501
窮地に追い詰められても高飛車で優雅な姿を崩さない人も、また魅力的ですね。「涙ぐらい流したらどうだ」と凄まれたら「頼むなら泣いてあげてもいいけど?」と笑い、「綺麗な顔がどうなってもいいのか」と脅されたら「そんなことが君に出来るの?」と挑発するような人の美しさは完成されていますから
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告白された時「君は面白い人だね」と笑って返すのも残酷なのにみずみずしくて好きですが、「君はつまらない人ですね」と返すのが刺々しいのに甘くて惹かれます。好きだと真っ直ぐ告げる相手をぼんやり見ながら「私なんて好きになってどうするんですか」と返す人の乾いた心が、水を得るまでを見守りたい
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オメガバースの「運命の番」という概念は実は残酷ですよね。α同士の恋人達がいつか現れる運命の番に怯えながら首に戯れの噛み跡を残す話や、引き裂かれるΩ同士の恋人達が「僕が君の子供を産みたかった」と泣く話や、憎い奴なのに互いに本能には抗えない運命の番の話などを踏みしめて成り立つ概念です
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オメガバースの世界では、αとΩの恋人達が「運命」とロマンチックに肯定されるからこそ、他の属性の恋人達は背徳を背負うところが魅力。無意味と知りながら首筋を噛んで恍惚として、「本能より理性で君を選ぶ」と誓ってみせながら、お腹に指を這わせて「いつか誰かの子を孕む」と内心自嘲するのが良い
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オメガバースの世界で言って欲しい言葉は、眩しい「君は僕の運命だ」ではなく、陰鬱な「僕は君の運命になりたかった」です。自分達に未来はないと知った子供2人が口にしても、理性を超えた欲求に初めて押し流された思春期2人が口にしても、大きくなったお腹を撫でつつ大人2人が口にしても映えますね
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11月11日は「おそろいの日」で「恋人たちの日」です。自分の面影を常に感じさせるため、恋人におそろいの品をプレゼントして「いつも私を忘れないで」と身につけさせる人の暗い執着には魅せられますね。他人がおそろいであることに気がついて、ここにいない人の姿を背後に見てしまって怯えても良い
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追い詰められて「ひどい顔してる」と相手に告げられた際の返答には個性が出ます。力なく「君がそうさせたんだよ」と絞り出すのか、「ひどい?綺麗の間違いでしょう?」と無理やり笑ってみせるのか、「お前の方がひどい顔してるぞ」と震えながら相手の目を見据えるのか、どれも違った魅力がありますね
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一線を超えるとなった時、相手がいつもなら絶対しない表情なので思わず「ひどい顔してる」と告げたらふっと口元歪ませて「君もひどい顔してるよ」と返されて、相手の瞳に映る自分が確かに崩れた表情だったので「似た者同士だね」と熱い身体を抱き寄せ早い鼓動を重ねる様式美を、後世まで残したいですね
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「蔑んで」と相手に頼む姿には、じっとり濡れた色香が漂いますよね。自分という存在に価値を見出せないから愛されるより見下される方がずっと楽で、罵られたらうっとり鼻先で笑うのに、「愛している」と告げられたらどうしていいか分からなくなって、「蔑んでよ」と懇願する人の不器用さが愛おしいです
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「蔑んでよ」と相手に懇願された時、「いいよ」と望みどおり上位に立ってあげる人も好きですが、「嫌だ」と否定して同じ目線に立とうとする人に惹かれますね。「蔑まないよ、俺はお前に優しくしたいんだ」と告げて「自己中」と吐き捨てる相手に「お互い様だろ」と微笑む人の自分中心な優しさは救いです
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自分は人を愛する資格はないと思っているから、感情を押し隠す愛し下手と、自分は人に愛される資格はないと思っているから、言動で相手を威嚇する愛され下手の、面倒な恋愛模様に魅せられます。最初は互いに「自分なんかと幸せになれない」と考えているも、最後は「自分が幸せにする」と腹据えれば良い
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夢は深層心理を映し出すと言いますから、普段から恐れているために夢の中で泣く相手を見て、目が覚めても不安がぬぐえず、相手に縋るように抱きつく人は可愛らしいですよね。「どんな夢見たの?」と尋ねられても無言のままで、観念した相手に「所詮夢は夢だよ」と髪を撫でられて安堵を噛み締めれば良い
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苦しい人生を歩む2人の内の片割れが、現実とかけ離れた幸せな夢を見て、目が覚めてから涙が溢れて止まらず、「どんな夢見たの?」と優しく尋ねられて「幸せな夢だよ、僕と君の」と泣きながら返し「きっと正夢だね」と笑われる姿に胸を締め付けられます。現実に救いがない2人には暖かい夢を見て欲しい
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夢は深層心理を映し出す鏡と言いますから、今までは心に引っかかる相手としか思っていなかったのに、相手とキスをする夢や身体を重ねる夢を見てしまい、目が覚めてからも残像が振り払えずにそれから意識してしまって、実は前から好きだったのかもしれないと恋を自覚して困る人も、初々しくて好きですね
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不器用な年上と器用な年下がいて、年下はいつも年上を「大人のくせになんにも知らない」や「いい年してこれで情けなくないの?」と馬鹿にしているけれど、内心は馬鹿にされても突き放してはこない部分に大人の余裕を感じていて「やっぱりガキの自分は一生敵わない」と悔しく仰ぎ見ている関係が好きです
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年の差から生じる庇護関係を、苛立つ年下が崩す際、年下が年上に「あんたが思うより俺はずっと大人なんだ」と告げるのが好きですね。続けて「だから対等に扱えよ」と吐き捨てても良いし、「だから弱音を吐いてもいいんだ」と縋っても良いですが、年上は弱々しく笑いながら「知ってたよ」と返して欲しい
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相手に対する感情の整理がつかないまま、ひどい言動で接していたのに、相手は変わらず優しいからどんどん逃げ場を失って、いっぱいいっぱいの状態で「もう優しくしないで」とこぼす状況に惹かれます。「君を好きになりたくない」と続けそうになって初めて自分の心に気が付いたら、初々しくて可愛いです
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顔を合わせる度に子供じみた悪口をぶつけ合っていた2人が、甘く距離を縮めた際に沈黙が訪れてしまい「いつもの威勢はどうした」と震える声で言ってみたら「余裕がないんだよ。…知ってるくせに」と返されてもう何も言えなくなってしまうのが好きです。普段うるさい2人が黙る瞬間には色気が宿りますね
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「知ってるくせに」という愚痴には色っぽさが付きまといますね。「君に逆らえないことぐらい知ってるくせに」と目を伏せながら呟いても、「知ってるくせに。僕が素直じゃないってこと」とにこりと笑んだ顔を近づけて囁いても、「私がいい人にはなれないって知ってるくせに」と泣いて縋っても良いですね
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雛鳥が初めて目にしたものの後を追うように、初めて優しさを与えてくれた相手を庇護者と認識して知らず知らずに依存した愚かな人と、相手を自分に依存させるために、親鳥のごとき無償の優しさを与えた狡猾な人の閉じた関係に惹かれます。第三者の割り込みも変化も許さずに、愛の巣にこもっていて欲しい
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自らの美しさで他人を狂わせてきて「顔がいいから何しても許されると思ってるの?」と睨まれたら「思ってるよ」と笑っていたような人が、初めて本気で好きになった相手に「美しいね」と言われて、嬉しくないばかりか「結局そこか」と悲しくなって、けれど「ありがとう」と微笑むしかない悲痛さが愛しい
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笑顔が眩しい人に恋をして、大切にしたいと思うのにどうしても「この人が泣いたらどんなに美しいんだろう」と考えるのを止められない人の歪さには惹かれますね。笑顔をこのまま守りたいという願望と、この手でぐちゃぐちゃに歪ませたいという欲望の二つに苛まれて苦しんで、本人に懺悔したら怖くて良い
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「綺麗だ」と見つめながら繰り返して、普通に反論していた相手が本気で恥ずかしくなって「やめて」と顔を手で覆った時、「隠さないでよ」とその手を引っ張って強引に赤い顔をさらけ出させる人も良いですが、「目を合わせたい。俺を見てよ」と囁くだけ囁いて自ら手を外させる人の狡猾さが優美で好きです
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「嫌だ」と抵抗する相手に「ごめん」と謝り続けながら手は止めない場面、許されるはずないと頭では分かっているのに、まだ相手に許されたいし許されるかもしれないと考える甘えが垣間見得えて背徳的。「ごめん」と繰り返す内に苦しくなって泣いてしまい、「なんでお前が泣くんだ」と責められたら良い