601
嫉妬する側と嫉妬させる側の2人がいたとして、一見嫉妬する側が惚れぬいて独占欲過多だが、実は嫉妬させる側こそ深く歪んだ愛を抱えていて、気を引くのに必死なのが好きです。嫉妬させる側が他人に「なぜそうなの?」と尋ねられた時は「愛されている実感がほしくて」と笑って欲しい。面倒で愛しいです
602
人から愛を注がれない不遇な生い立ちを送り、初めて自分を愛してくれた人を愛するようになった人は、相手に「なんで僕のことを好きになってくれたの?」と尋ねられたら、「自分を愛してくれる人なら、誰でもよかったんだ。そうしたら君しかいなかった」と答えて、薄く笑って欲しいです
603
眠っている相手にキスを落とす行為はロマンチックに彩られていますね。「起きないだろうか」という不安も目の前に投げ出された唇を見ると理性のタガが外れてキスをしてしまい、その瞬間パチリと目を覚ました相手に驚いて飛びのいて言い訳しようとした口を「続き、しないの?」の言葉で封じられたら良い
604
大切にされたことがないから自分で自分を大切にする方法も分からなかった破滅的な人と、その人の手を取って「君はもっと自分を大切にすべきだ」と告げる人の組み合わせに惹かれます。大切にされなかったのは大切にされる価値が自分に無かったからだという価値観を、時間をかけて溶かして欲しい関係です
605
初めてのキスをすることになった瞬間、平気だと感じていた人が動揺する姿に惹かれます。ただ唇を重ねるだけと思うのに、目を閉じて待っている相手の顔を見たら突然羞恥が全身に回って。「こんなに…綺麗な顔してたかな」とまつ毛の長さや唇の艶やかさに気付いて、どんどんぎこちなくなってしまえば良い
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自分に自信がない人が思わず、「僕でいいの?」と相手に尋ねてしまう瞬間に、心臓を掴まれます。「あなたでいいに決まってるよ。あなたじゃなきゃ駄目の間違いだな」と返されて、いかにあなたが特別な存在で自分にはなくてはならないかを、とくとくと語られてしまって、次第に泣き出しそうになれば良い
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人間は、世話を焼けば焼くほどに、対象に愛を持つものだそうですね。世話焼きのしっかりした人が、だらしなくそそっかしい相手の面倒をなにからなにまで見て、「君がいないとなんにも出来ない」と甘えられると、満足感と同時に胸が焦げつくのを感じて。そのままだらしないままでいてと、願ったなら良い
608
「指を舐めさせる」行為には、退廃的な色香がつきまといますね。「舐めて」だけを短く音にして手を差し出して、両手で押しいただいて口内に含まれたら、意地悪で舌や粘膜を指で刺激して。口を封じられたために声すら出せず目を潤ませる相手を、さらに「指舐めてるだけでそんな顔するんだ」と嬲れば良い
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沈黙が苦にならない関係は理想的ですよね。もう相手のことは知り尽くして会話で駆け引きをする段階は過ぎ去ったから、2人でいる時はそこまで多く話すわけではなくて。そのことを他人に指摘されて「倦怠期?」と笑われたら、「いや?愛し合ってるからこそ隣にいるだけで満たされる」と静かに返せば良い
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川端康成の小説に「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます」の文があるそうですね。かつて付き合っていた相手が教えてくれた花を毎年見て、見る度「この花の名前はね」と口にした瞬間の柔らかな声と優しい顔が蘇って、胸を締め付けられながら、相手の狡猾さを知ったら良い
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相手の前でだけ泣くことができるという信頼に惹かれてしまいます。いつも人前では気を張って、凛とした顔を保っている人が、たった1人に「おいで」と包まれたらもうダメで。ほたほたと涙をこぼしてしまい、「君は泣き虫だね」と笑われて、「君が泣き虫にしたんだよ」と泣き声まじりに返していれば良い
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両思いなんだろうなと思いながらも、まだ行動を起こせない2人の甘酸っぱさは素敵ですよね。2人で並んで歩いている時にふと、目の前にあるこの手を突然掴んでもきっと振り払われはしないんだろうなと考えてしまい、繋ぐかどうか迷って。迷った上で今日も諦めて、「寒いね」とだけ話しかけていれば良い
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年上が年下を愛情たっぷりに「ガキ」と呼んでからかうのも良いですが、年下が年上を「大人のくせにね」や「これで大人のつもりですか」と年齢差で追い詰めるのも素敵です。抗議しかける年上を「嫌なら大人らしいところ見せたら?」の一言で封じ込める年下は、若いからこそ生意気で無謀で輝いています
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肌を重ねている瞬間に、快楽を「怖い」と思ってしまう人が甘美ですね。経験がないあまりに、「気持ちいい」を知らなくて、全身に広がった甘い痺れに混乱して、自分が自分でなくなっていくような感覚に「怖い」と感じてしまって。逃れたいのに逃れる術も分からないから、必死に首を振ってしまったら良い
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疲れた時や苦しい時に、相手の顔が浮かんでしまう人が、いじらしいですね。普段は自らを鼓舞していて、1人でも生きていける強さがあるように見せているのに、弱った時は必ず相手を思い浮かべて、今すぐ抱きしめてもらいたいと欲が湧いて。本当はもう1人では生きていけないことを、そっと思い知れば良い
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強情な人が、肌を重ねる際に声を我慢する姿に惹かれます。我慢しようとしても与えられる快楽に吐息だけは不規則にこぼれてしまって、必死に食いしばった歯の隙間から吐息の塊をこぼれさせながら涙の膜を張った瞳で相手をきっと睨んで、自分の行動が相手を煽っていることには気づかないでいて欲しいです
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相手の声に惚れ込んでしまったから普段から落ち着けなくなる人が好きですね。何気ない様子で名前を呼ばれても、その美しい声を聞くと心臓が高鳴り出してしまって「どうしたの?」と囁かれたら顔を埋めて耳を塞いだまま「反則なんだよ…もう黙れ」としぼり出して相手をきょとんとさせてしまったら良い
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「頭を撫でる」行為に、甘いだけの支配を見てしまいます。当初は頭頂部を触られると本能的な嫌悪感を覚えて逃げていた人が、気が付けば「嫌じゃないな」と大人しく身体を預けるようになって。撫でられれば撫でられるほどに相手に大切にされているのだと感じてしまって、潤んだ目でじっと見上げれば良い
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苦しい時に素直に涙を流せる人と、苦しくても泣くことが出来ない人の組み合わせって魅力的ですよね。泣けない人はつらい時、自分のかわりのように涙を流す泣ける人を見て「なんで君が泣くんだ」と言いながら、この人は心が美しいんだろうなと、焦がれるような眼差しを乾いた瞳に浮かべて欲しいです
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自分のことを少しも可愛いとは思ってはいない相手に、「可愛い」の言葉を注ぎこんでゆく人が愛おしい。言われる度に恥ずかしがって目を伏せて「…可愛くないし」と反抗してくる姿がまたどうしようもなく可愛く見えてしまうから、「こ〜んなに可愛いのになぁ」と頰を緩めて、胸を小突かれてしまえば良い
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本当は相手に好かれたかったけれど、一番に好かれることはできないと分かってしまったから、それならばと相手の一番憎い存在になろうとする病んだ形の愛に魅せられます。露悪的に振舞って「君が大嫌いだ」と相手に吐き捨てられると笑いながら胸中で「世界で一番に?」と尋ねているような姿が重くて素敵
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体格差のある2人は並び歩くだけで物語が生まれますね。スタスタ歩く長身の相手をいつも追いかける小柄な人は「追いかけてること知ってるくせに」と思いながら焦がれる目を向けたら良いですし、長身の相手が小柄な自分と並ぶ時はゆっくり歩くことに気がついた人は静かな愛に口元ほころばせたら良いです
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朝が弱い人と甘やかしてしまう人に、夢を見ています。時間通りに声をかけてもベッドの中から動かなくて、「ほら、もう起きなきゃだめ」と身体をゆすったら、引っ張り込まれて抱き枕にされてしまって。「あと5分、だけ」の声に力が抜けてしまって、「本当に5分だよ」と、温い時間を朝から堪能すれば良い
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誰にでも優しい人だから焦がれたのに、想いが通じ合ってからは、その博愛精神に嫉妬してしまう厄介な人がいじらしい。「あなたは皆に優しいよね」とこぼして、「どうしたの」と微笑む顔に憎たらしさを覚えて。「どうしたらあなたにとってのたった1人になれるんだろう」と、答えのない悩みに浸れば良い
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だらしない人と、常に面倒を見てあげる世話焼きの人がいて、周りは世話焼きを、「大変だね」「一緒にいると疲れるだけだよね」と哀れんでいるけれど。実際は世話焼きこそ、だらしない人がいないと生きていけない人間で、「役に立てて嬉しい」と自分が面倒を見れることに喜びを感じている関係が好きです