山本芳久(@201yos1)さんの人気ツイート(古い順)

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「神」を持ち出してこの世の様々な事象を都合よく説明しようとするのが「神学」ではありません。反対に、この世界の様々な事象に対する的確な理解を積み重ねることを通じて、この世界の「創造者」とされる「神」の在り方を、限られた人間理性に可能な範囲でなんとか知ろうとするのが神学という学問です
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読書の醍醐味の一つは、繋がるはずのないと思っていた二つの書物が読者の心の中で繋がることによって、作者も思っていなかったような新たな言語宇宙が誕生することのうちにある。無数の読者の心の中で無数に日々誕生するこうした無限の言語宇宙の連鎖こそ、この世界に意味を与えているものに他ならない
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「キリスト教は世界宗教だ」ということを逆の観点から言えば、「キリスト教はいつどこにおいても外来の宗教だ」となる。それは、常に、人々が当たり前のものとして受け止めている文化や文明、世界観や人間観を根源から問い直させる、「世界の外」からの教えだからこそ、「世界的」たりえてきたのだ。
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「古典」とは、その分野で最も優れた書物のことを言うのではない。たとえ後の時代にどれだけ優れた書物が出ようとも代替することが不可能な仕方で、人類の思考に一定の形を与えた書物群、それをこそ我々は「古典」と読んでいる。誤りや不完全性をも含めて、代替不可能な画期を為す書物群なのだ。
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アウグスティヌス『神の国』全五巻は、この機会に入手しておかないと、当分手に入りにくくなるかもしれません。キリスト教神学の古典中の古典というだけではなく、歴史哲学という分野を確立した画期的な著作です。 twitter.com/iwabun1927/sta…
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キリストが死刑になった事がキリスト教の原点にある以上、キリスト教が死刑に反対する事には、かなり大きな神学的問題が含まれている。キリストが死刑になった事が死刑反対の根拠になるとも言えるし、死刑がなかったらキリスト教が今のような仕方では生まれなかったとも言えるbit.ly/2OTz9o7
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10月に刊行される。リチャード・E・ルーベンスタイン『中世の覚醒  アリストテレス再発見から知の革命へ』(ちくま学芸文庫)の解説を書きました。西洋中世思想の全体像に興味があるが、難解そうな専門書や無味乾燥な教科書は避けたいという読者にうってつけの、ストーリーとして楽しめる概説書です。 twitter.com/nekonoizumi/st…
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聖書のラテン語訳(ウルガタ)から日本語に翻訳された聖書をダウンロードできるサイトがあります。重訳には意味がないと思う人がいるかも知れませんが、そんな事はありません。トマス・アクィナスなど、中世の神学者たちが触れていたラテン語聖書のニュアンスが分かるからです bit.ly/2P4FnRf
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『中世思想原典集成精選』全7巻が刊行されるのは、今年度最大の快挙の一つ。古代末期から初期近世までという網羅範囲の広大さ、翻訳の正確さ、解説の充実。このシリーズが平凡社ライブラリーに入ることは、文庫の翻訳の少ない西洋中世思想の魅力が多くの読者に伝わる大きな機会となること、間違いない twitter.com/nekonoizumi/st…
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キリスト教の入門書として、群を抜いて優れているのは、『ナルニア国物語』の作者C.S.ルイスによる『キリスト教の精髄』です。9月29日(土)の13時から開講の「キリスト教入門 基礎の基礎」の一回目は、『キリスト教の精髄』を手がかりに、極めて基本的なところからキリスト教の本質に迫っていきます twitter.com/201yos1/status…
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解説を書いたリチャード・E・ルーベンスタイン『中世の覚醒:アリストテレス再発見から知の革命へ』(ちくま学芸文庫)の見本が届きました。500頁を超える大著ですが、初学者でも読める分かりやすい筆致と優れた翻訳で紹介される西洋中世思想の物語的叙述は、あっという間に読み終わることと思います。
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我々は、しばしば、本格的な書物を読むことを恐れ、わかりやすそうな入門書や解説を読み始め、こんなに噛み砕いた説明でもわからないのであればもとの書物はどれだけ難解なのだろうと思う。だが、もとの書物を読んでみると、中途半端に噛み砕かれた解説書よりもよほど明快で分かりやすいことが多い。
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すぐには読めそうにない本ほど、すぐに読む必要がある。とにかく読んでみないと、なぜ今の自分にその本が解読できないのか、その原因をつかむことができない。読めない原因が分かれば、その原因を克服することが可能になる。敬遠して触れないでいると、いつまでも読めるようになる手がかりをつかめない
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『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)が、サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞しました。「善は自らを伝達する」を根本思想としているトマスの思想がより多くの方々に伝達される機会となれば幸いです。 読んでくださる皆様に支えられつつこれからも活発に書いていきたいと思います。
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宇野重規先生が書いてくださった、『トマス・アクィナス 理性と神秘』のサントリー学芸賞の選評は、拙著の選評としてのみではなく、トマス・アクィナスが現代において持ちうる意義を浮き彫りにした文章として、私自身にとっても非常に啓発的でした。お読み頂けますと幸いです bit.ly/2BcnGv3
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いよいよ、待望の聖書の新しい日本語訳『聖書 聖書協会共同訳』が12月10日に刊行されます。発売記念価格での予約がすでに始まっています。聖書の翻訳は、何冊持っていても損はありません。一つの翻訳でわからないことが、もう一つの翻訳で簡単に解決することがしばしばありますbit.ly/2DJHVlp
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我々は、「理解」するから「感動」するのではなく、「感動」するからこそ真に「理解」することができる。これがトマス・アクィナスの「親和性による認識」だ。対象の魅力によって魂が深く揺り動かされることによって、はじめて、我々は物事を深く受け止め真に理解するための出発点に立つことができる。
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「神」が何であるかが解明され尽くしたとすれば、それはもはや「神」ではない。また「神」が何であるのか全く分からないのであれば、それを「神」と呼ぶ理由はもはや存在しない。この両極を避けながら、人間の把握を超えた「神」の常なる新鮮さを現前させるところに、神学という学問の存在意義がある。
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誰でも聖書を原文で読むことのできる方法があります。聖書のヘブライ語・ギリシア語原文の行間に、一単語ずつ、単語の語義と活用形と発音を記したInterlinear Bibleを活用する方法です。ネットはとても便利で、多数のインターリニア・バイブルのサイトが簡単に見つかります。 biblehub.com/interlinear/ma…
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「悪魔は堕天使だ」というキリスト教の説明は、一見荒唐無稽な神話に見えるが、示唆するものが多い。最も優れた天使が、最も優れているからこそ、自分を受け入れることができず、「神に取って代わる」という野望の虜になってしまう。それは自己受容の失敗という意味であらゆる罪の原点になっているのだ
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「悪魔」など荒唐無稽な幻想に過ぎず、そんなものが実在するわけはないと人間に思い込ませることこそが悪魔の基本的な戦略だ、というルイスの非常に有名な見解が『悪魔の手紙』では開陳されます。日本語訳は二種類あります。誰もが楽しみながら読めるキリスト教書の一つです。amzn.to/2YTGqs3
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悪魔論に関心のある人に第一におすすめなのは、C.S.ルイス『悪魔の手紙』です。老練な悪魔が若き悪魔に人間を誘惑する手練手管を教示するという形式をとった悪魔論であり、人間論であり、キリスト教論です。『ナルニア国物語』の著者ならではの文学的洞察と神学的知見が統合された名著中の名著です。
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上田閑照先生がお亡くなりになりました。西田幾多郎、西谷啓治の系譜を受け継ぎ、ドイツ神秘主義と禅仏教のはざまで続けてこられた探求は、宗教・宗派の境を超えて、宗教的探求に従事する多くの人々にとって文字通りの導きの糸でした。『エックハルト』など数々の名著があります。ご冥福をお祈りします
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創文社が来年解散すると、1960年から半世紀かけて翻訳されたトマス・アクィナス『神学大全』全45巻を入手することは大変困難になることが予想されます。『神学大全』は、冒頭から順番に通読しなければならない本ではありません。興味のある部分だけでも早めに入手しておくことを強くおすすめします。
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一冊の書物を繰り返し徹底的に読み込むことによって、百冊・千冊の書物を眺めるよりも多くの洞察を得ることができるということは一面の真実だが、一冊の書物を真に徹底的に読み込むことができる為には、その書物だけではなく、百冊・千冊の他の書物にも目を通さなければならないということもまた真実だ