226
僕「朝だよ。起きて」
彼女「その前にちょっとぎゅってするわな」
僕「うん」
彼女「ちょっとぎゅってしてるわな」
僕「うん」
彼女「朝ご飯食べようか」
僕「うん」
彼女「じゃあ、ちょっとぎゅってするのやめるわな」
僕「うん」
彼女「やっぱりもうちょっとぎゅってするわな」
僕「うん」
227
彼女「手繋ぎたいから手出して」
僕「はい」
彼女「手をぎゅっ♪ぎゅっ♪ぎゅ♪ぎゅ♪ぎゅっ♪」
僕「何かあざとい」
彼女「萌えた?」
僕「少し」
彼女「あ、こっちは嫌。あっちから帰ろ」
僕「?」
彼女「こっちは坂が急でしょ。坂がきゅう♪きゅう♪きゅ♪きゅ♪きゅう♪」
僕「媚びるね」
228
僕「無くした印鑑は見つかった?」
彼女「その問題はお前と結婚して新しいのを作るってことでもう解決したから」
僕「でも、婚姻届には印鑑が必要らしいよ」
彼女「えっ」
僕「印鑑さえ見つかれば今すぐ結婚しても良かったんだけど」
彼女「じゃあ、芋版で印鑑作る!」
僕「そうじゃない。探せ」
229
彼女「今からちょっと出かけるよ」
僕「いってらっしゃい」
彼女「お前も来るんだよ」
僕「どこ行くの?」
彼女「男なら黙って私に付いて来い!」
僕「まあ、良いけど」
彼女「あと、今日はペアルックにするからこの服にしてね」
僕「何でペアルック?」
彼女「男なら黙って私とペアルック!」
230
彼女「汗かくから着替え持ってね」
僕「あっ!分かった!ボルダリングジムに行くんだ!前からやりたがってたもんね!」
彼女「違うよ。もっと気持ちの良い汗かけるよ」
僕「どこに行くの?」
彼女「内緒。はい、これ新幹線の切符。あげる」
僕「えっ?!」
彼女「行くよ」
僕「どこに?!!!」
231
彼女「久々に新幹線乗るね!これって時速何kmくらいで走ってるの?」
僕「300kmくらいじゃないかな」
彼女「お前は1時間で何kmくらい歩ける?」
僕「5kmかな」
彼女「あははっwwおっせーwwww」
僕「テンション高いな。テンション普通の俺には笑われる意味が全然分からないぞ」
232
彼女「さすが新幹線!もう着いちゃった!」
僕「で、これからどこ行くの?そろそろ教えてよ」
彼女「あそこ見て!B'zのライブTシャツ着てる人がいるよ!もしかして今日B'zのライブがあるんじゃない?」
僕「えっ」
彼女「私、チケット2枚持ってるよ!」
僕「!」
彼女「サプラーイズ!」
233
彼女「まさかB'zのライブに連れて来てもらえるなんて思わなかったでしょ!」
僕「うん」
彼女「遅くなったけど誕生日プレゼント!」
僕「今年はないって言ってたのに」
彼女「あれは誕生日当日にはないってこと!あげないとは言ってない!」
僕「!」
彼女「B'zのライブジムにようこそ!」
234
僕「お腹空いた。夕飯まだ?」
彼女「こっちおいで」
僕「何か食べる物あるの?」
彼女「ちゅっ」
僕「?」
彼女「はい!ご飯!」
僕「は?」
彼女「まだお腹いっぱいにならない?」
僕「何言ってんの?」
彼女「欲張りさん!ちゅっちゅっ!はい!お腹いっぱいになりました!」
僕「なるか」
235
僕「ふざけてないでお腹空いたから早く夕飯作ってよ」
彼女「あんなにキスしてあげたのにお腹いっぱいにならないの?何で?」
僕「お前はキスしたらお腹いっぱいになるのかよ」
彼女「なるわけないじゃん」
僕「なめんなよ」
236
彼女「ない!私のカバンどこにあるか知らない?探すの手伝って!」
僕「嫌」
彼女「お願い!」
僕「使ったら使いっ放しにするからなくすんだ。自業自得。自分で探せ」
彼女「くそっ!パンパン!(手を叩く)ヒューイ!(口笛)カバンちゃん出ておいで!」
僕「…」
彼女「出て来ない!助けて!」
237
彼女「前髪切った!可愛いでしょ!」
僕「こいつマジか」
彼女「ダメだった?」
僕「前の方が良かった」
彼女「可愛いって言ってくれると思ったのに…」
僕「あっ…いや…やっぱり可愛い!」
彼女「はい。たった今、お前の恋愛偏差値が急降下して地球を突き抜けて銀河の果てまで吹っ飛びました」
238
彼女の髪型伝説
・ロングからショートにセルフカット
・風呂から上がると刈り上げ女子になる
・美容院に行った翌日にハート型に刈り上げる
・いきなりボブでメッシュで刈り上げ女子にもなる
・散歩してたら金髪になる
・前髪カットの予定が真っ赤に染めてる
・朝起きたらオンザ眉毛←new!!
239
僕「GWの予定は?」
彼女「特になし」
僕「知らない街に行ってみたくない?」
彼女「旅行するお金なんてない」
僕「任せろよ」
彼女「えっ?本当に?行きたい!」
僕「温泉」
彼女「入りたい!」
僕「美味しい郷土料理」
彼女「食べたい!」
僕「じゃあ、俺の実家に行くか」
彼女「えっ」
240
彼女「本当に実家行くの?」
僕「正確には祖父母の家。お前、猫アレルギーでしょ。うち猫いるからさ。母親も来るよ」
彼女「初の実家イベントが四者面談とか死ぬ」
僕「そっか。じゃあ、彼女は今から自殺するから行けないって連絡しとく」
彼女「ざけんな!そんな連絡しやがったら本当に死ぬぞ!」
241
彼女「初めてお前の親族に会うんだし髪は黒い方が印象良いかな?」
僕「そういうの理解あるから大丈夫」
彼女「本当?」
僕「それにお前のことは結構話してるからね」
彼女「何て?おかしなこと言ってないよね?」
僕「腹パン以上のことをやらかさなければ大丈夫」
彼女「やっぱり会いたくない」
242
彼女「実家にお邪魔するにあたって気を付けないといけないことある?私、欠点ないし普段通りで大丈夫だよね」
僕「言葉遣い、朝は起きる、ゴミはゴミ箱に、壁に八つ当たりしない、腹パンしない。ざっと思い付くのでこれくらい。俺の実家だからとかの前に人として気を付けることだな」
彼女「あれ?」
243
僕「さっき実家に連絡したらお前が来るから何か色々と買い物をしてるらしい」
彼女「やった!ご馳走の予感!」
僕「だけど酒は勧められても飲まなくていい」
彼女「せっかく用意してくれてるのに断るのは失礼じゃない?」
僕「お前の場合は飲んだ後の方が失礼になるだろ」
彼女「異議なし!」
244
彼女「実家まであとどれくらい?」
僕「もう着くよ」
彼女「緊張してきた。少し落ち着きたい。バッティングセンターない?」
僕「ない」
彼女「じゃあ、ゲーセンのパンチングマシンやりたい」
僕「それもない」
彼女「もう駅前に並んでる自転車を片っ端からなぎ倒すしかない」
僕「落ち着いて」
245
彼女「元カノで親に会った人いる?」
僕「いる」
彼女「どんな対応だった?お前は息子の彼女に相応しくないから別れろとか言われない?」
僕「大丈夫」
彼女「もし言われたら男らしく覚悟決めて息子さんは私が幸せにしますって宣戦布告するから」
僕「!」
彼女「エンダアアアアアイヤァアア!」
246
僕「着いた」
彼女「これがお前の実家か」
僕「チャイム押すよ」
彼女「ドドドドド…」
僕「?」
彼女「効果音」
僕「ジョジョかよ」
彼女「違う。緊張で心臓がすごいドドドって。何これ。私もしかしたら心臓が数個あるのかも。落ち着きたいから1個くらい止まってくれないかな」
僕「死ぬよ」
247
-実家-
僕「ただいま」
彼女「初めまして」
祖父「おい!嫁さんが来たぞ!早くこっち来い!」
僕「歓迎されてるね」
彼女「嫁さんだって!いけるかも!」
祖母「遠方からわざわざ来て下さってありがとうございます(土下座みたいな深々としたお辞儀)」
僕「えっ」
彼女「やっぱ無理かも…」
248
僕「お腹空いた」
祖母「出来合いの惣菜があるよ」
僕「冷蔵庫に食材あるじゃん!彼女が料理得意だから作ってもらって皆で食べよう!」
僕「って感じで、好感度を上げるイベントをお膳立てしてやったぞ!」
彼女「彼氏の実家に着くなり料理を振る舞うとか私がプレッシャーで死ぬイベントだろ…」
249
彼女「妹さん、可愛いですね」
妹「ありがとうございます」
僕「媚びてる」
彼女「違う」
僕「化粧してるから」
彼女「すっぴんですよね?」
妹「はい」
彼女「綾瀬はるかに似てますよね」
妹「よく言われます」
僕「これが女の戦いか」
彼女「さっきから仲をこじらせようとするのやめて」
250
猫アレルギーの彼女が母と会うなりくしゃみをしだしたので、おそらく母の服に付いたペットの猫の毛に反応してるのだろうと思い、気を利かして母に「彼女が半径5m以内に近寄らないでほしそうにしてる」って教えてあげたら、彼女に「おふざけが過ぎますよ」って人殺しの目で優しく微笑まれた。