651
街頭演説にヤジをとばしただけで警察官に囲まれ威圧的に排除されるこの国で、緊急事態宣言なるものを発する権利を為政者に与えたらどうなるか。
ぼーっとしてんじゃねえよって、チコちゃんにいわれるよ。
652
検事長の定年延長。法相は「個別の人事プロセスだから説明を控える」という答弁を36回繰り返した。朝日新聞デジタル。
法律をまげて定年延長するのに「説明を控える」はないでしょう。「首相が言い出したこと、私には説明できません」と正直にぶちまけたらいい。
653
検察長の定年延長。違法だという批判があるのに、法相はまるでプライバシーの問題であるかのように「個別の人事プロセスだから」と繰り返す。何でこの検察官の定年を延長するのか。どういう経緯があったのか。その個別性こそが問題なのに。特別な扱いであることを法相は事実上、自白している。
654
「個別の事案については答弁できない」「法にのっとって適切に対処している」――この二つを言っていれば法務大臣は務まる、と後援会の会合で発言して更迭された大臣がかつていたが、国会でこればっか言っている法務大臣がどうして更迭されないのか。
655
検察官の定年延長について、社民党の福島さんが「だれが発案したのか」と追及、法相は答弁不能に陥った。定年延長も休校要請も加計学園も、政府は議事録を示さない。いずれも、さしたる議論もせずに首相の思いつきや独断で決めてきたからだろう。議事録はありませんだなんて、臆面もなく、よく言うよ。
656
自分の子分みたいなやつを検事総長にすえられたら、という思いが頭をかすめた為政者はほかにもいたかもしれない。しかし、法律をまげてまでそれを実行に移そうとする為政者はこれまで一人もいなかった。つまり、保身のために権力を行使する最悪の為政者だということだ。
657
どんな悪党も、自分が捕まらないようにするため検事総長をかえよう、とまでは考えないしできもしない。首相がやろうとしているのはそういうことではないか。しかし、そんなことは本来、首相にだってできないはずだ。だから法解釈の変更と称して法をまげる。
これぞ権力犯罪ではないか。
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首相が法相を厳重注意できる立場か。もとはといえば、あの定年延長こそが違法なのに。
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緊急事態宣言を出す前に専門家の意見を聞くというが、政府に近い専門家だけ集めて、お墨付きを得るだけなら意味がない。慎重論、反対論も当然聞くべきだし、議事録も公開するべきだ。こういう肝心のことをそれこそ「丁寧に」説明しなくちゃ人権侵害のおそれは消えない。
660
G7の電話協議のあと、首相は東京五輪について「完全な形で実現することで支持を得た」と記者団に説明した。朝日新聞ほか。
延期も中止もしないということだろう。どうして日本の為政者は、引くことを知らないのか。戦争しかり、原発しかり。そのため幾度も「惨憺たる結果」を招いてきたのに。
661
財務局職員遺族の提訴。
朝日は1面トップ、2面時々刻々、政治面、第1社会面と大きく展開。毎日も1面肩、政治面、特設で遺書全文、社会面。
読売は本記2社3段、政治面2段。「改ざんは二度とあってはならず、今後も適正に対応する」の首相談話で結んでいる。権力監視を放棄したかのような紙面。
662
自殺した近畿財務局の職員は「公務員の仕事に誇りを持ち、『僕の契約相手は国民』が口癖だった」という。毎日新聞。
こういう公務員が自殺に追い込まれ、権力者のポチみたいなウソつき役人がのうのうとえらくなる。そしてだれも責任をとらない。ひどいもんだぜ、この国は。
663
遺書には、すでにわかっていたことしか書かれていない、だから再調査はしない、と首相、財務相。
いやいや、土地代の値引きはだれが、どういう経緯で判断したのか、ゴミは本当にあったのか、官邸から理財局長への働きかけはなかったのか……。
隠していることがまだまだいっぱいあるでしょうに。
664
「私や妻が関係していたら総理も国会議員も辞める」という首相の言葉を官僚たちは「関係を示す文書は処分、改ざんせよ」という指示と受け止めたのだろう。官僚が勝手に忖度したのでなく、あれは遠回しの「業務命令」だった。ああ言われてボーっとしていたら官僚は左遷を免れない。責任は首相にある。
665
海自艦が中東に向け出発する時「憲法違反」のプラカードがあった、と首相。「隊員の子どもたちも、もしかしたら目にしたかもしれない。……そう思うと言葉もない」。防衛大学校卒業式で。朝日新聞。
憲法違反かどうかの判断を「子どもたち」の感情にゆだねるのか。説明する言葉をもてないでどうする。
666
だから憲法を改正しなければならないと首相はいうのだが、なぜ今、改憲が必要なのか、現実に即した説明ができないから情緒論に流れるのだろう。自衛隊派遣は合憲だ、でも改憲が必要だ、という主張はそもそも、矛盾している。
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「私や妻が関与していたら総理大臣も国会議員も辞める」潔かったのはその時だけ。その後は官僚にしりぬぐいさせた挙げ句、ぐだぐだ言い訳して逃げ回るばかり。自殺した財務局職員の妻の訴えにもソッポを向く。これほど見苦しい政治家がほかにいただろうか。
668
「国会で『悪夢のような民主党』と言ったことはない」と首相。実際は何度も繰り返してきた。立憲の枝野代表「本当の詐欺師、うそつきは自分でうそを言ったり、詐欺をしたりしている自覚がない」「その場限りで、いろんなことをいいかげんに言い募り、その場を取り繕うことが積み重なっている」毎日新聞
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毎日新聞は先月に続き極右雑誌「Will 」「Hanada」の広告を載せていない。1月を最後に掲載契約を打ち切ったのだろう。載せているのは読売。両誌の寄稿者の多くは、首相のお友達だちだからなあ。
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「募ったけど募集はしていない」とおっしゃるくらいだから、「花は見ているけれど、花見じゃない」ぐらいのことは平気でおっしゃるでしょう。昭恵夫人、この時期に花見ですか。
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「will 保存版」なる本の新聞広告に「だから今こそ憲法改正を コロナウイルス対策もできない現行憲法」とある。
コロナ予防に効くとかいってインチキ健康食品を売る手口によく似ている。
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佐々木紀・国交大臣政務官「国は自粛要請しています。感染拡大を国のせいにしないでくださいね」とツィート。
どんだけ無責任なのか。
それを言うなら「私たちは自粛しています。感染拡大を国民のせいにしないでくださいね」。
首相の言う「国民の生命と安全を守る」とはこの程度の中身か。
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モリカケサクラにマスク2枚。
結局、首相は、お友達を脱法的に優遇したあげく、ウソとゴマカシで遁走するのは得意だけど、税金を適切に(必要なところに必要なだけ)分配する能力を全く持ち合わせていない、ということだ。現下の「国難」は、概ねそこに起因する。
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「赤木さんが改ざんを指示したと明記した元国税庁長官を国会で再度、証人喚問する必要がある。土地の大幅値引きに関わったと赤木さんが記した近畿財務局の幹部も国会に招致してはどうか。いずれもコロナ対策と並行して進めるのは可能だ」毎日新聞社説。
タイトル「コロナは言い訳にならぬ」
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緊急時だから政府批判は控えよう、といった趣旨のコメントが目につくが、それこそが破滅への道であることは昭和の歴史を振り返れば明らかだ。批判的言論の封殺が軍部独走と侵略戦争に道を開き、焦土の日本へとつながった。権力監視はいつの時も主権者の権利であり義務だ。