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経済◆11日、痔の治療薬として「ボラギノール」が新発売。座薬と軟膏の2種類で、京都・福知山に設立された製薬会社「天藤(あまとう)薬化学研究所」が製造・販売をおこなう。 =百年前新聞社 (1921/09/11)
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速報◆11日、大阪の中央公会堂で、実業家らが集まり、「むだせぬ会」を結成する。時間を守り、ガスや電気を無駄にせず、香典返しを廃止し、辞退することなどを宣言する。出席予定1055人のところ、時間通り集まったのは約500人だけであり、早くも無駄が発生している。 =百年前新聞社 (1921/09/11)
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文化◆16日、京都の学生、梶井基次郎(20)が、泥酔。八坂神社前の電車道で大の字に寝転び、「俺に童貞を捨てさせろ!」と大声で叫ぶ。友人の中谷孝雄(20)が遊郭に連れていくと、吐瀉物をわざとまき散らし、遊女たちを困らせて楽しむ。 =百年前新聞社 (1921/10/16)
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文化◆17日、京都の学生、梶井基次郎(20)が、遊郭にひと晩泊まって朝を迎える。我に返ると、「俺は堕落してしまった」と虚無に襲われる。はじめて女を知り、友人の大宅壮一(21)に、「きみ、女って実につまらんものだね」と語る。 =百年前新聞社 (1921/10/17)
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訃報◆23日、スコットランドの発明家、ジョン・ダンロップ、没。81歳(誕生:1840/2/5)。木製の車輪の乗り心地が悪いことから、実用的な空気入りのゴムタイヤを世界で初めて発明した。 =百年前新聞社 (1921/10/23)
▼自身が発明した空気入りゴムタイヤの自転車に乗るダンロップ氏
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速報◆3日、原敬首相が、ベルギー大使館で晩餐会に出席する。大使館は、旧大久保利通邸を利用した建物になっている。原首相は、大久保が暗殺されたあと、しばらくその遺骸が置かれていた部屋を見つめて深い思いを抱く。 =百年前新聞社 (1921/11/03)
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速報◆4日、原敬首相が、東京駅に到着する。明日、京都で開かれる立憲政友会の近畿大会に出席のため。 =百年前新聞社 (1921/11/04)
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速報◆午後7時40分、原夫人が東京駅へ到着。首相の身に起こった凶報を聞き、駆けつけた。首相は重体か。必死の治療が続く。 =百年前新聞社 (1921/11/04)
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緊急速報◆午後8時10分、原首相、自宅で死亡を確認。享年65。ほぼ即死だった。 =百年前新聞社 (1921/11/04)
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【社主のニュース解説】《社会》
胸を刺された原首相は、わずかに目を開き、息も絶え絶えに。好物のワインを口に注がれると、ひとくちだけ飲みこみましたが、静かに絶命。死亡時刻は午後7時35分と、ほぼ即死でした。犯人の青年はただちに逮捕されましたが、東京駅は一時、パニック状態になりました。
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【社主のニュース解説】《社会》
首相の遺体が官邸に運ばれそうになると、夫人は「原が生きているうちはお国のものですが、こうなったら私のものです」と言って引き止め、芝公園の自宅に運ばせました。そこではじめて夫人は遺体に取りすがり、激しく泣き崩れたとのこと。夫人の気丈さが涙を誘います。
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速報◆4日、国民社会主義ドイツ労働者党が、公開集会を開き、6000名を集める。だれもがアドルフ・ヒトラー議長の演説を聞きに来ている。社会民主党員800名が乱入するが、わずか50名の「突撃隊(SA)」が撃退に成功する。 =百年前新聞社 (1921/11/04)
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速報◆6日、ハンガリー議会が、1713年の「国事詔書(プラグマティック・ザンクション)」を無効とする法律を可決する。これにより、正式にハプスブルク家の廃位が決定される。 =百年前新聞社 (1921/11/06)
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文化◆8日、川端康成(22)のもとに、婚約者の伊藤初代(15)から手紙が届く。ある「非常」があるから結婚できない、「非常」の内容を話すくらいなら死んだほうがよいとまでいう。川端は茫然自失となり、とにもかくにも夜行列車に飛び乗り、岐阜の初代のもとへ急ぐ。 =百年前新聞社 (1921/11/08)