアーム積んだ次世代MSが完成したらやばくね?」ってスペーシアン系の企業群が強く懸念した。もともとドギツイ分断がある中で、パイロットを犠牲にすれば圧倒的に強いモビルスーツがアーシアンに。地獄の戦争の引き金。
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これは避けたいから締め上げるし、軍事転用をやめさせたい。実力行使で制圧も候補だけど、それをやるのは「宇宙に進出した民間企業」の分限を越えてる……でも強硬派のデリングが「越えてしまえばいい」と宣言して、実際やってのけて越えた。
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かくして後のデリング総裁がルビコン川を渡った結果として、ひょっとしたら起こったかもしれない戦争は未然に防がれたけど、ガンドアームの未来を信じて開発を頑張ってた現場のひとたちは虐殺される。このヴァナディース事変で、ガンドアームは禁忌の技術に。