2076
髪に戯れかかる姿には、無邪気さの中にも艶っぽさが滲みますね。「構ってほしい」の一言が言えないばかりに、その髪に触れて指に巻きつけて少しばかり引っ張ってみて。「痛いなぁ」と微笑んだ相手に、「もっと違う誘い方を覚えなよ」とからかわれたら返す言葉がなくて、さらに力をこめてしまったら良い
2077
誰にでも優しい人なんだとは分かりながら、される度に早く脈打つ鼓動を抑えられない人がいじらしい。「あなたって誰にでも優しいよね」と勇気を出して切り出せば、「それって悪いことなの?」と微笑まれるから。「他人を勘違いさせて苦しませるのは悪いことだよ」と浮かびながら、ただ奥歯を噛めば良い
2078
「決して自分の手に入ることがない人」と分かってなお、止められない恋の模様に心奪われます。何度告白する想像をしてもその場で振られてしまう姿しか見えなくて苦しくて、諦めたいと思うのに。微笑みを向けられただけでやはり燃え上がる肌があって、「どうしても君を諦められない」が身に沁みたら良い
2079
苦しさを口にできない人を、黙って慰める姿に深い愛を見て胸ときめきます。辛さを一人で抱え込んでしまう人が、「つらい」の一言すらもらさずにただ膝を抱えているから。背後からその身体を抱き込んで、そっと腕を回して「大丈夫だよ」を繰り返して、その固い身体が弛緩するまで付き合ってあげたら良い
2080
辛くても誤魔化す技を覚えていて、笑ってしまう人の寂しさが美しい。苦しくてもいつものように感情を押し殺して、慣れた笑いを浮かべていたらヒタリと頰に手を当てられて、「辛い時ぐらい辛い顔をしてくれ」と言われてしまうから。「君は残酷な人だね」と返す声が、慣れない震えを持ってしまったら良い
2081
遊びのつもりで関係を持った2人が、少しずつ惹かれあっていく姿に浪漫を感じてしまいます。肌を重ねることは容易くて何度だってその背に縋ったことがあるのに、ただ夜道を歩く時に手を繋ぐことが難しくて。「暗くて足元が見えないから」を理由にしようかと、初々しい触れ合いにズルい思考を割けば良い
2082
「愛してるよ」の言葉が傷つけるものにしかならない、歪に身を寄せ合う2人が美しい。口にされたから聞こえないフリをしたのに、何度も繰り返されるから考えないわけにはいかなくなって。「そんな顔しないで」と頰を撫でられて「ごめんね」と苦し気に吐き出されて、初めて泣いていたことに気付けば良い
2083
相手を想うがあまりに「自分なんて」との思考から逃れられない人の、苦しさを慈しみたいです。笑顔を向けられて柔らかに名前を呼ばれる度に、喜ぶ心はあるのに「こんな素敵な人が」と思ってしまって。「こんな素敵な人なんだから、自分以外の人の方がきっと」と閉じた考えに身を浸してしまったら良い
2084
理由を見当たらずに、恋に落ちてしまった人が愛らしいです。「どうして好きになってくれたの?」と相手に質問されたら困ってしまって。「人を好きになるのに理由なんて必要なの?」と問い返して、「そう言ってくれるのは嬉しいけどね」と苦笑する顔を、ただ訳もなく今この瞬間も好きだと実感すれば良い
2085
肌を重ねている最中に、顔を見せたくないと手で覆ってしまう人がいじらしい。焦れた相手に「見せてよ」と請われても、指を伸ばされてもイヤイヤとかぶりを振って抵抗をしていたのに。「キスしたいから手外して」と囁かれた瞬間に負けて、躊躇いながらもゆっくりと隠していたものをさらしてしまえば良い
2086
肌を重ねながらも、声はもらさないようにと唇を噛み締めて耐える人が艶っぽい。どれだけ肌を刺激されても必死に我慢していたのに。「好きだよ」と甘く落とされた瞬間に思わず一音こぼしてしまって。こぼしてしまったが最後、もう口を閉じることが出来ず、甘ったるい声の数々をあげ続けてしまえば良い
2087
ふとした表情を「色っぽい」と感じてしまう瞬間が、どの恋人達にも訪れてほしい。ただ会話をしていて、ただ会話が途切れて、ただ相手が視線を外しただけなのに。その横顔に突然色気を感じてしまって、目を奪われて唾を飲んで。「どうしたの?」と尋ねてくる見慣れている顔を、直視出来なくなったら良い
2088
普段は感じたこともなかった相手の色気を、艶めいた瞬間に初めて意識する姿に惹かれます。いつもは冷めた目が濡れて光を放って、いつもは落ち着いた肌が内からじわと色付いて、いつもは淡々とした声が甘い音を持ったから、向けられる全てに慄いて。「こんな風になるんだ」と、のめり込んでいけば良い
2089
長年憧れて眺めることしか出来なかった人に、初めて触れる瞬間が愛おしい。躊躇いながら指を伸ばせば、何度も夢に見た肌が待っているから、触れた瞬間に電気が通ったような気がして固まって。「ちょっと触っただけでいいの?」と誘う言葉を相手に言わせてしまって、ますます理性を失ってしまえば良い
2090
相手に焦がれた期間が長かったあまりに、両思いになっても片思い時代を引きずってしまう人がいじらしい。少し甘えられたり戯れられたりするだけでいちいち固まって、毎回「恋人なんだからこれぐらい当然だ」と言い聞かせて。言い聞かせた後「そうか、もう恋人なんだ」と自覚しては狼狽えていれば良い
2091
甘やかすためではなく、しつけるために、頭を撫でるのが甘美です。ただ手を伸ばせば撫でられるのに、「頭」と短く口にして頭頂部を向けさせて。「いい子だね」と優しい声で口にしながら、ゆったりと髪に触れて。焦ったいぐらいの刺激にもどんどん耳を赤くする相手を見て、こっそりと微笑んでいれば良い
2092
相手の顎に指をかける姿に、イケナイものを見てしまいます。「悪い子」と叱りながらその顎に触れて、目を逸らすことを封じるためにじっとりと眺めて。指の腹でもてあそんで、震える唇を親指で押して。次第に強張る身体に「どうしたの?なにか期待してるの?」と問いかけて、さらにいじめてしまえば良い
2093
身長差がある恋人達が、その差を不意に意識してしまう瞬間が愛おしい。背の低い恋人と会話する時に、相手がこちらを見上げる形になっていることに気が付いて。向けられる瞳がすがる色を帯びているように思えてしまえばいじらしく感じて、「背が高く生まれて良かったな」とこっそり噛み締めていたら良い
2094
体格差がある恋人達はそのアンバランスさが魅力に繋がっていますね。いつもは気にしていない線の細さを、ふとした時に捉えてしまって、「全然違うんだ」と自らと比べれば相手が脆い存在に思えてきてしまって。抱きしめる時に力を入れられず、「なんでそんな触れ方するの?」と口に出されてしまえば良い
2095
余裕を持っていた人が、一度のキスで身も心も蕩かされてしまう姿に夢を見ています。唇を重ねるまではからかうことが出来たのに、与えられた膨らみの柔らかさに思考を白く塗りつぶされてしまって。入り込んできた舌が敏感な粘膜を刺激すればするほどに鼓動が早くなり、ただ相手に縋るばかりになれば良い
2096
「口内は神経が張り巡らされた場所で、特に上顎は敏感に作られている」と言われますから、指で相手の口内をいたぶる姿が甘美に映ります。口を開くように促されて、大人しく従えば、普段は触れられることがない場所に異物が入り込んでくるから。優しい指の動きに電流が走って、理性が削られていけば良い
2097
愛された経験がないために、向けられる愛を疑ってしまう相手に、少しずつ愛を教え込んでいく姿が美しい。「もうちょっと信じてくれてもいいのにな」と茶化して、強張る身体を腕の中に抱き入れて、耳元に唇を寄せて。「愛してるよ。君が疑わなくなるまで、何度だって言うからね」と甘く囁き落とせば良い
2098
「自惚れて」と言い放つ瞬間に愛を感じてときめきを覚えます。どれだけ長くともにいようとも、どれほど胸の内を曝け出そうとも、自信が持てない相手が、「あまり浮かれてはダメだ」と自分に言い聞かせているのが分かるので苛立って。「本気で愛されてるんだって少しは自惚れなよ」と、啖呵を切れば良い
2099
頼られる存在としていつも人前では気を張っている人が、相手の前でだけ気を許している姿に、ときめきを覚えます。甘え慣れないがあまりに気恥ずかしくて、その手に身体を委ねながらも「いつもごめんなさい」と口にして。「ごめんねって言うぐらいならありがとうって言ってよ」と優しく宥められたら良い
2100
「甘えられること」に対して、相手からの特別な愛情を感じる姿が美しい。普段は人の世話を見るばかりで隙も見せない相手が、自分の前でだけは身体の力を抜いて身を預けてくるので、愛しさを覚えて。「本当の姿を知ってるのは自分だけなんだな」と優越感を覚えながら、デロデロに甘やかしてしまえば良い