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「君がいないと生きていけない」を繰り返して、相手を自分に引きつけていく人が美しいです。なにかをしてもらう度に、ありがとうや好きの代わりに「君がいないともう生きていけなくなっちゃった」と口にして相手の心に植え付けて。自然と「この人の隣に一生いてあげないとダメ」と思わせてしまえば良い
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「愛してる」も「一緒にいて」も口にしないクールな人が、実際は相手に依存している姿が甘美ですね。言葉にはしないから相手に淡白だと思われて、「こっちばっかり好きみたいだね」と笑われるから胸が痛くなって。本当は、束縛したいほど狂おしいけれど離れられるのが怖いのだと出かかってしまえば良い
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悪夢を見て飛び起きた人が、相手に甘える姿がいじらしいですよね。夢の名残りに引っ張られて心拍数は早いままなのに、傍にいる人を見たならば息が落ち着いて、本能のままに抱きついてしまって。「どうしたの」と夢うつつの声を聞きながら、この人がいれば夢は夢なんだと実感して涙が静かに溢れたら良い
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夢は秘めた心を映し出すと言いますから、夢を見て初めて相手への恋心を自覚するのが愛おしいですよね。目が合った時の心臓の跳ね方も名前を呼ばれた時の熱の上がり方もずっと無視していられたのに、夢で見た自分の本心はもう誤魔化すことは出来なくて。「逃げられないんだなぁ」と口元を覆ったなら良い
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人は、下の名前で呼ばれると幸福を感じるホルモンが分泌されるそうですね。初対面なのに下の名前で気軽に呼んできた相手を、図々しいと思うのに一瞬心臓が跳ねてしまって。「ただ名前で呼ばれただけなのに」と自分に言い聞かせれば反対に、それだけのこととは思えなくなって、意識してしまったなら良い
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親しい相手に触れられると、ストレスが軽減されて感じられるそうですね。重い身体で帰宅して精神も疲れ果てていたのに、「おかえりなさい」と抱きしめられて体温が伝わったなら疲労が消えていくのが分かって。「君は特別な力を持ってるよね」とこぼして、自らも手を回してさらなる安らぎを求めたら良い
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退路を絶たれてのキスに甘美さを見てしまいます。壁に押し付けられる形になって唇を重ねられて、最初は身体にかかる重みを気にしている余裕があったのに、次第に頭が白く焼けて何も考えられなくなって。どんどん力が抜けていってしまうから自分を保つために、腰に回した手が縋るようになったならば良い
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唇以外の場所にするキスが、艶めいていますよね。最初は鼻先や頬にされたから相手がふざける気なのだと思って笑っていたのに、首にされて身体が跳ねて。唇が次第に下がっていくから熱が上がって。口を開けば笑い声以外がこぼれてしまいそうで怖いから、口を手で押さえて必死に我慢するしかなければ良い
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泣けない相手の代わりに泣いてしまう人が美しいですね。相手が、苦しくても辛くても自然と内に溜め込んでしまっているのが分かるから、「泣いてよ」と頼んだのに微笑まれたままで。考えるだけでもどかしくて、気付けば自分が涙をこぼしていて。「ありがとう。優しいね」と泣き顔に口付けられたなら良い
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いつも笑顔を絶やさない人の、歪さに惹かれてしまいます。楽しくなくても常に相手が笑っているものだから、不自然さを感じて反対に苛立って。「面白くない時に無理して笑わないで」と告げたならば「どうしたらいいのか分からなくて」とまた笑みを深められて、どうにも出来ない自分自身にも苛立てば良い
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相手に乱されたいと、願ってしまう相手がいけないものですね。優しくて丁寧な相手にいつも大切にされているからこそ、「もっとひどくしてくれてもいいのに」と思ったら欲望が膨らんで。自分に触れる手を眺めながら「この手で滅茶苦茶にされたい」と考えて「変態なのかもしれない」と悩んだなら良い
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相手の泣き顔を見たいと、思ってしまう愛が背徳的ですね。いつも笑って明るさを周囲に振りまいている相手だから、ふと「泣いたらどんな感じなんだろう」と想像したら背筋に熱が走って。ポロポロと涙を落とす姿は美しいだろうなと思っては、泣かせたいに変わっている意識を自分では認められなければ良い
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知らず知らずのうちに、相手から与えられる愛の言葉に依存するようになっていた人がいじらしいです。「好き」「愛してる」「大切だよ」と相手が毎日言ってくるものだから、やめてと拒んだのに、願い通りに聞かなくなれば欲しいとの欲が募って。「もう、好きじゃなくなったの?」と尋ねて強請ったら良い
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ふとした瞬間に愛を実感する関係性が美しく見えますね。口にはしてこない無愛想な相手だからこちらも言葉にしないままで一緒にいるけれど、さりげない気遣いや熱のこもった眼差しを見た時に不意に胸が詰まって。「この人を好きになれて良かったな」と思って赤くなりそうな顔を抑えて溜息吐いたなら良い
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「甘えたい」と素直に口に出来る器用な人が愛おしいです。2人きりになるなり、「甘えたい」と口にして腕を広げて近づいてきて。「そうやって言えば、いつでも思い通りになると思ってるでしょう」とからかわれたら、相手の腕の中で「思ってるよ。なにか間違ってるの?」と尋ね返してかき乱したなら良い
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しっかり者として生きてきたからこそ、他人に甘えることは良くないことだと刷り込まれている人が可愛らしいです。甘えたいとは思っても慣れないために身体が動かなくて、挙動不審になるばかりで、勘づいた相手に小さく微笑まれて。「甘えたい時は一言呼んで」とますます甘やかされてしまったなら良い
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相手の体温に絆されてしまう人がいじらしいですね。辛いことがあって心を閉ざしていたから、優しい言葉をかけられても楽にはなれなかったのに、その手に触れられた瞬間に慣れた体温を感じて、ホロホロと涙が溢れていくのが分かって。もう一度落とされる「大丈夫」に今度は、身も心も縋ってしまえば良い
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相手を愛するあまりに、相手の香りまで好きになってしまう人が甘美ですね。普段は他人の匂いなどは気に入る人間ではなくて、むしろ嫌だと感じるのに、相手の肌の匂いは自分を満たすばかりで。「変、なのかもしれない」と葛藤しながらもこっそりと、頭のてっぺんや首の後ろに鼻を寄せて息を吸えば良い
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独占欲が強い人こそ、噛み癖があると言われているそうですね。どれだけ隣にいても相手が自分から離れてしまう想像ばかりしてしまう気が弱い人が、肌を重ねている時に本能に突き動かされて柔らかい肌に歯を立てて。赤く滲んだ跡を見て、「この人は自分だけのものだ」と歪な欲望を満たされていたなら良い
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喧嘩をした後に肌を重ねると、いっそう熱が入ってしまうとの説があるそうですね。言い合いの後に引き寄せられて、今はそんな気分じゃないと思ったはずなのに熱くなった頭が快楽を拾い上げてしまうのが分かって、気付いたら後戻りは出来なくなっていて。「馬鹿」と言ってはみても、掠れ声になれば良い
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愛情表現が激しい人と乏しい人とがいて、後者こそ重い愛を抱いている関係性に惹かれてしまいます。本来は薄い愛しか抱いていなかったのに、日々好きだと言われて甘い眼差しを向けられるうちに、相手に飲み込まれていくのが分かって。「こんなに人を好きになりたくないのに」と思っても手遅れならば良い
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相手に迫られるうちに、感情が揺れてしまう人がいじらしい。初めは愛情表現をされても無感情で、鬱陶しいとすら思っていたのに、そのひたむきさを覚えてから振り解くことが出来なくなって。「好きだよ」の声を聞き流すことはもう不可能で、「ありがとう」だけ返しながらも、肌は雄弁に色付いたなら良い
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興味がある相手を見る時は瞳孔が開くので、好きな人を見ている時は自然と目が輝いているものですね。いつも相手と目が合うとキラキラと光が見えるものだから、吸い込まれそうになって、「綺麗な人だな」と深々と感じていて。自分に好意があるから、そんな目をしてくれているとは分かっていなければ良い
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好きな相手は、無意識のうちについつい見つめてしまうものですよね。まだ自らの好意には無自覚な人が、内心では気になってしょうがないから知らず知らずのうちに見つめてしまって目が合うことに気が付いて。「どうしてこんなに目が合うんだろうな」と、微笑みかけられて高鳴る鼓動を抑えていたなら良い
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人間の記憶で最初に忘れてしまうのが「声」という話は、罪深いですよね。相手がどんなことをどんな瞬間に言ってくれたかは覚えているのに、反芻する内にどんな声だったかは思い出せないことに気が付いて。こうやって少しずつ忘れていくのかと予感して、「全部忘れたくないのにな」と自嘲したなら良い