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青空文庫で古いエッセイなどを読んでいると、当時の「夜の暗さ」に興味を惹かれることが多い。明治15年、「アーク燈」が銀座で燈火され、見物人が毎晩こぞったということがあり、そのルポに「地面に針を落としてみて、それをちゃんと拾うことができた」と記載があるらしく、なかなか洒落た一幕である。
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ふと「おたおたする」の語源って何なんだろうと気になって調べたところ、なんと「おたすけください、おたすけください」の意らしい。kotobank.jp/word/%E3%81%8A…
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スナフキンの「彗星が落ちようが落ちまいが、家には帰れた方がいい」というモノローグが挿入される。杞憂の話ではなく本当に彗星が落ちるらしいと読者も驚いた直後にこのシーンがあって、ムーミンの幼さに絶句してしまうのだけど、その戸惑いを諭すようにスナフキンの思考が挿入されているなと感じる。
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フリートは24時間で消えるよりも、夜が明けると消える方が楽しかった気がする。
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Twitterに流れる「教養」って全部教科書に載っていた話ばかりだねという結論になって、「なるほどな、みんな共通の思い出の話をしていたんだ」と思った。
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ドラクエ6で、ある男が雪女との秘密を守らなかった罰で他の全住人が何十年も氷漬けにされている町があり、雪女を倒すことで呪いを解くのかと思ったら、雪女は戦うこともなく少し話しただけであっさり呪いを解くので、かえって老人になった男の哀れさとのギャップが激しく、恐ろしく思った記憶がある。
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「出産を条件に、いま奨学金の返済で苦しんでいる人を救済する制度」と「いまは収入があるので返済できているが、出産・育児で収入が減ったら奨学金の返済ができなくなる人を救済する制度」は制度の趣旨がそもそも全然違うので、「言い方で印象が変わる」みたいな話に矮小化すべきではないとも思う。
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誰かと会話するとき、「この人から何か新しいことを知ったりするかも」という期待をお互いに持つことが重要で、そこに歩み寄りや傾聴の姿勢が生まれると思うのだけど、ネットバトルを仕掛けてくる人はこの期待を一切持っていない様子があり、「この会話の先に一体何があるんだろう」と思うことが多い。
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ある事柄について、関係ない人ほど冷静で客観的で中立な存在に見えてしまい、実際に不利益を被っている当事者がどんどん議論から排除されるという不可思議な現象はそこかしこで見られる気がする。
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会社の情シスの相談掲示板を見たら、最新のコメントが「こちら自己解決しましたのでご放念ください。本質的な解決ではありませんが、再起動と再インストールを10回ほど繰り返したところ進みました」というもので、根性がすごすぎて笑ってしまった。
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前にEテレの手話講座を観ていたら、手話で話していても酔っぱらうと「声」が大きくなり、身振り手振りが派手になって飲み物を倒したりするんだよねと話していて面白かった。
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凍らせたペットボトルを外気に晒すとパキパキっみたいな音が鳴ったりするけど、暗闇で見てみると音に合わせて火花が散るような白い光を放っていることに気がついて、原理を想像してみているけど全く当てもつかない。誰か原理わかる人いるかな?
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性差別に限らず色んなことを連想させる話だが、個人的には、「仮に人生への満足度が下がったとしても、それでも知って良かった」という人も大勢いるのではないかと思う。
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何か事件とかが起こるたびに「そういうリスクを選択したのは自分」みたいな謎の発言をしてくる人がいるけど、たまたま運良く被弾してこなかったのを「自分が賢い選択をしてきたからだ」と勘違いして説教しているケースがほとんどだと思う。
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一応補足しておくと、ある種の厚みが作品に存在しているということと、そういった厚みを持つ作品をただの「意味がわかると怖い話」のように消費することは別であるということね。
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一方、文脈は少し違うが、あらゆる属性について「お前は実は恵まれていないんだ」と満足度を下げることでPVを稼ぎ、物を買わせるのが最近の流行りだというのは周知の事実で、自分の認知や満足度は自分でコントロールするのも大事だと思うね。
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顕微鏡による解剖と観察で「女王バチ」がメスであることが明らかになると、今度は「女王バチは王ではなく、屋敷を切り盛りする女主人である」「女王バチは母親であり、働きバチを支配しているわけではない」といったように、自分たちの社会との整合性を取る言説が次々生まれたというのも興味深かった。
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こういった、メッセージとも言えぬメッセージってやっぱりロマンチックだよね。別に何のメッセージも乗っかっていないのだけど、これを送れるということ、受け取れるということそれ自体が、ちょっとしたメッセージ性を伴っている。
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こういうとき、わざわざ「いわれなき誹謗中傷はダメですが、理由ある正当な批判は許されるべきじゃないですか?」みたいなことを言ってくる人は本当に多くて、そういった独善的な"理由ある正当な批判"が世の誹謗中傷の多くを占めているんじゃないかと思う。
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「コンビニに行くたびにホットスナックを食べる」「低脂肪牛乳・低脂肪ヨーグルト禁止」「オールブラン禁止」「同じものを食べるの禁止」などの縛りプレイをして、ファミ通に投稿したい。
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「少数の優秀な人間にたくさんの仕事をさせる」「少数の優秀な人間をどうにかして雇ってくる」のどちらかで当座をしのぐことになるけど、少なくとも先進国の生産年齢人口は減少していくわけだから、最終的には「仕事を簡単にする」という方向にシフトしていかないとジリ貧になるのではないのかと思う。
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職場でもインターネットでも、「無能を全員クビにして優秀な人間だけ採用すればいいんだ!」みたいなことを言う人は見かけるんだけど、法規制があってクビにできないとか関係なしに、そんなものは幻想じゃないかと思う。
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しかし、施策の目的や意義を行政がほとんど説明せず、代わりに毎度毎度noteやTwitterとかで市井の専門家が半ば推測で解説して、みんなが何となく行政の意図を理解したかのような気持ちになっているのって結構不思議な光景だな。
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「親御さんの前で、僕が責任を取るとメンチを切った」という文章が流れてきて、たぶん啖呵を切ったと言いたかったのだと思うけど、ヤンキー文化圏で「メンチを切る」を誤用するのは普通有り得ないから、そういう文化とは無縁で育ってきたんだろうなと思った。