551
言葉では伝わらない人もいる
言葉では変わらないこともある
でもせめて五才の子供の言葉くらい
抱きしめてやれなかったのかな
552
レコーディングをしてて
考えることがある
このアーティストはどこに向かって
歌っているんだろう?
目の前のマイク?
その向こう側?
未来?
進化する機器で
補えることはあっても
魂の指向性は
そのアーティストだけのもの
見えているものしか見ないと
見えないものには届かない
553
勿論どんな風に
歌われるかは
想定して書く
ただ思いもよらない
答え合わせになる事もある
田村ゆかりさんの
ライブDVDを観てて
改めて思った
ちょっとした息の抜き方や
アクセントの付け方
同じ歌でも違う感情で
アプローチしてるように感じた
よい意味で言葉はただの道具
扱う人によって魂は宿る
554
こうなりたい
こうしたいという
願望があっても
未来は思うようには
なかなかいかない
ただ
小さな石でも
積み重ねていれば
気がつくと階段になっていて
思いもよらない
風景が見えたりする
こんなはずじゃなかったと
思うことが多くても
こんなこともあるんだと
思えればいいな
555
工藤静香さんの次女Kokiが
モデルとしてデビュー
彼女は作曲もする
去年の静香さんのアルバムで
その曲に歌詞を書かせてもらった
歌詞にある
「決して二度はない陽の光..」
「深くあたたかいこの希い(ねがい)..」
光と希は彼女の名前から
歌詞に込めた希いが
現実になっていく
凄いな
556
関西ジャニーズJrの
ライブのために書いた曲
「Happy」
大阪での公演だったので
タイミングが合わず
彼らの歌う姿を
観ることができずにいたが
TV番組で歌う様子を
やっと観ることができた
やっぱり作った歌を
歌ってくれているアーテイストを観るのは
なにより嬉しい
歌が生きている実感が
味わえる
557
「鍵のない箱」ってただの箱じゃん
KinkiKIdsのシングルがリリースされた時
知人にそう言われた
箱が象徴するもの
鍵が象徴するもの
言葉使いがシンブルでも
表現には層がある
二人は多層の感情を
感じさせる声をしてる
そして勿論
これはただの箱の歌じゃない
558
親友のお母様が亡くなられた
いつかが訪れることが
仕方のないことだとしたら
人はその時の意味を
受け入れなければならない
自分に与えられたものがなにか
自分の分とは
本来の性質を意味すると言う
ふと自らを分け与える
つまり自らの役割という意味も
あると思った
それは父と母からの
教えなのだ
559
1997年「moment」
XのYOSHKI君の作曲
レコーディングでは
お逢いできなかった
西城秀樹さんは
ほんとうにスターだった
ご冥福をお祈りします
youtube.com/watch?v=UjjbwQ…
560
意味も勿論だが
音に対する
口あたりを意識して
書くことがある
「悲しみにさよなら」の
デモテープで玉置浩二は
「You make me feel・・・」と
歌い出していた
その語感を踏まえて
「夢にまで・・・」と
書き出した
メロディが
そう言ってる
気がした
562
563
いつどこで出逢ったか
10年20年30年
離れていく仲間
一緒に歩き続ける仲間
決めたはずの道なのに
思いもよらない風も吹く
進みたくても泥濘む雨も降る
それでもまだ灯る明かりが
あると言うなら
誰も傍観者ではいられない
565
iTunesを回遊していたら
宮野真守君の新譜を見つけた
昔「鋼鉄三国志」の
キャラソンでお逢いした
その後彼の2枚目のシングルに収録された
「Garnet」という曲の作詞を
まだ自分の世界観を
模索してる時期だったと思う
「望まれる誰かでいるなら
この世界は 光 与える」
このフレーズはよく覚えてる
566
時々
書かせて欲しいと思う
アーティストはいますか?
と質問されることがある
思い浮かぶのは
山口百恵さんや
安室奈美恵さんや
SMAPや
難しくなってしまった人ばかり
引退や解散というゴールを
切られてしまったら
追いかけようがない
出すことのない
ラブレターのように
書き溜めた詞がある
567
Chageソロ20周年Bestが
5月に発売される
彼と出逢って37年
作詞家デビューシングル「放浪人」も
最初のヒット曲「ふたりの愛ランド」も
そして二人50代最後のシングル
「たった一度の人生ならば」も
一緒に作った
いろんな事があったな
それぞれにそれぞれの旅もして
ふと隣りを見たら
Chageがいた
568
関ジャニ∞
渋谷すばる君のニュースを見た
バンドやユニットには
特別な絆が生まれる
出逢ったのも運命なら
変化するのも運命
それでも共に過ごした
時間の価値は変わるものではない
脱退 解散 引退
いろんな選択を見てきたけれど
ただそれも人生に於いては通過点
答えはまだ未来にある
569
2010年ジュンスの「悲しみのゆくえ」
JYJ「いつだって君に」
2011年東方神起「Winter Rose」
ノンフィクションを
書くわけではなくても
アーティストにとっての
リアリティは意識する
表記上はなにげない言葉でも
そこに血が通ったとき
歌は別の物語になる
570
4月8日はパク・ヨンハの日だそうだ
まだ冬のソナタでしか彼を知らなかった頃
「初めて出逢った日のように」の歌詞を依頼された
まだ韓流ブームという言葉も生まれる前
その後に関わる事になる
たくさんの韓国アーティストの
はじまりだった
571
ソン・シギョンさんとお逢いした
昨年はじめて歌詞を書かせて頂いた
川江美奈子さんの美しい曲に
透明感のある美しい声
届いた音源に感激した
「悲しみにさよならが好きなんですよ」
彼はそう言ってくれた
今回は彼の作曲
クレジットで名前が並ぶ
そこには流れる時の
ひとつの結晶がある
572
氷室京介ソロデビュー30周年
勿論BOØWYの頃は逢ってたが
彼のソロで僕が最初に書いたのは
「ALISON」という曲
ほぼ完成していた
「FLOWERS for ALGERNON」
何曲か共作した
翌年「NEO FASCIO」の制作がはじまり
再会したのは横浜のスタジオだった
窓からは港が一望できた
永遠の記憶
彼の目を覚えてる
573
Rockであろうと
アイドルであろうと
Popsであろうと
アニソンであろうと
歌謡曲であろうと
演歌であろうと
歌は歌
どんなアーティストも
自分を背負って生きている
574
Hey!Say!7の4人は1993年生まれ
Hey!Say!JUMPでは2013年に書いた
「New Hope~こんなに僕らはひとつ」がある
その頃彼らは20代になったばかり
僕が仕事を始めた1981年には
彼らは生まれてもいない
そんな人間同士が歌で繋がる不思議
まさにNew Hopeだ
575
小さな子供が
例えば
「勇気100%」を
歌っている
僕がこの星から
消えた後も
その子の記憶に
この歌は
残るかもしれない
それを確かめることが
できないとしても
その可能性は
僕には価値がある