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鬼殺隊みたいな「探して討つ」活動を全国規模で行える組織は、戦前日本ではたぶん憲兵隊しかいないので(警察は県をまたいだ捜査が難しいうえ内務官僚や大臣による私物化が激しい)、無残さまとの戦いが長引いてたら「憲兵隊鬼殺課」「特高警察人鬼分離課」等のボンクラが大好きな組織ができてたかも。
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「ゲリラ戦信仰(仮)」がわが国には左右問わずあって、
「正規軍と連携しないゲリラは勝ち目ないよ」と指摘されても「正規軍と連携したゲリラ戦」をイメージできてなくて、
「正しいゲリラ戦」がいまウクライナで効果を上げるなか、その想像力を超えた迫力と悲惨さにみんなキョドついてる。
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むかし、「大正時代の小作人」と「中世の農奴」の違いを理解していない歴史ファンと話しました。すごかった。
当時の小作人は農地財産がないだけで移動の自由も結婚の自由もある、時代が下れば選挙権もある。農奴はたいていどれもない。その前提が共有されてないのでBotと話しているみたいだった。
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あれと「イモータン・ジョーが俺を見てくれたんだ!」「輸血袋を見たのさ!」の会話の所で、ウォーボーイズが
「わけのわからん頭おかしいカルト」から「彼らなりの価値観に沿って生きてて、友情や仲間意識もちゃんとあるけど命の軽い、文化の違う人たち」になったのがすごくうまい。
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・比企能員は計算づくでコウモリしているけど計算は甘い
・和田義盛はその場の直感で動くからブレブレだけど瞬間風速は強い(全部本気)
・畠山重忠は計算で動けるけど根が真っ当だから出力が弱い
・梶原景時は理屈で動くから理不尽な状況でも割り切って機能してしまう
#鎌倉殿の13人
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映画版『帰ってきたヒトラー』は撮影と伏せて一般ドイツ人に「総統芸人突撃企画」をやっていて、笑うのから怒るのまで反応様々なんですが、
旧東ドイツ出身の低賃金重労働中のおばさんの話が一番考えさせられた。「東の頃と同じ。選挙なんて見せかけだよ」当時は東独出身メルケル政権だからとくに。
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『1984』も作中の英国を支配する「党」は記録の改ざんをしまくっているんですけど、あれは公文書とか統計とか新聞とか日記とか雑誌とか写真とか、「文書記録」が大量に存在して整理されていていつでもアクセスできること前提のヨーロッパ人が考える独裁だとは思います。
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・言った
「口は口でも下のクチだ」
「いっぱい出たな杉元...」
「その恐ろしい形の棒をどうする気だ」
「こいつはとんだ精子探偵だぜ」
・言ってない
「あんこう鍋が食べたい...」
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ムスカが生き残るためにはラピュタを見つけ、手柄を独占したい将軍の先手を取り、政府の追及をかわさねばならない。
最適解のひとつは「ラピュタを発見した直後に中央制御室を占拠、城の力で将軍と部下を抹殺した後、ラピュタの力を背景に政府と交渉する」つまり本編です。
やり手なのです、ムスカ。
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「独ソ戦は修羅場だから」
「ナチスの占領地や捕虜収容所の地獄さは半端じゃないから」
「女性が戦うということとは」
とかそんな理由でマシに見えてるけど、描写される行為自体は「八路の匪賊を縛って銃剣でグサリよ」とたいして変わらないですよね。
どこが問題なのか話す当人が分かってないのも。
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そもそも政府とはなんなのか理解してない人たち視点で独裁者を描くと、
「よく知らんけどずっと昔から官邸にいて、ラジオから声が流れてくるけど顔を知る者はおらず、たまに親衛隊と名乗るやつらが兵舎から出てきてトウモロコシやニワトリを出せと言う、みんなから大統領と呼ばれてるやつ」になります
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「日本が再びバブル時代なみになる事はないにしろそれなりの国際的立場を維持するイギリスルート可能」という話、
日本はどちらかというと極端な先進国コンプ国際派と極端な愛国主義が交代で積み立てを取り崩すアルゼンチンルートと親和性高いとは思います。英国外交の真似はちょっと厳しい。
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ファンタジー世界の衛兵とか兵卒で、おそろいの制服を着て同じ武器の人たちいますよね。すごいことです。明治新政府軍もエンピール銃とスナイドル銃がごたまぜで、統一までに10年以上かかったらしいので、ファンタジー政府はだいぶカネがあるなとにらんでいます。
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豊臣秀吉の出生とか実父の研究、トンデモ以外は
「資料が全然なくてイマイチわかんない」
「しかし秀吉が天下人になった後も大規模な法要も顕彰もしなかった」
「ということは、秀吉本人にとって宣伝したい生まれじゃなかったんだろう」
あたりに収れんしていきますね。
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吉原の遊女は7、8歳で親に売られて禿(かむろ)という見習いになり、先輩遊女の雑用係をしながら徒弟制度で行儀作法や芸事等を学びます。18歳前後で客をとらされる。その10年後の、27歳前後に年季明け。
その期間中に死亡した人の平均をとったら22歳に自然となるのです。
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ラテンアメリカのマジックリアリズム小説だったら、そもそも『1984』をウィンストン視点で話は描かない気はします。教育のある官僚だし、過去の記録が改ざんされているという確信も職業柄ある。
南米作家ならプロールの爺さんが語る、本当なのか妄想なのかも定かでない戦前の英国の思い出話にしそう。
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ファンタジー火薬問題は「誰にでも使える銃火器と選ばれし勇者は食い合わせが悪い」に集約されます。そこをどうクリアするかの勝負と思う。