251
自分の身体にコンプレックスがある人間が、相手から降り注ぐ褒め言葉によって、閉じた心を溶かされていくのが美しい。「綺麗だ」と肌に口づけを落とされて、「違うから」と身をよじって逃げかけても「なんで否定するの」と優しく捕らえられてしまって。「君が認めるまで言うよ」と囁き落とされたら良い
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「30秒のハグで、疲れや苦しみの3分の1が消え去る」との説があるそうですね。そのことを分かっていて、疲れると「ハグ」とねだる人が愛おしいです。重なった身体のあたたかさと、回ってきた腕の優しさと、じんわりとしみる相手の肌の香りに、積み重なっていた辛さがホロホロと解けることを感じたら良い
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苦しげに眠る相手を起きている人が精一杯癒す姿に、胸を掴まれます。睡眠の質が悪い相手が、眠りながらも眉を寄せて切ない声をもらすので、一瞬の夢と分かってもたまらなくなって。抱きしめて、額に祈るようなキスをして、「大丈夫だよ。大丈夫だからね」と、寝息が落ち着くまで繰り返してあげたら良い
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肌を重ねている瞬間に、快楽を「怖い」と思ってしまう人が甘美ですね。経験がないあまりに、「気持ちいい」を知らなくて、全身に広がった甘い痺れに混乱して、自分が自分でなくなっていくような感覚に「怖い」と感じてしまって。逃れたいのに逃れる術も分からないから、必死に首を振ってしまったら良い
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ヤダヤダと口先では抵抗を示す人が「逃げたいなら逃げてもいいよ」と言われてしまう瞬間が好きです。「逃げたら追わないから本当に嫌なら逃げて」と重ねられれば黙って身体から力を抜くしかなくて、言外に"本当は嫌じゃない"を示すことになって。笑った相手に「ありがとう」と強く抱き寄せられれば良い
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相手を背後からキツく抱きしめて、首筋に鼻を埋めて匂いをかぐ姿に、色っぽさを見てしまいます。かがれる側は最初恥ずかしがって、「あ、汗かいたから…」と逃げようとするけれど、かぐ側は全く気にせずに「汗くさくないよ?君のいい匂いがするだけだ」と息を深々と吸い込んで、愛おしさを感じたら良い
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「煙草の煙を顔に吹きかけるのは、一夜のお誘い」というルールが一部ではあるそうです。向かい合って煙草を喫む2人が、次第に目の前の身体へただならぬ興味が湧いて。「今夜どう?」と静かに煙を吹きかければ「望むところだよ」の意味をこめて煙を吹きかけ返される、言葉なく交わされる夜の約束が艶美
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片想いの時期が長かったために、両想いになっても片想いの気分が抜けきらない人が可愛らしいです。目が合ってしまえばすぐに逸らしてしまって、身体が密着すれば汗が浮かんでくるのが止められなくて。「もう恋人なんだから」と口にされて、「もう恋人なんだ」とありあまる事実を噛み締めていたなら良い
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両思いなはずなのに、片想いな気分になってしまう人が、切なくも可愛らしいですね。「恋人」の名前がついたのに、好きと口にするのは自分ばかりでへんに嫉妬するのも自分ばかりでフッとした時に「ほんとに好きでいてもらえるのかな」とよぎって。片想いの時よりもねじれた感情を、抱いてしまえば良い
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肌を重ねる瞬間に、声を我慢してしまう人が可愛らしいです。相手に甘え声を聞かれたくないがばかりに、ハンカチを噛んで必死に吐息をもらすまいとして。けれどそのために、目はたっぷりと潤み、頰は赤々と染まり、肌はしっとり汗ばんで、無意識ながらも相手の興奮を煽ってしまうことになっていたら良い
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「我慢できるよね?」と相手に言い放つ姿は官能的です。焦らしに焦らして欲を膨れ上がらせて、視線で訴える相手を無視して、とうとう我慢できずに動きでしめしたら不敵に笑って。「我慢できるよね?」と問いかけて頷かせて、泣き出しそうな顔に「我慢したらご褒美あげる」とひと匙の救いを与えたら良い
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余裕のある人が、「おいで」の一言で余裕のない人を誘う姿が色めいていますね。相手が肌を赤く染め上げながらも、自分からは言葉を発せないことが分かっているから、手を引くかわりに「おいで」と一言口にして。自らフラフラと足を踏み出してきたならば、「いいこだね」と深く抱きこんであげたなら良い
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自分に自信がない人を、褒め言葉の真綿でくるんで追い詰める姿に夢を見てしまいます。「君は特別な人だよ」と告げれば「そんなことない、から」と即座に否定してくるから、「なんで君にそれが言えるの?僕にとっての話なんだよ?」と言い返して、反論がなくなるまでじくじくと、褒め続けてしまえば良い
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「悪い子」という言葉を、叱り言葉ではなく褒め言葉で使う瞬間は背筋が震えます。飼い慣らしている相手に意地悪したら、我慢ができなくなって壁際に追い詰めて、縋る視線を向けてくるので。「こんなことして悪い子」と髪を撫でて、「でもたまには言うこと聞けない君も好きだよ」と口付けてあげたら良い
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体格差があるカップルがするキスは色っぽく映りますよね。普段はガッシリした人間が「壊さないように」と気遣って触れているけれども、キスをする瞬間だけは建前が吹き飛んで、腰に回す手に自然と力がこもってしまって。厚みのある身体に抱き潰されかけて、「こんなに力強いんだ」と浮かされたら良い
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初めて相手とするキスの際に、人生のファーストキスでもないのに硬直してしまう人が愛おしいです。目を瞑る相手が自分の腕の中で待っているのを見た瞬間、余裕が吹き飛んでしまって。「この人、こんなに綺麗だったのか」とまつ毛の長さや唇のなめらかさに気付けば気付くほど、手足が動かなくなれば良い
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「可愛い」の褒め言葉に慣れなかった人が、相手に愛を注がれるうちに当然のものとして受け取るようになるのが好きです。笑っただけで目を細められて「本当に可愛いね。笑顔まぶしすぎる」と言われるけれど、以前のように嫌がったり否定したりはせず、「うん、今日も可愛いんだよ」と自ら口にすれば良い
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甘え方を知らない不器用な人が、いちいち「………キスしてもいいですか?」「撫でてほしい、です」と声に出して相手に了解を取ったりねだったりする姿は可愛らしいですよね。相手は「たまには急に甘えてくれてもいいのに」と思いながら「嫌なわけないよ」と笑って目を閉じたり手を伸ばしたりしたら素敵
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沈黙が苦にならない関係は理想的ですよね。もう相手のことは知り尽くして会話で駆け引きをする段階は過ぎ去ったから、2人でいる時はそこまで多く話すわけではなくて。そのことを他人に指摘されて「倦怠期?」と笑われたら、「いや?愛し合ってるからこそ隣にいるだけで満たされる」と静かに返せば良い
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「優しく"して"」ではなく、「優しく"させて"」という言葉に美しさを見てしまいます。他人に大切にされた経験がなくて、愛で満たされることを怖がる相手に、告げてほしい言葉。「優しくさせてよ」と手を取って、誓うように手の甲にキスを落として、「君を幸せにさせたいんだ」とまっすぐ声にしたら良い
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憧れの人であったはずなのに、知れば知るほどダメな部分が見え、今や粗雑に扱うようになった関係は可愛いですね。「昔の君は可愛かったのに〜」とじゃれかかってくる相手をテキトーにいなしながら「昔は憧れてましたから」と答え「今は?」と尋ねられたら「愛に変わったので」とさらりと告白すれば良い
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「怒りを感じると分泌されるホルモンは、肌を重ねている時には快楽をもたらすホルモンでもある」というならば、喧嘩のやり取りをしながら雪崩れ込むのも燃えるはず。「少しは黙れよ。色気ないやつだな」と皮肉ったら「黙らせる方法も知らないのかよ」と煽られて、目の前の唇に無我夢中で噛み付けば良い
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自分に自信がない人が思わず、「僕でいいの?」と相手に尋ねてしまう瞬間に、心臓を掴まれます。「あなたでいいに決まってるよ。あなたじゃなきゃ駄目の間違いだな」と返されて、いかにあなたが特別な存在で自分にはなくてはならないかを、とくとくと語られてしまって、次第に泣き出しそうになれば良い
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決して自分を好きになってくれない人だと分かっているからこそ、相手にのめり込んでしまう、熱病のような恋が狂おしい。第三者に呆れられて「いくら君があの人に自分を捧げようと、振り向いてはもらえないよ」と忠告されても、「それでもいいよ」と返して、内心で「それだからいいよ」と付け足せば良い