26
当時、ミツバチの形成する社会は人間社会が模範とすべき理想のひとつとして特別視されていたという事情があったり、宗教的背景から"メスはオスよりも小さく作られている"と信じられていたことなども相まって、「女王バチがメスである」という事実はいかにも受け入れがたいものだったようである。
27
「けりをつける」と言うときの「けり」が、文末につく過去の助動詞「〜けり」のことだったの全然知らなかったな。完全に「蹴り」だと思っていた。
28
同様に、講義などで「ここまで聞いて、「あれ?」と思った方もいらっしゃるかと思います」などと言われるとき、「あれ?」と思っていたことはほとんどない。
29
アフガニスタンの件で、街中から女性の肖像が次々消されているというニュースに「これがフェミの望んだ世界だなw」みたいなコメントをしている人がいて、その残酷さに言葉を失うというか、何もかもを遊びの範囲でしか理解することのない幼児の鈍感さみたいなものを目の当たりにした気持ちになった。
30
Twitterで軽く検索するだけで同級生の盗撮画像とかを売っているアカウントは大量に出てくるんだけど(Twitterは彼らを規制すべき)、彼らは自分の盗撮写真について「作品の無断転載禁止!」などと怒っていたりして、その無神経さに唖然とするというか、同じ倫理に立つことがかなり難しい感じを受ける。
31
その後、彼とDMで会話をして、「万能感から、自分の想像外の話を全て嘘だと決めつけるのは勿体ないよ」というような話をしたら、まだ続けるようなことを言っていたものの数日で更新をやめたので、ぼくは彼が「意外と嘘ばかりとも言えない」というシンプルなことに気がついたんじゃないかと思っている。
32
昔勤めていた日系の古い会社で、結婚している社員に支給される家族手当だったり社宅だったりというものがあったのだけど、これが男性の場合は無審査で支給・貸与されるが、女性だけ配偶者側にそういった制度がないかの確認が求められ、自分が大学とかで受けてきた教育と現実の差に困惑した記憶がある。
33
おれは、どんな気持ちで選手村を脱走して名古屋を目指したんだろうと考えたら、そしていまどんな気持ちで過ごしているんだろうと考えたら、笑う気になんて少しもなれないよ。何でも笑ったらいいというものじゃないよ、本当にさ。
34
新卒の頃、毎日仕事で苦しんでいたとき、偉い人に「仕事は面白いか?」と聞かれて、「はい!」と返事したら、がっかりしたように「レベル低すぎない? 俺は若いときめちゃくちゃつまらないと思ってやってたけどね、その仕事」と言われ、気まぐれクイズみたいなのやめてほしいと思った記憶がある。
35
妻がお風呂から戻ってくるのを待っている子どもが「ママ、きないねぇ」と言っていて、まだカ行変格活用を知らないなと思った。
36
昔、人事システムのサンプルデータに古典文学の著名作家たちの名前が登録されていたことがあり、中身を見てみると、泉鏡花の上司が尾崎紅葉になっているなど意外なほど芸が細かく(泉鏡花は尾崎紅葉の弟子だった)、こういった遊びを密やかに仕込んだ誰かに思いを馳せたということがあった。
37
「どう応えるべきかわからず完全に無視」←本当によくやってしまう。
38
「子どもの出産を条件に奨学金の返済を減免する」と書くと当然反発は大きいが、「奨学金の返済を理由として出産を躊躇う人が減るように、出産・育児で収入が減った人の奨学金の返済を減免する」と言うとそこまで変な話には思えず、誰のための制度なのかを明確にすべきということなのだと思う。
39
面白かった本について聞かれたので井上円了の『妖怪学』を紹介して、「19世紀にこっくりさんの謎を科学的に解明した上に、発祥がアメリカであることまで突き止めているんですよ!」と言ったら、「暇な人がいるもんですね」と言われたので、心に住んでいる小さなハムスターが巣穴から出てこなくなった。
40
「マジヤバい」などの言葉を使うと「パパ、ダメな言葉だよ」と指摘してくれる子どものお陰で、「誇張ではなく本当に危険」「真剣に素晴らしいと思う」などとより誤解のない語彙で会話がされている。
41
あすけんをプレイして3日目ですが、「タンパク質は低脂肪牛乳や無脂肪ヨーグルトなどで稼ぐ」「食事で大雑把に栄養をカバーしたあと、余ったカロリーを使ってアーモンドフィッシュや干し芋などの間食で栄養素を補う」などの攻略知識が既に貯まってきている。
42
「人はたくさんいるのに人材不足だ」みたいな話を聞くと、そもそも一般的な人間の能力に比して仕事の方が高度になりすぎているのではと感じる部分もある。
43
ジャン=マルク・ドルーアン『昆虫の哲学』に書いてあった話なので、良かったら読んでみてください。
44
FF8が発売されたときに、「これだけリアルになると、近づいていってボコッと一発だけ殴って、終わったらもとの位置に戻るというのはだいぶ違和感あるね……」という話があったのを覚えていて、これも省略で誤魔化していた部分を描く必要が出たことで表現に説得力が失われてしまった例だと思う。
45
「司会者を紅白に分けない」「今年のテーマはカラフルである」ということがつまりどういうメッセージなのかは特に説明しなくて、まるでメッセージなんかないように曖昧に濁すのが「体裁は整えたいが波風は立てたくない」という葛藤を感じさせる。
46
10年以上Twitterをやっていることもあり、長く相互フォローの人とかはもはや面白いとか面白くないとかそういう感覚じゃなくなっている。
47
今流行っている「私のTwitter家族」っていうやつ、許可する権限が広すぎて怪しいと思って使うの止めたのだけど、今運営元の名前で検索してみたら危険なサービスっぽいのでアクセスを許可した人は今すぐ設定から切った方がいいと思う。
medium.com/@geoffgolberg/…
48
同僚でAIBOを家族のように可愛がっている人がいて、AIBOを本物の犬のように深く愛していることがわかるだけにその人と話すときは細心の注意を以て語彙を選び取っているつもりなのだけど、それでもふと無意識に出てきた言葉で傷つけてしまったのが表情で伝わってくることがある。
49
「絶句する」という体験ってあまりしたことがなかったけど、盗撮アカウントのbioに「初心者ですがお願いします!」とか「作品の無断転載は禁止です!」とか書いてあるのを見たとき、本当に1ミリも悪いことをしていると思っていない、あまりにも素朴で幼気な倫理の欠如に何も言葉が出てこなくなった。
50
「80点で良いから終わらせるのが大事」という精神で40点の成果を繰り返しているので、さすがに職を失うかもしれません。