26
相手を追い詰めた時は、逃げ道を与える事が重要です。逃げ道を封じると皆一丸となって、死に物狂いになりますが、逃げ道を与えると、逃げようとする者と、徹底抗戦しようとする者との間で意見の対立が始まり、内部で勝手に争って、容易に崩す事が可能となります。
28
囲碁の格言に、「だろう手をうつな」というのがあります。「相手は弱いだろう」とか「まさか攻めてはこないだろう」などの希望観測がそれであり、これらの原因は主に、「細かく調査するのは面倒だから、おおよそこんな事になるだろう」という”無精”から来ており、無精は敗北の原因のトップでもあります
29
31
34
戦力というのは「予備」「余力」を残すのが大事であり、そしてそれは平時から準備しておかなくてはなりません。平時には「予備は無駄」「無駄だから削減すべき」という人がいますが、緊急事態に予備が無いとすぐに滅びるので、批判をかわして如何に予備を用意しておくかが、生き残る秘訣となります。
35
中国の格言に「流言は知者に留まる」というのがあります。デマとは賢き者が耳にしても、口には出さないからそこで止まりますが、愚者の間では際限なく広まるという意味であり、デマの拡散防止に、如何にリテラシーが大事かという格言でもあります。
36
ドコモ口座の事件やセブンペイの不祥事を見るにつれ、かつてソ連軍のジューコフ元帥が評した
「日本軍は、現場の兵士は優秀だが、トップの将校は愚かだ」
という評価を思い出します。
トップエリートが愚かなのは、日本の組織に古くからある根本問題といえます。
37
予備は大事だけど「予備は無駄」という批判に負けて削減しちゃう人、これは批判に負けたのではなく、自分を大事にしてるんですよね。兵法調べていくとわかるんですけど、他人の批評を気にしすぎる人、自分を飾ろうとする人、自分にかかるリスク、責任を嫌がる人。これ敗北する人のパターンなんです
39
「ファインプレーの前にはミスがある」、とよく言われます。ファインプレーとは、不利な状況を打破するものですが、実は不利な状況に陥っていること自体がミスであり、そういう意味ではファインプレーとミスは同じ姿をしているといえます。戦上手はミスが少なく、同時にファインプレーも少なくなります
41
中国の諺に「賊喊捉賊」(ぞくかんそくぞく)というのがあります。
泥棒が、「泥棒を捕まえろ!」と叫びながら逃げる様を言い、あたかも自分が盗賊を追いかけている被害者や第三者の様に見せかけ、自分への罪責追及を逃れる事を言います。
兵法は騙し合いであり注意が必要です
news.yahoo.co.jp/articles/940e4…
42
兵を粗末に扱う軍は敗れます。人間というのは”釣り合い”を求めるもので、命令する側が下を軽く扱うと、命令される側は同じように上を軽く扱います。
命令というものは、それ自体に効力があるわけではなく、受け取る側が命令を聞く気になっていないと、何をどうやっても命令は実行されません。
44
戦いは弱い部分を責めれば相手をコントロールできますが、相手が「弱点など知るか」と開き直って攻めてきたら、制御するのは不可能となります。ことほど左様に「背水、決死」というのは厄介で怖いものであり、相手にこれをさせないように、わざと相手への逃げ道や、生への希望を与えなくてはなりません
45
人が人の言う事を聞くのは話し合いではなく以下の4つの場合です。
1.暴力
2.経済制裁
3.拘束
4.洗脳
話し合いとはこれら4つの折り合いをつけ妥協する作業であり、この4つが無い状態で話し合いをしても、ネットの議論のように、人は考えを改めません。
46
よく「なぜ現場の情報が、きちんと自分の所に伝わってこないんだ!」と怒る上司がいますが、たいていは情報の要求をしていない事に原因があります。軍隊では、指揮官が「この情報が欲しい」と具体的な情報要求(EEI)をするのが常であり、まず上の者がこれを示さないと必要な情報は上がってはきません
49
先月は「緊急事態宣言は政権の恣意的な運用により国民の権利を制限するものでけしからん!!」と言ってたのに、今は「緊急事態宣言をしない総理は決断力が無い、無能!!」と言ってるマスコミ。まるで敗戦直後に論調を180°転換した様子を、リアルタイムで見ているようで感慨深い。