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米蔵で培った粛々と物事を進める計算力実行力と、時政から受け継いだ勝つためなら何でもする坂東武者の遺伝子と、兄上の「北条がてっぺんに立つ」志が転じた呪いと、元々の平穏を乱されたらキレる性格に、頼朝の薫陶が加わって爆誕した江間小四郎義時、これ以上恐ろしい化け物がおるか…
#鎌倉殿の13人
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頼朝が築いたものを大事に思うからこそ、頼朝の意識不明を悲しむ前に、心が引き裂かれてでもその死の先のため動かざるを得なかった小四郎たちを第26回でじっくり見せての今日の回… あの時のリフレインのような頼家危篤で、今度こそ混乱のないよう動いたらの頼家回復… あまりにも残酷。
#鎌倉殿の13人
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主人公の所謂”闇落ち”は、大河のある程度定番といえば定番ですが、主人公が序盤と同じ人の心と清廉さを保っているからこそ、今の置かれた立場で精一杯責任を果たそうとする結果が血まみれの道というの、ほんと毎週恐ろしいものを見させられているな…と改めて。鎌倉殿こわい。全てが巧すぎて大の字。
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小四郎が引き戸を開け比企能員へ見せつける構図。
前回はいるはずの頼家がいなかった。今回は、能員が取り込んだと安心し、小四郎もどう動くかと言い、本人も思わせぶりだった平六が、ちゃんとそこにいて能員を絶望に追い込む。
小四郎が今後勝ちを掴む図式を暗示するようでもあったな…
#鎌倉殿の13人
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それにしても、比企の前で「刎頸の交わり」て決め台詞を言うほど北条贔屓は先代譲り、いやむしろ重くなってるクセに、先週わざわざ次は味方するか分からんぜと言ったり、小四郎がキレて懐にツッコむ(物理的)のを見越してたかのように偽文書を何十枚も仕込んだりの平六、何なんだ。かまってちゃんか。
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行列の盛況ぶりを「小栗旬に見せてあげたい」と言う大泉さんも優しいし、こっそり小四郎の格好して行列の前にバンと出て頼朝をがっかりさせようと企んでたという小栗座長も面白すぎる。ほんと鎌倉殿チームの裏話、仲が良くて楽しいなあ。
sponichi.co.jp/entertainment/…
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小四郎、人当たりは穏やかだし、投げられた仕事は淡々とこなすので、周囲に「自分を受け入れてくれる、言うこと聞いてくれる」と思わせる(侮られる)とこがあるけど、上総介の天命を見切った辺りから分かるように、感情とは別の理性による諦め突き放し限界値が、外から分かりにくいけど厳密にある。
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小四郎、善児が千鶴丸を殺したあの男だとちゃんと覚えてて記憶と一致した上で、奥州行きの同行を受け入れ、梶原殿から譲り受けていたのか…!という納得と、いやでも巾着の中身はもしかして見てなかったんか(予告)!そういうとこやっぱ律儀だな!!とそこだけ妙な安心感と。
#鎌倉殿の13人
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第1回の川のそばで行き交ったとき、千鶴丸を無表情で水に沈めてた善児と、その所業の恐ろしさに戦慄していた小四郎が、時を経てこういう対比になるなんてな…
組!で、無感情のアサシンだった斎藤と、朗らかな少年だった総司が、やがて入れ替わるように変化していった辛さを思い出す。
#鎌倉殿の13人
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川遊びの誘いにきゃっきゃと喜んで抱きついていた千鶴丸は、生きておったかと再会に笑った伊東の主人父子は、善児にとって「わしを好いてくれている」ではなかったんだろうか。
一幡の好意にふと切っ先が鈍ったのは、老いという以上に、やはり二代目トウを育てた経験もあるのかな。
#鎌倉殿の13人
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しかし、最悪の状況で息を吹き返し誰も回復を喜ばない頼家様、ほんと気の毒が過ぎるんですが、倒れる前あれほど信用できないと煽り、土地も取り上げるつもりだった比企能員を、いまさら舅殿と呼びその死を怒る激しやすさ無計画さに、ある意味でここに至った理由も見えちゃう容赦なさよ…
#鎌倉殿の13人
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感情がどうあれ理性で切り離し、政治的に必要なら非情な判断を下し、自ら幼子を殺めることも躊躇わなくなった小四郎に慄きつつも、その脇で淡々と業務をこなす文官組も実は恐ろしいんですよね…誰が政を握ろうと、究極的には誰が鎌倉殿になろうと、動いていく組織が垣間見えて。
#鎌倉殿の13人
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むしろ小四郎のほうがまだ、愛息を殴ってまで非情に振る舞おうとする、引き裂かれそうな痛みが見える分、分かりやすい。文官組は本当に、ただ”鎌倉”を維持していく以外にはドライだし、だからこそこの魑魅魍魎の土地で仕事を回してけるんだろうなあと。(そして三谷さんの筆が冴えるのはこのタイプ)
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しかし、1年モノ大河のまだ8月の段階で、主人公が”鎌倉”という上位概念を守るためなら人の心も捨てる底の底まで来てしまっていると、ここから残り3分の1ある以上、もう1~2段階はまだ小四郎の変貌があるかもしれないんだよなあ… 脚本と演者にまだ絶望の引出しがあるのか、もしくは。
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今回の癒やしシーンを必死で探すと、鶴丸が泰時を「太郎!」と呼び捨てにしてたことですかね… 伊豆行き時も、初の前では「この方」呼び、後ろ向いてこっそり相談のときはタメ口だったので、今回は小四郎がいる場で慌てて咄嗟に出ちゃったのか。いずれにしろ、いい幼馴染主従。
#鎌倉殿の13人
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第32回、政子が小四郎を「初めから助ける気などなかった、義高の時と同じ」と怒ったのが結構堪えてる。
そういえばあの時、最初の作戦会議から、政子が大姫を連れ頼朝の所に来るまで2人は別行動なので、小四郎が裏で和田&畠山に頼んだり、義高の独断行動で青ざめたりを政子は知らないんですよね…
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しかし、先週今週の小四郎を、肯定はしないが責める気にもなれず、却って不憫さが先に来るのは、これ以外に道があったとでも?と懇切丁寧に理詰めする脚本の巧さもあるし、何より小四郎本人が、自分がやるべきことを醒めた頭で理解し、恨みも含め全て正面から引き受けてるからだと。
#鎌倉殿の13人
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ドラマ『大奥』、制作統括と演出に藤並英樹さんと大原拓さんの名前が並んでるってことは、画づくりは『麒麟がくる』テイストの美しさになるんだろうか…
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いやー… 見事な答え合わせの回だったなあ。
巾着をやはり見てなかった、見てもなお「善児を責められようか」と言う小四郎。その小四郎を、悪い顔だが迷ってると喝破する運慶。父母の仇をずっと狙ってたトウ。
もしかして…と考える余白を残しつつも、ちゃんと全て伝わってた #鎌倉殿の13人 すごい。
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先週の仁田殿に引き続き、今週の頼家さまも、史実…というか当時の公式記録に比べれば、ものすごく尊厳ある最期という脚色だったのではないか。いやしかし。だがしかし。死ぬことだけは動かせない史実がつらい。
#鎌倉殿の13人