351
つづき。東京管区気象台総務課「庁舎内のスペースは有限で、必要ないものを無尽蔵に保管できない」。毎日新聞。
「必要ない」という判断がどうして、どこから出てくるのか。
352
「この国の最大の問題は〈老害〉と〈男性害〉です。いわゆる偉い人はみな男性だという状況を変えなければならない。基本的に〈若い女性〉に任せれば平和になります」目加田説子(もとこ)さん。日本の男女平等度は144カ国中114位。朝日新聞「日曜に想う」欄。
353
軍隊をもたず、外国軍も駐留しない中米コスタリカ。隣国ニカラグアの内戦では、米軍の基地提供要請や参戦要請を断り、非武装中立を貫いた。「爆弾よりも薬や毛布を投下すべきです」。ドキュメンタリー映画「コスタリカの奇跡」横浜シネマリン。最も理想的な選択が最も現実的であるという実例。
354
細川首相以来の歴代首相は、8月15日の全国戦没者追悼式でアジアの戦争被害者を悼む言葉を語ってきた。それを2013年からやめてしまったのが今の首相だ。2015年、天皇陛下の「おことば」に「先の大戦に対する深い反省」という表現が初めて登場。「深い反省」の文言は今年も踏襲された。
355
沖縄で、広島で、長崎で、自国の戦争被害者からあれほど強い反発をうける首相がかつていただろうか。8月15日の全国戦没者追悼式では、アジアの戦争被害者を悼むことをやめてしまった。天皇陛下の「深い反省と共に」という言葉を首相はどう受けとめたのだろうか。
356
麻生財務相「サマータイムつぶしたのは、朝日だろう?ああん?調べて聞いてんのか?」
夏時間が閣議決定された1948年4月から、全会一致で廃止法が成立した52年3月までの間、ちょうど50本の関連記事が朝日新聞に掲載されているが、廃止を主張した記事は1本もない。これが事実。
357
なお、夏時間廃止法が成立したのは吉田茂政権の時。与党自由党、野党連合、共産党がそれぞれ廃止法案を提出した(1952年3月29日付朝日新聞)
358
1952年4月の占領終結を前に、全会一致で廃止を決めた。吉田茂が率いる自由党の廃止法提案理由は「労働者、農民および家庭の主婦の過労の因となり、能率を低下させる」(52年3月27日付朝日新聞)。朝日記事50本の大半は「あすから実施」などの雑報。社説では一度も取り上げていない。
359
勝海舟の言葉「朝鮮を馬鹿にするのも、ただ近来の事だヨ。昔は、日本文明の種子は、みな朝鮮から輸入したのだからノー。……数百年も前には、朝鮮人も日本人のお師匠様だつたのサ」。朝鮮を「野蛮」視した福沢諭吉と違って、勝は隣国との信義を重んじた。22日付朝日新聞「明治維新150年」特集から
360
「私は正直、公正でありたい」というフレーズは自己の決意の表明であって、他者に対する「攻撃」ではない。それを「個人攻撃」と受けとるのは、「私は正直、公正だ」と断言する自信がないか、現にウソつきだからだ。
361
「私は誠実に務めを果たす」
「個人攻撃だ!」
「私は丁寧に説明する」
「個人攻撃だ!」
「私は逃げない」
「個人攻撃だ!」
「私は地方の声を聞く」
「個人攻撃だ!」
「私はウソをつかない」
「個人攻撃だ!」
「私は相手陣営に『個人攻撃だ!』なんて言わない」
「個人攻撃だ!」
362
朝刊各紙、障害者雇用の水増し問題を大きく報道しているが、最高裁のまとめによると、全国の裁判所(109庁)も不適切に300人超を障害者に算入していた見込みだ、と読売が独自に報じている。なんと裁判所までが。法と正義はどこにいった!
363
「私は正直、公正でありたい」と総裁選の候補者が言うと、「個人攻撃だ!」と非難される。これを裏返せば、自民党が民主主義とは相いれない「個人崇拝」の方向へ大きく傾斜しているということだ。党内議論をも封じる政党とは何か。「自由民主」という名の羊頭を掲げて、いかなる肉を売るのか。
364
自民党総裁選。「相手と同じ土俵にあがる必要はない」と現職陣営。まともに論争するより、逃げるが勝ちということらしい。力士が土俵にあがらないなら不戦敗のはずなのに、それでも勝利まちがいなし、の怪。
365
豪雨、台風、地震。首相は予定通り、11日から外遊するのだろうか。素朴な疑問。
366
現職の自民党総裁が「正直、公正」だとは現職支持の陣営も思っていないのではなかろうか。「現職だって正直、公正だ」とか「現職の方が正直、公正だ」といった声をこれまで聞いたことがない。
367
自民党は1955年の結党時、「政綱」で「憲法の自主的改正」をはかるとともに「自衛軍備を整え、駐留外国軍隊の撤退に備える」と述べていた。その後自民党は「憲法改正は結党以来の悲願」と強調してきたが、「駐留外国軍の撤退」についてはだれも何も言わなくなった。
368
NHKは「公共放送」を名乗るのをやめた方がいい。政府の言動が「公共の利益」に反するとき、「公共」の立場から政府を批判するのが「公共放送」の役割だ。政府の宣伝機関のように、首相が首相が、と連呼するのは「公共放送」の仕事ではない。
369
自民党・甘利明氏「『正直、公正』は、全自民党議員、全国会議員がそうありたいと思っている。これは争点ではない」毎日新聞。
すり替えてはいけない。問題は「そうありたい」かどうかではなく、現に「正直、公正」であるかどうかでしょう。
370
和歌山市での「励ます会」で首相「和歌山で先月パンダの赤ちゃんが生まれ、東京でも生まれた。安倍政権になって5頭目。民主党政権の4頭をやっと追い越した」毎日新聞。
ウーン……。
371
自民党は結党以来「自衛隊は合憲だ」と主張してきた。違憲論に耳をかすことはなかった。それを今になって憲法学者の間に違憲論があるから改正するとはどういうことか。それを言うなら、大半の憲法学者が憲法違反と批判したのに、どうして集団的自衛権の行使を容認したのか。
372
集団的自衛権の行使容認では憲法学者を無視したのに、改憲の口実となると憲法学者を引っ張りだす。憲法学者を都合よくつかうな。
373
「新潮45」で小川榮太郎氏「満員電車に乗った時に女の匂いを嗅いだら手が自動的に動いてしまう、そういう痴漢症候群の男の困苦こそ極めて根深かろう。……彼らの触る権利を社会は保障すべきでないのか」
書き写すのも苦痛。痴漢は犯罪だ、犯罪が権利か。
374
NHK夜9時のニュースは自民党総裁選を全く取り上げなかった。秋葉原での首相の街頭演説を取り上げると、「アベやめろ」の声を無視することができない。それで渋谷の石破氏を含め、一切取り上げないことにしたんじゃないか、と邪推する。
375
小川榮太郎氏が「新潮45」で「痴漢する権利」を主張したことについて、櫻井よしこさんあたりはどうみるのだろう。
権利ばかり主張するのは憲法のせいだ、憲法が悪い、とでも言うのだろうか。