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特に台湾問題については、米議会は自律的なアクターなので、ペローシの台湾訪問を彼女自身の個人的な功名心(「卒業旅行」的な)から捉えようとする説明には賛同しない。裏も取れた。
詳細は流れが合えば月曜日に。
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いろいろなメディアの方と話していて気づいたのだが、電波情報収集の重要性ってあまり知られていないのだな。
気球の重要性は画像情報ではなく電波情報にあると思うのだが。
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「アメリカにとって重要な戦争なのに、全く切迫感がない。週末にアウトレットモールに行ったり、NFLに行ったり、バーベキューをする生活を変えていない。これはなんなんだ?」という発言をしたのをよく覚えている。
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どうにも気になるのが化学兵器。可能性としてはキエフへの第二次攻勢が失敗して膠着化したときが危険と思っていたが、いまの様子を見てみるとそのあとで第三次攻勢を実施できるとは思えない。となると危ないのは第二次攻勢の時。
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どこかで話す機会があればと思っていたが結局話していないウクライナ軍の組織について。
ウクライナ軍はここ数年で組織改革を行っており、フォースプロバイダーとウォーファイターを原則分離している。その意味で米軍的(違いもある)。
フォースプロバイダーとは、軍の戦闘力を作り出す機能。
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今朝のCozy Upでも言ったが、大臣の言うとおりで、気球への対領空侵犯措置で武器が使えないというのは間違い。
昨日某局の取材でもそう話したが、番組のトーンと違うということで採用されないことになった。
nikkei.com/article/DGXZQO…
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第一次ハルキウ反攻の際、ウクライナが勝ちきれれば(補給線を切れれば)、イジューム周辺のロシア軍を包囲殲滅できる可能性があり、そうなれば年内のドンバス地方奪回はあり得ると話した(たぶん日曜スクープ)。「包囲殲滅できれば」という前提部分を無視して批判してきた某評論家もいるが。
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私を含め、業界のほとんどの人間には代わりができる人がいます。けれど、中山さんには代わりはいないんです。本当に。本当に。
最後の日のツイートを含め、これまで、中山さんにどれだけ助けられてきたことか。
まだまだ会いに行きませんからね。ご冥福を祈ります。
asahi.com/sp/articles/AS…
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自軍のいうことを信じるという点で違和感はない。必要なのはウクライナの手で確認させること。その意味で合同調査の実施は非常に重要。
なお、インシデント調査にはそれなりの時間がかかるので、瞬時に「自国の責任ではなく、相手の責任」という国のいうことはあまり信頼できない。
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ロシアがウクライナの全土占領を目指していたとは思わない。開戦劈頭の特殊部隊による政権中枢の殺害に失敗してからは、ゼレンスキー政権にロシアに有利な停戦協定を呑ませようとしていると考えている。だとすればウクライナにあらゆる出血を強いることが軍事作戦のポイントとなる。
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A6出すのか!A6は昨日プライムニュースで説明した120mm砲の長砲身バージョン。14両は1個中隊分。
theguardian.com/world/2023/jan…
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ここ何日か、ウクライナ陸軍の戦いについて思い始めていること。
1.ロシアのキーウ撤退の際、追撃戦による戦果拡張がほとんどできなかった。
2.ハルキウ反攻の際ドネツ川渡河を阻止され決定的戦果を得られなかった。
3.ヘルソン反攻がはかばかしく進んでない。
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週明け月曜のプライムニュースは核抑止について、日本で過去に例を見ない重量級の番組になりそうです。
私以上の専門家が出る予定で、私はつなぎ役に徹します。核に関心ある方は録画されることを強くお勧めします。
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さらに「戦略的なアプローチとそれを構成する主な方策」の項目も最初が外交で次が防衛。「外交を重視すべき」という議論はよく聞くが、2013年版以上に今回の国家安全保障戦略は外交を重視している。
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やはりこれまでは高度やら速度やらで見逃してきたのね。レーダーのフィルター設定を変えて、これまでは表示されなかったものが表示されるようになったと。
New unidentified ‘high-altitude object’ shot down over Canada
washingtonpost.com/national-secur…
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また、後半では、外交、防衛ではない政策分野にも具体的に言及。2013年版と比べてはるかにはっきりとwhole of governmentの取り組みの進め方を書いている。これこそが「国家安全保障戦略」に求められること。問題の絞り込みとそれを受けた政策方針の提示がうまく出来ている。
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阪神大震災の時、イチローが、『野球なんかやってる場合じゃない。けど野球しかできない』と言ったのがいまでも心に残っている。
いまの自分も、いま自分にできることをやるしかない。
やるべきことをやります。
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公開情報「だけ」で状況を分析する訓練って重要なのですよね。
情報は「部下が集めてくれる」立場にいつづけたひとはそれができない。「辞めたら自分でやらなきゃいけない」ことを理解しているひとは現役時代から自分で汗をかいて情報を集める努力をしている。ここで差がつきます。
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言っておくが私はロシアのミサイルが枯渇しているなんてことは一回も言ったことないぞ。最初にイギリスから枯渇情報が出てきたとき、コソボでイギリスが枯渇した数だからそう言ってるんだろうけどロシアは直前に備蓄してるからもっとあるはずと言ったぞ。フェイクニュースアカウントは証拠出せ。
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あの人、いまのことに文句言うより、自分が外交を仕切ってた1990年代半ばから2000年代初めをきちんと内省的に検証する方が日本の役に立つのではないかな。
いまみたいな厳しい安全保障環境になってしまったのは、あの時代の外交政策の帰結でもあるのだから。
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戦争で兵器を使って行われる殺傷行為には理由がある。なぜその命がそこで失われたのか、その背景や理由を理解することは重要なことだと思う。そのことこそ、命の重みを感じることに他ならないと思うのだが。
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戦車についてもう1つ。バラバラと逐次投入的に供与したら、西側戦車といえど前線の消耗戦の穴埋めとして溶かされてしまうと思う。
なのでまとまった形で部隊単位で投入し、反攻戦に使うべきという米国側の要望は理解できるし、そうあるべき。その文脈でのキャンプヘルソンでの訓練なのだろうし。
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いまの情報から考えられる反攻オプションを3つ。
1. ドニプロ川氾濫で沿岸陣地を押し流し、水が引いてから渡河、クリミア半島の付け根まで前進。
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まあロシア外交の失敗だわな。要求突きつけてたのはロシアなんだから。