1076
撫でるという行為に、上下関係がひそんでいるのが甘美ですよね。頭を撫でられることが躾けられているようで最初は嫌がっていた人間が、次第にその歪さに惹かれていって、相手に撫でられる度に恍惚を感じるようになって。最後には自ら頭を差し出して「撫でてください」とお願いするようになったなら良い
1077
緊張をすると無理に喋るようになってしまう人が可愛らしいです。普段は落ち着いていられるのに、相手が近づいてきた時に、その肌の香りを感じてしまえば頭が真っ白になって理解できないままに意味のないことを発してしまっていて。「もう黙って」と唇に指を当てられてようやく、言葉を失ったならば良い
1078
お喋りで口を閉じたことがないような人が、色めいた雰囲気になった時だけ言葉を発しなくなる姿が愛くるしいです。キュッと閉じた唇が確かな緊張を表しているから相手には、新鮮に見えて新たな魅力を見た気がして。「普段からこう素直だと可愛いんだけどな」と思いながら、静かな唇を奪ったならば良い
1079
身長差のある恋人達の、キスは色気が際立ちますよね。背が低い側が背の高い恋人に、イタズラ心で背伸びをしてキスをしたならば、相手にスイッチが入ってしまって。そのまま頭の裏に手を添えられて引き寄せられてキスが深まっていくものだから、体勢に苦しさを感じながらも、思考は蕩けていったなら良い
1080
身長差のある恋人達の、キスにまつわる話に惹かれてしまいます。キスをされる時は背が高い側のタイミングにされている気がして、背が低い側は悔しくて。段差を利用して自分が優位に立った瞬間、不意打ちで唇を奪って。驚く顔に「屈み込む形のキスっていいものなんだね」と不敵な笑みを向けたなら良い
1081
「指や爪を噛む癖がある人はストレスを感じている」との説がありますよね。嫌な記憶が蘇った時に、気付けば手元に指を持っていってしまうから、いつだって歪な爪の形になってしまっていて。心配した相手に爪を撫でられて「子供みたいな癖だけど、子供じゃないんだから頼ってよ」と言わせてしまえば良い
1082
「唇を触る癖がある人は欲求不満」との説がありますよね。相手がふとした時にさりげなく指を唇に伸ばして触れているものだから、目が吸い寄せられて離れられなくなってしまって。「もしかしたなら、今」と思ったら俗説とは知っても振り払えなくて、めくるめく想像に浸って1人で赤くなっていたなら良い
1083
一緒にいると、安堵から子供がえりする関係に愛を見てしまいます。隣にいれば、慣れた肌のあたたかさに優しい匂いに当たり前のやりとりに、自分が普段作っている殻が溶かされていくのが分かって。「あなたといると取り繕っていられなくなる」とこぼして、「1番の褒め言葉」と笑われてしまったなら良い
1084
共にいるうちに、癖や話し方などが似てきてしまう恋人達がいじらしいです。もともとはしなかった動きや、もともとは口にしなかった言い回しなどが、相手から馴染んで自分のものになってしまっていて。無自覚だったのに指摘されて「身体の内側から染められているみたい」と思えば、居心地悪くなれば良い
1085
肌を重ねている最中に、必死に声を我慢しようとする人が愛おしいです。出すことはプライドが許さないから、唇を噛み締め手も握りしめてどうにか耐えようとするけれど、合間合間に濡れた吐息がこぼれてしまって。相手には「こういう方が煽られることに気付いていないのかな」と内心思われていたなら良い
1086
外は雨が降りしきる中、室内で身体を重ねる恋人達が艶めかしいです。湿気が流れ込んでくるから、触れた肌が普段よりも柔らかく思えて熱が回って。うるさい雨音のせいで相手の声がかき消されることに最初は苛立ちを覚えたのに、「イケナイことしてるみたいだ」とひとたび思えば後戻り出来なくなれば良い
1087
寛大な恋人だからこそ、「嫉妬されたい」と思ってしまう人がいじらしい。誰と話しても仲良くしても、ただ見守られて「友達が多いんだね」と微笑まれるだけだから、優しさを感じるのに納得できないと思ってしまって。「嫉妬、してくれないのかな。してほしいのに」とふと面倒な願望を持ってしまえば良い
1088
束縛が強い恋人に、怒るどころか愛を見出してしまう人が耽美です。他人と会話しただけで「見てるだけでおかしくなりそうだった」と縋り付かれて、馬鹿だなとは思うのに、それほどまでに乱されてくれるのだと感じてしまって言いようのない嬉しさが浮かんで。「君だけだよ」と、甘やかしてしまえば良い
1089
相手を「可愛い」の言葉でグズグズに絆そうとする人がやらしいです。「可愛いね」と言えば眉を顰めて聞こえないフリをしてくるからまた、「そうやって拗ねてくるとこが可愛いよね」と口にして、反論されても微笑みながら止めなくて。「自分のこと可愛いって認めるまで終わらせない」と意地悪すれば良い
1090
相手が生み出す「可愛い」の言葉に依存していく人が可愛らしい。最初は嫌がって、次第に気に留めるようになって、少しずつその言葉を欲するようになって。言ってもらえないと「もう可愛くなくなっちゃったのかな」と不安が芽生えて止まらなくて、「なにか言うことないの?」と必死で尋ねてしまえば良い
1091
興奮すると、声の響きが変わってしまう人が愛おしい。普段は落ち着いた声で淡々と話しているのに、相手を腕の中に捕らえた瞬間、声は熱と湿度を持って。囁かれた相手は、違いを肌で感じ取るなり自分も熱が回っていくのが分かって、「どうしてそんなにズルい声出すの」と理性を消し去られてしまえば良い
1092
感情表現の少ない相手を、表情や声の響きで理解している姿に愛を見てしまいます。第三者から見たら、無表情で無口で何を考えているか分からない人でしかないから、「あんな分かりにくい人とよく一緒にいられるね」と言われてしまうけれど、言われた側は「分かりやすいよ」と不思議そうにしていたら良い
1093
切っても切れない関係「腐れ縁」は、本来「鎖縁」と呼ばれていたとの話があるそうですね。いつだって傍らにいて、苦しくさも悲しさも分け合ってきた2人の人間が、「コイツとは一生このままなんだろうな」と考えていて、運命の赤い糸ではない鎖のような強さと硬さと逃れられなさを覚えているのが良い
1094
自分達の関係は儚く脆いものだと、分かっていてなお離れられない2人が美しい。「愛してる」と声にしても明日もそう言える保証はなくて、腕の中に抱きしめても未来を夢見ることは出来なくて。苦しいからこそにあらがいたくて、「このままずっといられたらいいのに」と無我夢中で指に力をこめたなら良い
1095
いつも厳しい顔をしている大人びた相手が、眠りに落ちた時だけ、あどけない顔をさらしてしまうのが可愛らしい。普段との違いを感じて、「こんな顔もするんだな」と思ったら愛おしさがこみあげてきて。「本当はこんなに子供なのに」とその肩にのしかかった重みを想像して目の奥が熱くなってしまえば良い
1096
普段愛しさを覚えても視線をおくることすら出来ない人が、相手の眠る姿を眺めるのがいじらしい。じっくりと見つめるうちに、それまで気付いてはいなかったまつ毛の長さや唇の質感を知って、「綺麗だな」とひとたび思ったら止まらなくて。「こんなに綺麗な人に一度」と触れたいとの欲望が湧いたなら良い
1097
穏やかだと思われている人が、感情のままに相手に迫る姿がイケナイです。驚いて見上げた顔が苦しげに歪んでいて、こぼされた声は切羽詰まっているから言葉を失って。実は今まで勘違いしていただけで、自分は相手より弱くて、組み敷こうと思われたら抵抗する手段はないのだとその瞬間に思い知ったら良い
1098
普段は敬語で慇懃無礼に話している人間が、感情を昂らせた時にだけ素の喋り方をしてしまうのが美しい。口にしてから気付いて、気付いたために口元を覆って、恥ずかしそうに「忘れてください」と絞りだすから、見慣れない顔が相手には魅力的に見えてしまって。「絶対に忘れてあげない」と虐めたなら良い
1099
人前では気遣いの出来る人で通っているのに、恋人の前ではワガママばかりで甘えている人がいじらしい。些細なことで機嫌を損ねて、「機嫌とってよ」と理不尽なことを言い出して。相手は怒りたいと少しは思いながらも、自分だけに甘えてくれる理由を考えれば「面倒だなぁ」と幸せな溜め息をつけば良い
1100
周囲に関係を隠している恋人達が、ふとした瞬間に普段の姿を見せてしまうのが可愛らしい。人前では敬語を使っているのに、気を抜いて崩した言葉で話しかけてしまって。気が付いた相手がじわじわと肌を染めていくから遅れて失態を知って、気の利いたことも言えずに、「後で怒られるな」を実感したら良い