126
731部隊でもインパール作戦でも、指揮官は真っさき日本に帰って戦後を生き延びた。兵卒の多くは二度と故国の土を踏めなかった。
私と首相は同学年だが、首相の祖父は戦争指導者の一人、わが祖父はマーシャル諸島クワジェリンで全滅した。この違いが戦争観の違いに繋がるのかもしれない。
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米女性誌アルーアの編集長が「アンチエイジングという言葉はもう使わない」と宣言した。「『加齢とは戦わなくてはならないもの』というメッセージを強めている」「『年のわりにはきれいに見える』ではなく、ただ『彼女はすてきだ』と言ってみてほしい」加齢を否定的にみる風潮に一石。朝日新聞。
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NHKのドキュメンタリー「インパール」に思う。食糧さえ満足に供給せず、あまたの同胞兵士を餓死に追いやった日本軍が、どうしてアジアを解放できるのか。
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「いくらまでだったら買えるのか」
近畿財務局が森友学園側にそう質問していたことが学園関係者の証言でわかった。学園側は「1億6千万円まで」と答え、財務局は結局、1億3400万円で国有地を売却した。朝日新聞。
森友が払える額に合わせて、不当に値下げしていた疑いが強まった。
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元自衛艦隊司令官・香田洋二氏「自衛隊の一番大切な任務は、日本の国益を守ることであって、日米安保を守ることではない」
佐藤正久外務副大臣「ミサイルを撃ち落とさなければ日米同盟はどうなる」
佐藤氏が文民だとすると、文民の方がよほど危うい。
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数々の史料や証言によって裏打ちされた近現代の歴史的事実を「なかった」「なかった」と否定しつつ、「神武天皇は実在した!」と断言する。なんともはや。
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政府の「人生100年時代構想会議」(議長・安倍首相)が初会合を開いた、と各紙が報じている。一億総活躍といい、人生100年といい、「社会保障なんかあてにせずに、死ぬまで働きなさい」を体よく言い換えただけではないか、と思われてならない。
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近畿財務局の役人は、森友が購入できるよう法の例外を無理やり繋ぎ合わせて8億円値下げした。彼らも理事長にねじ込まれて、むちゃな要求だと思ったに違いない。同じことを別の学校法人が求めても即、却下されただろう。無理を通したのはひとえに名誉校長のご威光が眩しかったからだ。
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韓国が北朝鮮に人道支援をするというニュース。NHKは「国際社会の足並みを乱しかねない」と日本政府の代弁者のように、否定的に紹介していたが、圧力、圧力と手放しで言っているのは日米くらいではないか。中ロもドイツも対話の道を、と言っている。NHKの巧妙な印象操作。
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「戦後70年間の平和国家としての歩み」に「静かな誇り」を感じると首相が真珠湾でスピーチしたのは9カ月ほど前のことだ。その首相が、他国を「完全に破壊する」と公言してはばからない米大統領をどうして「全面的に支持」できるのだろうか。
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3日前に立ち寄った韓国で、ある女性がこう話していた。「北朝鮮には同胞が暮らしています。同じ言葉を話す父母やきょうだい、子どもたちです。ほかの国の人とは違う思いで北朝鮮をみています」
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国会審議が嫌で嫌でたまらないなら、この緊急時に衆院を解散して政治空白をつくりだすのではなくて、みずから議員をお辞めになってはいかがか。
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憲法に緊急事態条項が要ると主張する政治家、学者、新聞が、子どもに防空頭巾をかぶせて避難訓練に参加させるこのご時世に自己都合で解散、総選挙に打って出る政治家を批判しないのは不思議だ。選挙期間中、防衛相と官房長官を東京に張りつけておけばすむらしい。
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歴史と向き合うことなしに、未来への希望を語ることはできない。
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「安倍首相の交代は許されない」と中山成彬氏。希望の党は野党じゃないのか。
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両院議員総会でだれも合流に反対しなかったのはどういわけか。安倍政権を倒すために身を捨てるというが、小池氏のもとに身を寄せるというのは、結局、安倍政権を助けることではないか、とだれも言わなかったのか。
142
「民進党の対応には、呆れるというほかない」と読売社説。たしかにあきれもするが、そもそもこれは安倍政権の大義なき解散から始まっている。解散については全く批判せずに民進党だけ非難するのは、藪をついた行為には目をつぶって、出てきたヘビを叱るようなものではないか。
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リベラルははじく、なんて言われて、面接官の前で持論にふたをするような政治家はいらない。明日から別の職業についた方がいい。
144
「もしもし、新党に入りたいんですが」
「はい、憲法改正に反対しない、安保法制に賛成する。これが入党の条件です」
「えっ、おたく、自民党?」
「まあ、みたいなもんです」
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都民ファーストの都議との会合で小池百合子氏が言った。「ただの国会議員なんて、私はもういい」首相になれる見通しがないなら選挙に立たないということらしい。出ても(都政投げだしで)無責任、出なくても無責任、無責任のジレンマに陥っている、と小泉進次郎氏が批判。朝日新聞。小池氏、傲慢全開。
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憲法改正を支持する、という小池新党参加の条件はおおざっぱすぎないか。何条をどう改正するのか。それが一切示されないのでは支持も不支持も言えないはず。肝心の点は代表なる人物の頭の中にしかない。
これが希望か。
むしろ絶望のファシズムではないか。
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細川護煕元首相「(日本新党以来の)同志として小池氏を手助けしたいと考えてきたが、排除の論理を振り回し、戸惑っている。公認するのに踏み絵を踏ませるというのはなんともこざかしいやり方で『寛容な保守』の看板が泣く」毎日新聞。
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市場は豊洲に移転します。でも築地にも市場機能を残します。
私が党の代表です。でも東京都知事は辞めません。
政権交代をめざします。でも選挙結果をみて、自民党との連係を検討します。
それが保身の術なのか、この人、いつも半身の構え。
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「こんな人たち」と叫んだ首相。
「排除します」と言い切る都知事。
いつかふたり、街頭演説で、声を合わせて言うのだろうか。
「私たち、こんな人たち、排除します!」
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やじられるのが嫌で、街頭演説の場所を急きょ変えた首相。ところが変更した先に聴衆がいない。「陣営関係者はぐったりした様子で『支援者らに一生懸命電話をし、何とか最低限の人を集めた』と語った」読売新聞。大久保彦左衛門なら言うだろう。「殿、わがままがすぎますぞ」