山本芳久(@201yos1)さんの人気ツイート(リツイート順)

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ウンベルト・エーコの名著『中世の美学:トマス・アクィナスの美の思想』の翻訳が刊行されます。エーコの処女作です。エーコが後に生み出す作品群を理解するためにも、西洋中世の美の思想を理解するためにも必読の一冊です。私も「解説」を寄稿しています。 amzn.to/3UUWyaG
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実は、その本のその部分は読んだことがなかった。別の大変優れた研究者がその部分について紹介したものを読んだことがあったので、その程度の内容だと思いこんでいたが、遥かに豊かだった。書物は誰かの紹介とかではなく、そのものをきちんと読まなければいけないという基本中の基本に改めて立ち返った
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本を読めば読むほど、読むべき本が減るどころか、面白い本が更にあることが分かり、いつか読み返そうと思っていた多くの書籍を、おそらくはもう読み返す機会がないだろうということに改めて気づく。そういう思いを持ちながらもう最後と思って読み返すと、不思議なほどに全ての言葉が心に沁み渡ってくる
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10月に刊行される。リチャード・E・ルーベンスタイン『中世の覚醒  アリストテレス再発見から知の革命へ』(ちくま学芸文庫)の解説を書きました。西洋中世思想の全体像に興味があるが、難解そうな専門書や無味乾燥な教科書は避けたいという読者にうってつけの、ストーリーとして楽しめる概説書です。 twitter.com/nekonoizumi/st…
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『世界は善に満ちている: トマス・アクィナス哲学講義』を一月に刊行します。「哲学者」と「学生」の対話形式で、トマス哲学の本質を解き明かします。これまでに刊行したトマス入門書の手前から、より平易に話を始めつつ、一歩先のより本格的なところまで話を展開しています。amazon.co.jp/gp/product/410…
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『精選 神学大全』(岩波文庫)の第1巻は、いよいよ7月刊行です。表紙と帯が出来上がりました!トマスの様々な論考の中でも、現代において最も訴えかける点の多い「徳論」が第1巻の内容です。哲学や神学に関心のある全ての方にお勧めしたいと思っています。稲垣先生の遺した最後のお仕事でもあります
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宇野重規先生が書いてくださった、『トマス・アクィナス 理性と神秘』のサントリー学芸賞の選評は、拙著の選評としてのみではなく、トマス・アクィナスが現代において持ちうる意義を浮き彫りにした文章として、私自身にとっても非常に啓発的でした。お読み頂けますと幸いです bit.ly/2BcnGv3
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トマス・アクィナスを研究していると言うと、「宗教ですか?」と言われることがあるが、実はトマスには「宗教」という概念自体が存在しない。古典を読む面白さはこういうところにこそある。我々が当たり前に使っている概念が存在すらしないようなものの見方に触れ、世界観・人間観が根底から刷新される
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いよいよ、待望の聖書の新しい日本語訳『聖書 聖書協会共同訳』が12月10日に刊行されます。発売記念価格での予約がすでに始まっています。聖書の翻訳は、何冊持っていても損はありません。一つの翻訳でわからないことが、もう一つの翻訳で簡単に解決することがしばしばありますbit.ly/2DJHVlp
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簡単に読みこなすことのできない書物を読みこなしていくためのコツは、簡単には読みこなせないと自覚しながら、地道に読み進めていくことのうちにある。わからない部分をわからないままに抱え込みながら読み続けていくうちに出会うふとした一つの言葉、一つの文章が、全てを解読する為の鍵を与えていく
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「悪魔」など荒唐無稽な幻想に過ぎず、そんなものが実在するわけはないと人間に思い込ませることこそが悪魔の基本的な戦略だ、というルイスの非常に有名な見解が『悪魔の手紙』では開陳されます。日本語訳は二種類あります。誰もが楽しみながら読めるキリスト教書の一つです。amzn.to/2YTGqs3
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「キリスト教は世界宗教だ」ということを逆の観点から言えば、「キリスト教はいつどこにおいても外来の宗教だ」となる。それは、常に、人々が当たり前のものとして受け止めている文化や文明、世界観や人間観を根源から問い直させる、「世界の外」からの教えだからこそ、「世界的」たりえてきたのだ。
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「読解不能な文字」で書かれたトマスのテクストを見て気付かされるのは、彼の思考が何ものかの迫力によって驚異的な仕方で促され続けていたという事実です。普通の活字読むと忘れてしまいがちな緊張感に満ちた思考の現場へと、「読解不能な文字」で書かれたトマスの自筆原稿は立ち戻らせてくれるのです twitter.com/201yos1/status…
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岩波文庫版の『神学大全』の稲垣良典先生の翻訳(「徳論」と「法論」)は、『神学大全』完訳版(創文社)に基づいていますが、今年はじめに先生がお亡くなりになるまで手を入れ続けたものになっています。トマス研究に生涯を捧げた稲垣先生がこの世に残された最後のお仕事といって間違いないものです。 twitter.com/201yos1/status…
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キリスト教の「異端」の立場は大抵、「正統」よりもわかりやすい。それは不思議ではない。「異端」はそもそも、多面的な考え方を含みこんだ複雑な「正統」の立場から、複雑な面を捨象して、一つの面のみを選択してそこを過度に強調していくものなので、一見したところシンプルで分かりやすいものになる
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書物を読む時に線を引くことに意味があるのは、単に重要な箇所を目立ちやすくするためだけではない。むしろ、いかに自分が大事な箇所に気づいていなかったかということを、次に読むときに気づきうるためにこそ、線を引くことの意味がある。線を引かなった箇所にこそ真の宝が眠っている可能性が高いのだ
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坂口ふみ先生の『<個>の誕生:キリスト教教理をつくった人びと』の文庫版がいよいよ刊行されました。凡百の専門書や入門書を超えて、キリスト教神学や中世哲学の本質に「触れる」経験を与えてくれる名著です。四半世紀前に初めて読んだ時の興奮がありありと甦ってきました。amzn.to/3IVezlx
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聖書のラテン語訳(ウルガタ)から日本語に翻訳された聖書をダウンロードできるサイトがあります。重訳には意味がないと思う人がいるかも知れませんが、そんな事はありません。トマス・アクィナスなど、中世の神学者たちが触れていたラテン語聖書のニュアンスが分かるからです bit.ly/2P4FnRf
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教皇来日をめぐって中島岳志さん、若松英輔さんと行った鼎談が公開されました。教皇の活動について、重なりつつも異なる角度から強い関心を持つ三人が、神学・思想から環境・政治に及ぶまで、多面的に教皇フランシスコの思想と活動の本質を、平明に掘り下げて論じています。 webronza.asahi.com/politics/artic…
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もう古いから読む必要はないと言われている本を実際に読んでみると、実にバランスが良く、しかも斬新な見方にあふれていることがしばしばある。もはや読む必要がないと言われている書物のうちにこそ、現代にあふれている月並みな見方を打破する起爆力のある思考が埋まっている可能性があるのだ。
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イエスは「宗教」を語らない。彼が語るのは「神」のことだ。そしてイエスは「神」についての手垢のついた「概念」を語りはしない。彼が語るのは、そうした「概念」の手前にあり向う側にある、むき出しのままの「神」のリアリティーだ。聖書を読むとは、そうした神のリアリティーに触れることだ。
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外国語の古典については、少しでも多くの翻訳を手元に揃えておくのがお薦めです。ほんの少しの日本語訳の表現の違いから新たなニュアンスを感じ取り、理解のための新たな光が差し込んでくるからです。アウグスティヌス『告白』は中公文庫の山田訳がお薦めですが、岩波文庫の服部訳もあると助かります。
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本日は、聖セバスティアヌス(288頃没)の記念日です。グイド・レーニの「聖セバスティアヌスの殉教」を見て衝撃を受ける主人公を『仮面の告白』において描いた三島由紀夫は、自らを聖セバスティアヌスになぞらえた写真を残しています。撮影者は篠山紀信です。
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トマス・アクィナス『神学大全』日本語訳の全巻が再び入手可能になったことは、実に大きなニュースだ。半世紀にわたる翻訳刊行が無事終了したとたんに創文社が解散したさいには、どうなることかと思ったが、講談社からのオンデマンド版の刊行は、文化の継続性という意味で、本当に意義深い偉業だ。 twitter.com/kodansha_g/sta…
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本日は聖コルベ神父(1894-1941)の記念日です。アウシュヴィッツで、餓死監房送りとなった妻子ある男性の身代わりに亡くなりました。幼年時代における「聖母マリアの出現」は彼の人生を決定づけ、汚れなき聖母の騎士信心会の創立者として日本でも6年間活動し、『聖母の騎士』の日本語版を発刊しました。