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簡単に読みこなすことのできない書物を読みこなしていくためのコツは、簡単には読みこなせないと自覚しながら、地道に読み進めていくことのうちにある。わからない部分をわからないままに抱え込みながら読み続けていくうちに出会うふとした一つの言葉、一つの文章が、全てを解読する為の鍵を与えていく
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「この本だけは役に立たないだろう」と長らく思っていた本に、ふと眼を通してみると、一気に新しい視野が開けてくることがある。それは実は何ら不思議なことではない。「この本だけは役に立たないだろう」と思い込ませる根っこにあった先入観こそが、新しい視野の開けを阻害する主な要因であったからだ
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嫉妬とは「他人の善を悲しむこと」とトマス・アクィナスは定義する。この短い定義よりも的確な定義は、なかなか見つからないだろう。他人の持っている善いものを共に喜ばず、それを否定したり見ないようにしたりしているうちに、この世界に豊かに存在する「善」に対する感覚そのものが歪んでしまうのだ
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書物を読む時に線を引くことに意味があるのは、単に重要な箇所を目立ちやすくするためだけではない。むしろ、いかに自分が大事な箇所に気づいていなかったかということを、次に読むときに気づきうるためにこそ、線を引くことの意味がある。線を引かなった箇所にこそ真の宝が眠っている可能性が高いのだ
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もう古いから読む必要はないと言われている本を実際に読んでみると、実にバランスが良く、しかも斬新な見方にあふれていることがしばしばある。もはや読む必要がないと言われている書物のうちにこそ、現代にあふれている月並みな見方を打破する起爆力のある思考が埋まっている可能性があるのだ。
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ハロウィンは古代ケルトに由来する祭儀で、もともとキリスト教のものではないので、多くのキリスト教事典には項目自体が存在しません。その中で、『岩波キリスト教辞典』には「ハローウィーン」という項目があります。四方田犬彦による『デビルマン』という項目さえ含んでいる辞典だけのことはあります
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明日から来日する教皇フランシスコの思想について、クーリエ・ジャポンから受けたインタビューが公開されました。明日から始まる一連の出来事を理解するための補助線としてお読みください。日本語では他にあまりない、教皇の思想についての本格的な紹介になっています。
bit.ly/2O7rBQ2
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教皇フランシスコの思想と活動のキーワードは、「橋を架ける」です。困難のうちにいる人々、周縁化された人々、異質な人々に橋を架けていく実践のうちにこそキリスト教の本質が見出されるという教皇の思想が、明日からの数日間でどう表現されていくか、注視したいと思います。
bit.ly/2ObCDUp
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教皇来日をめぐって中島岳志さん、若松英輔さんと行った鼎談が公開されました。教皇の活動について、重なりつつも異なる角度から強い関心を持つ三人が、神学・思想から環境・政治に及ぶまで、多面的に教皇フランシスコの思想と活動の本質を、平明に掘り下げて論じています。
webronza.asahi.com/politics/artic…
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「読解不能な文字」で書かれたトマスのテクストを見て気付かされるのは、彼の思考が何ものかの迫力によって驚異的な仕方で促され続けていたという事実です。普通の活字読むと忘れてしまいがちな緊張感に満ちた思考の現場へと、「読解不能な文字」で書かれたトマスの自筆原稿は立ち戻らせてくれるのです twitter.com/201yos1/status…
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トマス・アクィナスを研究していると言うと、「宗教ですか?」と言われることがあるが、実はトマスには「宗教」という概念自体が存在しない。古典を読む面白さはこういうところにこそある。我々が当たり前に使っている概念が存在すらしないようなものの見方に触れ、世界観・人間観が根底から刷新される
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創文社の解散が間近に迫った今、ぜひ見て頂きたい動画がある。1960年から2012年まで、半世紀をかけて完成したトマス・アクィナスの『神学大全』の日本語訳の歩みについての実に貴重な映像が満載で、一冊の書物の翻訳に生涯を捧げた人々の情熱が実にしみじみと伝わってくる。
bit.ly/2tE455z
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『神学大全』の日本語訳は、今年度末で新刊では買えなくなります。いずれ役に立ちそうな巻は買っておきたい人におすすめなのは、第9巻(人間の目的・幸福)、第10巻(感情)、第11巻(徳)、第12巻(悪徳)、第13・14巻(法論)です。哲学・神学・西洋思想史に関心のある人には必ず役立つ時が来ます。
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クリスマスを迎える子供の「何か特別なことが起きつつある」というワクワク感、この感覚ほど、救い主が誕生するという「福音(よい知らせ)」に出会った古代イスラエルの人々の感覚に近いものはありません。C.S.ルイスは『ライオンと魔女(ナルニア国物語)』の中で実に鮮やかにこの感覚を描いています
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クリスマスに贈りたい言葉は、「キリストが千回ベツレヘムに生まれても、あなたの中に生まれなければ、永遠に無意味である」という、ドイツの宗教詩人シレジウスの言葉です。この言葉以上に美しくかつ単純にクリスマスの本質を語り明かした言葉は、おそらく他に存在しないと言っても過言ではありません
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西洋中世史・中世思想史の大家であるサザンの『ヨーロッパとイスラーム世界』の解説を書きました。キリスト教世界とイスラーム世界の相互関係に関心のあるすべての人にとっての基本書です。比較的小さな書物ですが、ものすごい密度で情報が詰まっているので、学ぶことが非常に多い本になっています。 twitter.com/chikumashobo/s…
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よい本は、読むたびに新たな謎を与える。問いを与えることこそ、よい本の特徴だからだ。そして、読むたびに読む速度が落ちることも多い。ほんの少し読むだけでも、心の中から様々な思いが触発されて湧き上がってくるので、そのまま読み続けることができなくなるからだ。
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聖書の理解を劇的に深める簡単な方法がある。聖書を、「思想」を語っている書物としてではなく、「出来事」を語っている書物として読んでみるというやり方だ。キリストの「誕生」という出来事、「奇跡」という出来事、「死と復活」という出来事。聖書はこうした「出来事」についての証言の書物なのだ。
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サザン『ヨーロッパとイスラーム世界』(ちくま学芸文庫)いよいよ発売されました。キリスト教世界とイスラーム世界の相互関係を理解するための基本書中の基本書です。岩波現代選書から出ていましたが長らく品切れでした。入手可能なうちに手に入れておくことをおすすめしますamzn.to/35DFFX9 twitter.com/201yos1/status…
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キリスト教の「異端」の立場は大抵、「正統」よりもわかりやすい。それは不思議ではない。「異端」はそもそも、多面的な考え方を含みこんだ複雑な「正統」の立場から、複雑な面を捨象して、一つの面のみを選択してそこを過度に強調していくものなので、一見したところシンプルで分かりやすいものになる
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いよいよ創文社解散まで秒読み段階に入りました。『神学大全』は今後、一部分が文庫などで手に入ることはあっても、現在の創文社版以外の形で全体が入手可能になることは、今世紀中にはないかもしれません。古書でもさほど流通していないので、今月中に入手しておくことを強くおすすめしたいと思います twitter.com/junkuike_jinbu…
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家で過ごす時間が長くなっている今、子供にも大人にもお薦めしたいのは、『ナルニア国物語』です。とにかく面白いので一冊手に取ると、自ずと次の巻に手が伸びます。しかもキリスト教に対する絶好の入門書にもなります。いつかこの書物を読む講座を開講したいと思っています。bit.ly/2IhMtRa
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#新大学生に勧めたい10冊
入手しやすく、専門家でなくても読める良質な翻訳のある古典を中心に。
『聖書』(フランシスコ会聖書研究所訳など)
プラトン『ソクラテスの弁明』(岩波文庫)
アリストテレス『ニコマコス倫理学』(岩波文庫)
アウグスティヌス『告白』(中公文庫)
(続く)
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少し紛らわしいタイトルが付いていますが、いわゆる「死海文書」の全点が偽造と判明したという意味ではありません。アメリカの「聖書博物館」に「死海文書の断片」として所蔵されているものが、全点、現代において偽造されたものだということが判明したという意味です。 twitter.com/bbcnewsjapan/s…