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この世界のなかには、「読むべき本」というよりは、「読んでいないともったいない本」「読まずに人生を終えるのが惜しい本」というものがあります。人間についての洞察に充ち満ちたアウグスティヌスの『告白』は、まさにそういう本の一冊です。精読の喜びをありありと味わわせてくれる古典中の古典です twitter.com/yomutokaku/sta…
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「本を読んでも解決しない」ということが分かるのは、本を読むことの大きな意義の一つだ。自分が抱いている問いが、書物を読むことによって解決する問いなのか否かということ自体、書物を読まずにははっきりしない。「読書では解決しない」と思いこんでいた問題が、読書だけで解決することも意外に多い
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本を読めば読むほど、読むべき本が減るどころか、面白い本が更にあることが分かり、いつか読み返そうと思っていた多くの書籍を、おそらくはもう読み返す機会がないだろうということに改めて気づく。そういう思いを持ちながらもう最後と思って読み返すと、不思議なほどに全ての言葉が心に沁み渡ってくる
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実は、その本のその部分は読んだことがなかった。別の大変優れた研究者がその部分について紹介したものを読んだことがあったので、その程度の内容だと思いこんでいたが、遥かに豊かだった。書物は誰かの紹介とかではなく、そのものをきちんと読まなければいけないという基本中の基本に改めて立ち返った
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新しい研究書をいくつも読んでも全くわからなかった疑問点が、半世紀以上前に書かれた書物をほんの数ページ読んだだけで、一気に解決した。実に不思議だが、こういうことは結構ある。やはり本当に一級の人の残した仕事には侮れないものがある。何気ない一文、何気ない一語の選び方に、洞察が溢れている
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今週末は「復活祭」ですが、世界中で、公開のミサは行われません。史上最も静かな復活祭になるかもしれません。ですが、考えてみれば、キリストが「復活」した日は、とても静かな日でした。ほとんど誰もそのことに気づかなかったからです。その意味では最も復活祭らしい復活祭になるかもしれません。
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『ナルニア国物語1 魔術師のおい』が無料公開されています。『ナルニア国物語』の第一巻は、通常は一番最初に出版された「ライオンと魔女」ですが、光文社版は、物語の展開の年代順に並べているので、ナルニア国の誕生を取り扱った「魔術師のおい」が第一巻になります。冒頭から物語に引き込まれます twitter.com/kotensinyaku/s…
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少し紛らわしいタイトルが付いていますが、いわゆる「死海文書」の全点が偽造と判明したという意味ではありません。アメリカの「聖書博物館」に「死海文書の断片」として所蔵されているものが、全点、現代において偽造されたものだということが判明したという意味です。 twitter.com/bbcnewsjapan/s…
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#新大学生に勧めたい10冊
入手しやすく、専門家でなくても読める良質な翻訳のある古典を中心に。
『聖書』(フランシスコ会聖書研究所訳など)
プラトン『ソクラテスの弁明』(岩波文庫)
アリストテレス『ニコマコス倫理学』(岩波文庫)
アウグスティヌス『告白』(中公文庫)
(続く)
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家で過ごす時間が長くなっている今、子供にも大人にもお薦めしたいのは、『ナルニア国物語』です。とにかく面白いので一冊手に取ると、自ずと次の巻に手が伸びます。しかもキリスト教に対する絶好の入門書にもなります。いつかこの書物を読む講座を開講したいと思っています。bit.ly/2IhMtRa
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いよいよ創文社解散まで秒読み段階に入りました。『神学大全』は今後、一部分が文庫などで手に入ることはあっても、現在の創文社版以外の形で全体が入手可能になることは、今世紀中にはないかもしれません。古書でもさほど流通していないので、今月中に入手しておくことを強くおすすめしたいと思います twitter.com/junkuike_jinbu…
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キリスト教の「異端」の立場は大抵、「正統」よりもわかりやすい。それは不思議ではない。「異端」はそもそも、多面的な考え方を含みこんだ複雑な「正統」の立場から、複雑な面を捨象して、一つの面のみを選択してそこを過度に強調していくものなので、一見したところシンプルで分かりやすいものになる
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サザン『ヨーロッパとイスラーム世界』(ちくま学芸文庫)いよいよ発売されました。キリスト教世界とイスラーム世界の相互関係を理解するための基本書中の基本書です。岩波現代選書から出ていましたが長らく品切れでした。入手可能なうちに手に入れておくことをおすすめしますamzn.to/35DFFX9 twitter.com/201yos1/status…
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聖書の理解を劇的に深める簡単な方法がある。聖書を、「思想」を語っている書物としてではなく、「出来事」を語っている書物として読んでみるというやり方だ。キリストの「誕生」という出来事、「奇跡」という出来事、「死と復活」という出来事。聖書はこうした「出来事」についての証言の書物なのだ。
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よい本は、読むたびに新たな謎を与える。問いを与えることこそ、よい本の特徴だからだ。そして、読むたびに読む速度が落ちることも多い。ほんの少し読むだけでも、心の中から様々な思いが触発されて湧き上がってくるので、そのまま読み続けることができなくなるからだ。
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西洋中世史・中世思想史の大家であるサザンの『ヨーロッパとイスラーム世界』の解説を書きました。キリスト教世界とイスラーム世界の相互関係に関心のあるすべての人にとっての基本書です。比較的小さな書物ですが、ものすごい密度で情報が詰まっているので、学ぶことが非常に多い本になっています。 twitter.com/chikumashobo/s…
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クリスマスに贈りたい言葉は、「キリストが千回ベツレヘムに生まれても、あなたの中に生まれなければ、永遠に無意味である」という、ドイツの宗教詩人シレジウスの言葉です。この言葉以上に美しくかつ単純にクリスマスの本質を語り明かした言葉は、おそらく他に存在しないと言っても過言ではありません
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クリスマスを迎える子供の「何か特別なことが起きつつある」というワクワク感、この感覚ほど、救い主が誕生するという「福音(よい知らせ)」に出会った古代イスラエルの人々の感覚に近いものはありません。C.S.ルイスは『ライオンと魔女(ナルニア国物語)』の中で実に鮮やかにこの感覚を描いています