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核共有についてはウィキに変なこと書いてあるからか誤解が多いので、昨日アベプラで話したことを中心に書いておく。
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核共有とは、核弾頭を同盟国領土に廃配備し、使用の決定と作戦そのものを米国と同盟国共同で行うもの。今では、米国のB61航空機搭載型核弾頭を同盟国の期待に積んで、目標に投下する。
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ロシアも多大の損害を受ける本格的な市街戦は避けるはず。市街での戦闘は小部隊による威力偵察にとどめ、それで判明した抵抗拠点を中心に砲撃や空爆や無人兵器による攻撃を繰り返す。それを続けてウクライナの抗戦意思をくじけさせるというのが今の計画ではないかな。(再掲ですが)
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ロシアがウクライナの全土占領を目指していたとは思わない。開戦劈頭の特殊部隊による政権中枢の殺害に失敗してからは、ゼレンスキー政権にロシアに有利な停戦協定を呑ませようとしていると考えている。だとすればウクライナにあらゆる出血を強いることが軍事作戦のポイントとなる。
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核についてひと言。核戦略の専門家は理由があって「戦術核」と呼ぶのを避ける。代わりに「非戦略核」ないし「低出力核」と呼ぶ。
今の世界ではあらゆる核使用が戦略的インプリケーションを持つので、「戦術」をつけて呼ぶのは不適当だからだ。
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ロシア軍が苦戦して進撃が停滞していると言われるが、まだ開戦から5日。何度も言うけどイラク戦争の米軍でさえ日速30km。日速20kmだったら十分快進撃の範囲。国境からキエフまでの距離を考えれば全く遅くない。
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現在進行形で戦争やっているときに流れてくる情報は限られていて、正確とも限らない。特に戦況に関する情報は。湾岸戦争でも、コソボ空爆でも、イラク戦争でもそうだった。今のウクライナだけが例外である理由はない。