201
「頑張ってる主は、かっこいいよ。」
加州はそう言って、審神者の前髪をちょいちょいと避けた。
202
「まだかな。」
「気が早いよ。」
加州の声に、歌仙が笑う。だって、とむくれる加州は、しかし反論はせずにふんと息を吐いた。
彼らはずっと、この時を待ち続けたのだ。
一般的には良い事ではない、この時を。
「早く逢いたいな。」
加州の声に、桜が舞う。
人として正しく生き抜いた主に、誉を。
203
審神者の葬式をする時、大抵一振りの刀剣男士が伴としてそこに寄り添う。
これがまた不思議なもので、彼らは大きく分けて三種類の寄り添い方をする。
一つ目は、部屋の隅に立つもの。
これは主に、打刀〜長物に多く見られる。
二つ目は、棺の傍に立つもの。
これは主に、短刀や剣が多い。
204
第1位、髭切
「君が勝手に渡してきたのに?って実際言われた」
205
刀剣男士達の着替え中に緊急的なカタチで止むを得ず飛び込んだ女審神者が居たとして、キャー!と野太い声で叫びつつ何故か胸を隠すのが似合うのって何故か私の中では大般若なんですよね……いやほんとなんでか分かんないんですけど。あと、それに釣られて御手杵もつい胸を隠したりします。なんでや。
206
これは、とある本丸に譲渡された刀剣男士の話である。
刀剣男士の譲渡は、本来そう簡単に出来るとこではない。余程のことでもない限りは、刀解か連結、習合をする事で調整出来るからだ。そして今回、その余程のことが起きた。
「なんだぁ、その目はぁ。」
不動行光が、譲渡されてきたのである。
207
政府施設にある、身寄りのない審神者の為の共同墓地。ある日、そこに堕ちかけた刀剣男士がふらりと現れた。前例のない事態に政府は混乱し、討伐をする為の許可をとる会議、などという意味不明な事までし始める。
そんな中、たまたま居合わせた審神者が両手で狐の窓を作り、覗いて見た。
208
これならお喋りしてても俺の手が見れるでしょ?俺も健気だと思わない?
なるほど、と彼の主は苦笑した。言われるまで気付けなかったのは悔しいが、その気持ちはやはり嬉しい。ならば健気なお前に、団子を奢ろうか。そう言うと、加州は目に見えて嬉しそうに笑う。
加州の手話は、賑やかだった。
209
・下手だけど手作りを返してくれそうランキング
※短刀は除く
第3位、御手杵
「おにぎりを自信満々に持ってきた」「私の好きなゆで卵作ってくれた」
第2位、山姥切(国)
「貰った時号泣した」「国広三振りで頑張って作ってくれたよ、ジビエ料理」
第1位、一期
「厨で弟達にめっちゃ応援されてた」
210
色変えが得意でない上に、当時はまだそういうのに参加すること自体慣れてなかったから、周囲と違う色(ステージに立ってない人の色)は周りにも演者さんにも失礼なのかもって本当に焦ってたから、ずっと色変えをしてくれた友達は勿論、その時隣でそっとフォローしてくれた審神者さんに救われた。
211
数ある本丸では、それぞれの事情がある。全てが同じでは無いし、かと言ってまるで違うわけでもない。本丸が百あれば最低百の違いがあって、そしてやはり、最高百の共通点があるのだ。
「私は、一期一振。粟田口吉光の手による唯一の太刀……です。」
例えば、譲渡されるという、事情も。
212
その審神者が、審神者という職を選んだのは二つの理由がある。
一つは、審神者になる為の条件が当てはまっていたから。
もう一つは、およそ二十年の人生で人間関係を一度たりとてまともに築けなかったから、だ。
高い志や歴史改変による国の未来への憂いなぞ、審神者には一切なかった。
213
遊郭で働いていた娘が審神者になった。はてまさか花魁かと一時は噂が噂を呼んだものだが、実際には花魁ではなく切見世にようやっと立つか否かといった頃の娘であった為に、噂はまさに煙のように消えた。
それから凡そ五年と少しが過ぎた頃。審神者の遣いだという青年が遊郭に現れた。
214
吹奏楽×刀剣男士
ただの妄想かつ個人的趣味。
私の個人的趣味。
私の。
三日月宗近……ホルン
なんか、ホルンを抱えてほのぼの笑ってて欲しい。ちなみにサード辺りを吹いてて欲しい。はっはっは、って笑いながら丸っとしたホルン抱える三日月、謎の親和性ある。
215
想像してご覧なさい……日本号と長谷部の間で、両者と手を繋ぎ時々ジャンプする博多を……癒しの空間でしょう……。
216
実際問題、あんなに刀剣男士が居て、全員と上手いこと思い出が作れたり仲良くなるのは難しい。事実審神者ちゃんと同田貫は数える程しか会話をしていない。これは恐らく珍しいことではなく、よくある事になるんだと思う。
それでも、男士達は数える程しかない思い出を大事にしてるんだろうね。
217
職場の上司、とうとう私がハマっているという理由で刀剣乱舞のキャラを覚え始めた。
218
超絶ビビりで中傷の手当てすら腰を抜かす若い審神者が、手入れ中敵の襲撃にあって咄嗟に手入れ途中の本体を握り締めて必死に逃げ回る話。
219
極めた事で開き直る男士
第1位 南泉
「ごめんにゃぁ……。」
叱られる時に何一切の躊躇いもなくあざとさを振りかざしてくるし、腹立つけど本当にあざと可愛い。特に山鳥毛と御前には効果抜群。日光には効かない。尚、長義には絶対にしない。
220
でもね、主。
やっぱ、いつでも良いよ。
雨の日でもくもりでも、なんだっていいよ。
喚んでくれたら、すぐに行くから。
暖かな春の日でも
まっこと暑い夏の日でも
美しい秋の日でも
厳しい冬の日でも
どんな日でも、必ず行くから。
必ず、この名を。
【役目を終える、初期刀からの手紙より】
221
これは、とある刀剣男士の話である。
その刀剣は、とある本丸で顕現された。彼は一目で主を気に入り、毎日楽しく過ごしていた。練度を上げ、近侍として主を支えていた。
その刀剣にとって、主は宝物だった。とても大好きで、とても大切で、なにものにも変え難い存在だった。
222
【ご報告】
この度、誠に私事ではございますが、かねてより決めていたわんこを無事に洗い終えました。毛を泡で洗う争いとなりました。わんこはふわっふわになりました事をこの場をかりてご報告します。
はと。
223
これは、とある本丸の話である。
その本丸の審神者は、優等生であった。真面目で誠実、責任感のある人であった。だが、四角四面で融通の効かない人でもあった。
例外を受け付けず、定例、恒例、年中行事といったものを大事にしていた。上からの指示には従うが、自ら意見を言う事はなかった。
224
可愛い子には旅をさせよ、という言葉を知った小さな審神者ちゃん、なるほど、としっかり意味を理解し、キリリとした目つきで
「ほんとはさみしいんだけどね、たび、いってきてもいいからね。ほんとはさみしいけどね。いくまえにぎゅってしてね。」
と山伏国広に決死の覚悟で伝えるの巻。
225
審神者であり、誰かの兄である人の話。
審神者には下に弟が二人居た。審神者が中学を卒業する年に生まれた弟と、高校二年の時に生まれた弟だ。年離れて生まれた弟達は、まだ審神者という職をよく理解して居ない。だからしょっちゅう、寂しいと泣きの電話が来る。