551
モリカケは中央官庁の「能吏」たちがウソと改ざんの主な「担い手」だったが、今度はニューオータニなどの民間企業や一般の後援会員まで巻き込んで、仕立てが大がかりだ。首相サイドは冷や冷やだろう。大きな虚構はいずれほころびる、散らない桜がないように。
552
安倍首相は18日午前、首相主催の「桜を見る会」の前日に地元支援者を招いて開かれた夕食会の会費などを示す明細書について、「そうしたものはない」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。時事通信。
またまた隠蔽の闇の中に姿をくらますつもりか。しかし「ない」と言った時点で即アウト。
553
首相は、800人のパーティーが安倍事務所の介在なしに開かれたことにしたい、そうでないと政治資金規制法にふれるからだ。後援会員が5000円持って会場に集まってきた、事務所は明細書も受け取っていないと。ではだれがこの値段で予約したのか。ウソの上にウソを重ねるから説得力がどこにもない。
554
どうせ税金でやる花見だ、この際、支持者、支援者いっぱい呼んでやれ。主催者の首相がそんなふうに考えなかったら、800人もの後援会員も、首相のオトモダチの右派人脈も招かれることはなかっただろう。前夜祭の問題をひとまずおいても、首相が桜を見る会という公の行事を私物化した事実は動かない。
555
「お金はまちがいなく払いました」
「いつ、いくら払いましたか。領収書はありますか」
「ありません。でも払いました。以上、丁寧に説明しました」
――みたいな話を大のおとなが真顔でしている。
556
「任命責任は私にある」のセリフも「求められれば国会で説明する」のセリフも、何やら意味ありげではあるが、実行が伴わない点で実は何も言っていないに等しい。記者団を前にした釈明も、明細書や領収書がないんじゃ何も言っていないのと同じこと。首相得意の「何か言ったフリ」論法。
557
歴代最長政権。
「これほどまでに日本国憲法をないがしろにした政権は、過去に例がなかろう」朝日新聞社説。
558
花見にだれを招くか、首相が一転して、自分と妻が推薦に関与していたことを認めた。ただし官房長官は「最終的に決めるのは内閣官房、内閣府」であり問題ないと。朝日新聞。
私人である妻がどうしてあれこれ口出すの。結局、安倍家と自民党が税金使って飲酒禁止の会場で花見をしていたということだ。
559
法にふれるかどうか以前に、公私の別がつけられないような人物が政治家であってはならない。
ましてや首相であってはならない。
今すぐ退場せよ。
560
首相も官房長官も花見のこと聞かれると決まって「今後は見直します」とか「今後は改善します」などと答える。今後のことはどうでもいい、開かなくたってだれも困らない。そうじゃなくて、前回までの花見について事実を正直に述べなきゃ。すりかえるな。
561
仮にどこかの県の知事が公費で花見の会を開いて、その知事が自分の支持者を何百人と集めて飲み食いさせたことが発覚したら、公私混同の批判を浴びて即刻、辞職に追い込まれるだろう。同じことを総理大臣がやってどうして辞めずにすむのか……。官僚たちが今夜もシュレッダーをフル稼働させている。
562
パーティーの会場に行って「私たち乾杯の音頭をとるだけで食べ物には手を出しませんから」と受付で言えば会費を払わなくてもいいらしい。
「(前夜祭では)首相夫妻はではゲストのようなもの」と官房長官。いくらなんでも苦しすぎる言い訳。
563
「個別の案件には答えられない」
「仮定の話には答えられない」
「答える立場にない」
責任者出せ、責任者を。
564
公職選挙法にも政治資金規正法にもひっかからないためにはどういうストーリーを語ればいいか、背後で悪知恵をしぼっているヤツがいるんだろう。だけど、800人もの後援会員を税金で接待するような公私の別がつけられない政治家はそれだけでアウト。法律以前の政治家としての資格の問題だ。
565
内閣府が5月9日に花見の名簿を高速シュレッダーにかけたのはその日に共産党議員が資料請求してきたからではないか。内閣府は各局と使用希望が重なりその日になったと説明する。しかし、2017年度に内閣府が廃棄した文書は36件。今年もその程度だとするとどうして使用が重ねるのか。毎日新聞(大意)。
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シュレッダーの前に行列ができていたとか、ニューオータニで会費5000円とか、見積書も明細書もないとか、乾杯の音頭をとったけど会費は払っていないとか、これらがすべて重なることなんて、役人の作文以外、現実にはあり得ないでしょう、官房長官。
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「求められれば国会で説明する」と首相として発言しながら、自民党総裁として国会対策委員長に予算委員会開催を指示する気は毛頭ない。冒頭の「国会で説明します」は結局「絶対に説明しません」の言い換えでしかない。主権者をなめきった言動の繰り返しにウンザリする。
568
首相主催の花見に、首相やその事務所が「この人たちを呼んでくれ」と言えば、事務局はその通りに招待状を出すしかない。「最終的なとりまとめはしていない」なんていうのは、責任を部下に押しつけるためのみっともない詭弁でしかない。
569
花見の費用が予算を大幅に上回ったことについて、
官房長官「セキュリティーにお金がかかった」。
花見の会場に「反社会的勢力」がいたことについて、
官房長官「結果的に入った」。
同じ口でよく言えたものだ。
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自分の金で支持者にうちわを配って辞めた大臣がいた。
その大臣から辞表を受け取った総理大臣が、税金を使って何百人という支持者を花見に招き飲食の接待をした。
総理はなぜ辞めないのか、と抗議しなきゃ、松島さん。
571
「反社会的勢力の皆様が出席されたかどうかは個人情報なので回答を控える」と官房副長官。
名簿を出していないのだから、出席していたかどうかを答えることは個人情報の開示にあたらない。その「皆様」はどんな功労、功績があってだれが推薦したのか。
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公私の別をつけよ。正直であれ。こうした社会的モラルに反する人を「反社会的勢力」と呼ぶなら、税金で開く花見に自分の支持者を何百人と集めて接待したり、その問題性を指摘されるや記録の廃棄やあり得ない言い訳で事実を隠蔽したりする政治家、官僚たちこそその名にふさわしいのではないか。
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「紙の名簿がなくても、パソコンのデータを復元したり、政党や政治家側を調査したりと、実態に迫る手段はいくつもある。首相がそれを指示し、自ら国会で説明すればよい。会の主催者は首相だ。これだけ疑惑が深まっているのに、それでも説明責任から逃れようというのか」毎日新聞社説。
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更迭した閣僚について「ご自身で説明責任をしっかりはたしていただきたい」とかなんとかついこの間、言ったばかりなのに、自分ではちっとも説明責任をはたさない政治家、だあれ。
575
一般大衆はどんなに「払った」と言っても、領収書なしではアウトなのに、政治家や官僚は「領収書はない」と開き直る。「名簿がない」「見積書がない」「答えられない」ですむ問題か。政治家や官僚の場合、説明拒否は即、退場というルールにしないと、ウソの蔓延は食い止められない。