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一回り小さいリンちゃんのコップについて、注ぐジュースが少なくなると文句を言われたい。コップ交換する?と尋ねても、量に差が出るの自体が嫌だそうで「じゃーお揃いの買おっか」とニヤニヤ提案したら「あ。コップひとつを一緒に使えばいいじゃない?」と名案のように返され、ジュース吹き出したい。
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春休み明けの朝、下駄箱でリンちゃんと顔を合わせて嬉しくなりたい。けど階段で「きみはもう3年でしょ?」って言われて、赤点取れば俺も留年できたのかな…でも義務教育だし無理だよな、なんて思いながら、今年度も2年生の教室に向かう彼女の背中を見送りたい。
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リンちゃんとカラオケに行きたい。リンちゃんが入れた曲がハモり全開のデュエット曲だったので息を呑んでマイクを握りしめて待機してたら、彼女一人で2トラック同時発声で歌い上げられて、ちくしょうボーカロイドめ…!と泣きながらコール入れたい。
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レンなどは、冬休みが誕生日に被っていたり、親にクリスマスと誕生日を合算されたり、親戚に新年にお年玉と誕生日プレゼントを合算されたりと散々な思い出があればいい。今年もどうせと諦めていた折に「忘年会やるぞ」と呼び出され、しかし実はそれが誕生祝い会だとバラされ泣いてしまえばいい。
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目つきが悪くて金髪でちょっと敬遠してたリンちゃんが、実は案外家庭的で、ユザワヤで毛糸を買って編み物とかしちゃってるのを目撃したい。そんな彼女に後日、「く、口止め料っ」ってマフラーを押しつけられたい。そのマフラーを毎日つけたい。
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リンちゃんから「傘持ってた?」とメールをもらい、ようやく電車の窓にぱらぱら打ち付ける雨の音に気づきたい。忘れたと一言返し、しばらくして最寄駅で降りると、改札には二本の傘を持った彼女が立っていて、しかし雨はすっかり上がっており「無駄足踏んだんですけど!」と二刀流でべちべちされたい。
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ライブでリンちゃんに「前とギターの音違うね、弦変えたかな?」と振られ、人間じゃ敵わない領域だなと驚きたい。帰りの夜道、縁石で転びそうになった彼女を咄嗟に支えると「カメラのISO感度は人間には敵わないねー」と苦笑するので、そうか、違う存在だもんなって腑に落ち、握る手に力を込めたい。
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リンちゃんと歩いていて、突然緑のツインテールの少女に声をかけられたい。どうやら友達らしい彼女とリンちゃんが喋る間、さりげなく距離を取られたい。緑の子が時折こちらを見ては「あー、この人が例の」と笑うので、別れた後、リンちゃんに「例のって何さ」って詰め寄って、頑なにスルーされたい。
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公園の空気が綺麗で深呼吸していたら、リンちゃんにぽんぽんと頭をなでられたい。「ため息ついてたから…」と言う彼女はすぐに勘違いに気付き、「あっ、ご、ごめんなさい、わたしったらいつもこうで」とひとしきり恥ずかしがってから、大きくため息をついたので、ぽんぽんと頭をなでてあげたい。
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リンと入れ替わってしまったレンなどは、下手すると「あたしの体で変なことしないで!」と後で言われそうで硬直していればいい。そんなとき窓の外で物音がして、見ると男子の身体能力を得たリンが屋外の壁伝いに部屋を移動しようと試みる姿があり、思わず「俺の体で変なことしないで!」と叫べばいい。
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叔父に財産を騙し取られ金に困り、リンちゃんを誘拐したい。逃亡生活の中、事情を知った彼女が被害者にも関わらず我が事のように怒るのを見て、心を打たれ出頭を決めたのだが、それも制止されたい。目を瞬かせるぼくに不敵に笑い、叔父への復讐と財産奪還のプランを滔々と語る彼女に、息を呑みたい。
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廊下でリンちゃんに「放課後、校舎裏に来て下さい」って手紙を渡され、どうしたらいいだろうって戸惑いたい。一言「ずっと憧れてたの」と笑って立ち去ろうとする彼女に、思わず声を掛けて、確かめたい。…放課後も何も、きみボカロだから学校行ってないよね?って。
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リンちゃんは天使なのでたまに天から降ってくる。天から降ってきたリンちゃんを保護し、物語を幕開けたい。
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帰りの電車、「もうむり…」と頭を揺らすリンちゃんに、後で起こしてあげるよと微笑みたい。「違くて…」と何か言いかけたまま寝落ちた彼女を、やがて駅が近づいた頃合いで揺すったものの反応はなく、あ、これバッテリー切れだ!と遅まきながら気づき、43kgを背負って歩く帰路に絶望を覚えたい。
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レンなどは、気まぐれで炊飯機能付きボーカロイドに改造されてしまえばいい。文句を言っていたのも束の間、「炊きあがりを歌で知らせてくれる人型炊飯器!」との売り文句で家庭に一台の大ヒットとなり、本分が逆転していることに気付かず今夜もおいしいごはんを炊けばいい。
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リンちゃんが掃除の手伝いをしてくれないのでルンバを買って以来、何故かルンバに対抗意識を燃やしたリンちゃんが掃除を積極的に行うようになってしまい、まあ結果オーライかな、とぴかぴかの部屋を眺めたい。
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「サンタなんて信じてないよ?」と大人ぶるレンなどは、「そうか、人を信じる心を失っちゃったんだね…」と大げさに溜息をつかれるや否や、「ご、ごめん!信じる!信じる!」と前言を翻せばいい。
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リンちゃんを舐めてみるとお砂糖の味がして、「すごいな!ファンタジーだ!」と褒めたい。しかし間髪入れずに「あんたに糖分を求めて虫が寄ってくる苦しみが分かるか」と真に迫った悩みを告白され、ファンタジーな気分が消え失せたい。
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リンちゃんにプレゼントの希望を尋ね「ボーカロイドだから歌が歌えれば満足だよ」との答えに健気な遠慮しやがってと涙を流しつつNintendo Switchの在庫を探したい。そして当日包みを開けたリンちゃんは「あれ、楽譜とか入ってるかなって…」とがっかり顔をしたので、その場で慌てて即興曲を作りたい。
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家に迎えたボーカロイド達に「いつか歌を作ってやる」と約束したものの、果たせぬまま月日が経ちたい。「15になるまで待ってあげる」なんて苦笑する彼らに、今度こそ歌ってもらいたい。…と、そんな歌です。【鏡音リン・レン】Hello, hello woRLd!【オリジナル】 nico.ms/sm32485196?ref… #sm32485196
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「エイプリルフールっていつ日本に入ってきたの?」とリンちゃんに質問されたので、昔からある日本の古い慣習だよ、人を化かす狸に反撃する日だったんだよって教えたい。嘘だーってリンちゃんは笑うけど、じゃあ手元のスマホで「わたぬき」って変換してみなよ、と言ってやりたい。
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新居にて、姉が「なんかいる」と怖がるので、霊感強い姉を憐れみたい。しかししばらくすると一転、「14歳だったらしいよ」「リンちゃんって名前なんだって」「歌が得意なんだよ、あ、歌ってくれる」と姉が教えてくれるものの何も見えないしラップ音しか聞こえないし、霊感強い姉を羨みたい。
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レンなどは「女子力高いほうの鏡音」なんて呼ばれてしまえばいい。
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朝には「学校いきたくねー」ってぐったりしてたリンちゃんが、帰ってくるなり「ミクに誕プレ渡せた!んでグミすげー黒くなってた!あと転校生が来て、らなちゃんって子で超かわいくて!」とかなんとか興奮してまくし立てるので、2学期も楽しくやれそうでなによりだなって思いながら相槌を打ちたい。
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朝の弱いリンちゃんが、芋虫みたいに布団にくるまって顔だけ出して、薄目でこちらを見て、数秒で力尽きたように枕に顔を突っ伏すので、「朝だぞーー!!」って叫びながら布団を引っ張ってリンちゃんを転がしたい。