11月5日から7日にかけて、米国、ツーソンにて、Asteroid Science in the Age of Hayabusa2 and OSIRIS-REx という会合が開かれました。日本からも「はやぶさ2」関係者など多数が参加しました。それぞれのミッションの最新成果を中心に、多くの研究発表が行われました。
みなさんお久しぶりです、IES兄です。 本日の午後に行われた記者説明会にて、 明日の午前10時頃(日本時間)に小惑星リュウグウを離脱することを発表しました。 これにより「小惑星近傍運用フェーズ」から「帰還フェーズ」へ移行します。 <記者説明会の中継と資料> fanfun.jaxa.jp/jaxatv/detail/… (IES兄)
ついに、リュウグウから出発することになりました。出発は、明日(11月13日)の10:05 (機上、日本時間)です。 RCSスラスタ(化学エンジン)により、秒速10cmでリュウグウから遠ざかる方向へ移動を開始する予定です。
リュウグウの重力圏を離脱後は、イオンエンジンの試運転などを行い地球帰還の準備を進めます。 ※記者説明会資料 fanfun.jaxa.jp/jaxatv/files/2… より抜粋 (IES兄)
いよいよイオンエンジンの出番が近づいてきました。 ロケットから受け取った襷を肩にかけ、シャカリキで駆け抜けた往路運用からもう1年半も経ちました。 リュウグウ滞在で工学・理学・支援などの色々な人達でつないだ襷が、もう一度IES担当の手に戻ってくる。 重いですね。 (IES兄)
IES担当に戻る前に、明日はもう一度広報担当として、リュウグウ離脱の一日をお伝えします! 明日の7時半くらいからちょいちょいツイートしますので、皆さんも心のUW旗を振って見守ってください。 (IES兄)
現在、はやぶさ2とリュウグウは乙女座のスピカの近くにいます。古い星の光も彼らを照らします:-) 肉眼で見ることはかないませんが、「あっちにいるんだな」「あっちから帰ってくるんだな」と秋空を見上げてくれると嬉しいです。 星の巡りに合わせて、我々の運用時間も早朝になっていきます。 (IES兄)
國中所長からのメッセージも載せておきますね。 「めざす天体は、太陽系第3惑星」 (IES兄)
みなさんおはようございます。 長かったリュウグウ滞在も、出発の朝を迎えました。 残念ながら曇り空。 リュウグウ出発後の詳細は、一連のリツイートと記者説明会の資料などをご参照ください。 #SAYONARA_ryugu (IES兄) twitter.com/haya2_jaxa/sta…
<日本時間8時00分> SSOC(Sagamihara Space Operation Center)にて リュウグウ離脱日の運用を開始しました。 長野県の臼田局(UDSC:Usuda Deep Space Center)から はやぶさ2に向かって命令が打たれます。 本日のスーパーバイザは若手のM君(とはいえ運用経験は豊富)。 #SAYONARA_Ryugu (IES兄)
<日本時間8時20分> 探査機の現在の位置と速度の計測を行いました。 現在、探査機は高度20.11km(※)、速度はほぼゼロです。 これをもとにリュウグウ離脱のためのスラスタ噴射量計算が行われます。 #SAYONARA_Ryugu (IES兄) ※注:HP座標系
<日本時間8時45分> 離脱のためのスラスタ噴射量の計算が完了しました。 上昇速度は99mm/sです。上方向の他に、横方向にも若干量の噴射が行われます。 (IES兄) #SAYONARA_Ryugu
<日本時間8時57分> スラスタ噴射コマンドが探査機に送信されました。 このコマンドは、探査機上の時刻を指定して実行されるコマンド(Stored Command)です。 (はや2に「何時になったら○○するんだよ」と教えるコマンドです) 登録された噴射開始時刻は 10:05:00 です。 (IES兄) #SAYONARA_Ryugu
10時になりました。 今日の片道伝播時間は14分12秒です。 つまり、はやぶさ2で離脱ΔVが実行されてから14分12秒後に、地上にその信号が届きます。 (IES兄) #SAYONARA_Ryugu
<日本時間10時17分> 日本時間10時05分、機上でΔVが実施された筈の時間を過ぎました。 ドップラーモニタにより離脱dVを確認できるのはあと2分後になります。 確認結果は、プレスリリースにて発表となります。
すこし、センチメンタルな気持ちになってきました。 (IES兄)
探査機が本日(11/13)10:05(機上時刻)小惑星離脱ΔVを実施し、所定の速度(9.2cm/s)を得たことを、10:24(JST)に確認しました。 現在、探査機は正常です。
<日本時間10時24分> 10時19分、時刻通りに離脱信号が確認された瞬間「わっ!」と歓声があがり、(でも皆運用者なので)探査機の状態を確認してから立ち上がって拍手をしました。 津田PM「これで近傍フェーズは終わり!これより帰還フェーズに移ります!」 (IES兄) #SAYONARA_Ryugu
「さよならリュウグウ」 拍手の後、愛おしそうに、ちょっとだけ寂しそうに津田PMはつぶやきました。 (IES兄)
はやぶさ2は非常にゆっくりと、慣れたホームポジションを離れ始めました。 秒速5センチメートルの2倍くらいの速度で、Hill圏のむこう、約束の場所に向かって船は離れます。 (IES兄) #SAYONARA_Ryugu
出発直後に望遠の光学航法カメラ(ONC-T)で撮影したリュウグウです。撮影時刻は機上で10:15JSTです。 見慣れた光景ですが、もうすぐ、この姿を見ることができなくなると思うと、やはり寂しいですね。
帰還フェーズに入りましたので、ミッションロゴマークを新しいものにしました。ベースとなる緑色は、地球の植物の色をイメージしています。リュウグウから持ち帰るサンプルの中に有機物があれば、地球生命の原材料が分かるかもしれません。その期待を込めたロゴマークです。
ロゴマークに書かれています「2020, COME BACK TO EARTH」という文字には、「はやぶさ2」を支えてくれたいくつかのコンポーネントが描き込まれています。確認してみてください。
本日から5日間ほどは遠ざかっていくリュウグウをカメラで撮影することができます。“リュウグウお別れ観測”です。画像は、「はやぶさ2」プロジェクトのWebに掲載されますのでご覧ください。遠ざかる速度が遅いので、リュウグウはゆっくりと小さくなっていきます。 hayabusa2.jaxa.jp/galleries/onc/…
<日本時間4時20分> まもなく本日の運用が終了します。 運用の合間を縫って、みなで記念写真を撮りました。 にぎやかな雰囲気も落ち着いて、今は人も少なめの管制室です。 (IES兄) ※写真のクレジット:ISAS/JAXA #SAYONARA_Ryugu