51
LGBTは生産性が低いとかほざいて叩かれてるマヌケな人がいるみたいですけど、結局、教養の問題なんだと思います。ソクラテス、レオナルド、カラバッジオ、ワイルド、ウィトゲンシュタイン、チューリング、ソンタグなど、人文科学の巨人の多くがLGBTでした。あんたの生産性と比較してどうなのよ、と。
52
自分にとって有益な情報以外は無意味なので時間をかけなくていい、ということをかつて僕も言ってたのですが、そうすると「自分にとって何が有益かを判断する枠組みそのものを変換させる情報」を漏らしてしまうので、やっぱりグレーゾーンの曖昧さとか直感も大事だよなあ、と。すみません、独り言です。
53
子供に英語や楽器や絵画を習わせようとしたって、子供だってバカじゃありません。親が語学も楽器も絵画もやらずに週末はゴルフで時間を垂れ流してれば「面白いのはゴルフで語学も楽器も絵画もツマンナイんだ」と思うのは当たり前です。親自身が身をもって「ツマラナイ」ことを示してるわけですからね。
54
Uberでは配車管理を人工知能が行ない、実際の運転は人間がやります。人工知能が中間管理職を担って人間が現場を担う。人工知能に一番食われやすいのは実は現場よりこういう中間管理職なんです。キャリアを横軸に、人工知能への脆弱さを縦軸に取るとカーブは富士山型になる。中年はこれから大変ですよ。
55
マネジメントというのは特殊な技能を持たない人が高い報酬を得るための、殆ど唯一と言っていい仕事だったわけですが、実はこのマネジメントこそが最も人工知能に代替されやすい。彼らが人工知能に職を奪われた後、どのようにして「人間ならでは」の付加価値を再獲得するか。
56
57
グローバル化の見逃されがちな影響の一つがニッチ市場のメガ化です?日本国内で出現率1%の市場に向けてビジネスをやれば潜在顧客は百万人しかいません。仕方なくみんな大衆向けに焦点のぼけた商品を開発していますが、世界には70億人の人がいるので同じ出現率でも七千万人の潜在顧客を持つ。
58
昨晩の遠山さんとのディープな議論、最後は酔っ払ってなにも覚えていないんだけど、前半で言われた「コンサルと代理店が知的に惰弱になるのは当たり前だよ。だって「課題」と「お金」が、お客さんから与えられるんだから」というのが言葉がアタマから離れない。
60
骨董屋で小僧が修行する時、ホンモノとニセモノの見分け方を教えず、ひたすらホンモノだけを見せますね。そうするとニセモノが来た時にすぐわかるという。芸術も文学も同じでホンモノにずっと接してるとニセモノに接した時に、それがヒトであれモノであれ見抜けるようになります。なんか薄いんだよね。
61
仕事というのは長いこと「何かを生み出す行為」と考えられてきたけど、これほどモノが溢れてゴミの処理が問題になってくると、逆に「何かを消していく」仕事が大事になってくるのかも。日本橋の上の首都高、グジャグジャ電線、目障りな屋外広告とか、「消せば世の中良くなる」モノが日本には沢山ある。
62
離婚率は無条件に低い方が良いと考える単純な人がいるけど、これはフーコー的に言えば監獄の思考ですね。明治六年の太政官布告で女性からの離婚請求が可能になった翌年に離婚の数は飛躍的に増えてる。それまでいかに女性の立場が蔑ろにされ、ひどい夫と離婚したくてもできなかったかということです。
63
会社は近い将来バンドみたいになると思うんですが、そうなると掛け持ちとか再結成とか音楽性合わないから解散とか当たり前で、その時々で好きな仲間とバンドを組んで社会と関わればいい。人的資本も社会資本も「会社の外側」に蓄積するのでロックインされません。
64
縦軸に「役に立つ、立たない」横軸に「意味がある、ない」を置く。日本は長らく「役に立つけど意味はない」で戦ってきたけど「役に立つモノ」が要らなくなって苦戦してる。一方でいま一番お金が動いてるのは「役に立たないけど意味がある」で、バスキアもエルメスもランボルギーニもみんなココ。
65
大人にこそキッザニアって必要なんじゃないか、と。適性診断も含めて色んな仕事を疑似体験してみるのって面白いと思うんだけどなあ。
66
平成が終わろうかという今こそ、アメリカというベンチマークから離れて舵を切るタイミングじゃないかと。本当の意味での「国の成熟」とはなにか、間違いなくそれはGDPだけでは測れませんよね。 twitter.com/DanishEmbTokyo…
67
アート作品みて「わからん」と吐き捨てるオッサンたち。ではそもそも、いったいなにを「わかってる」んですか?と。部下や家族の気持ち、社会の動き、アナタ自身の行く末、全部わからないんじゃないの?と。わからなさを積極的に楽しめないから、そういう哀しい状態なんじゃないですか?と問いたい。
68
働き方改革では労働時間という「量の問題」に議論が集中しがちですが、個人的にはスジが悪いなあと思ってます。面白い仕事であればむしろ長時間労働は楽しみになるので「量」よりも「質」を改善することに拘りたい。ツマラナイ仕事は多少に関わらずどのみちツマラナイですからね。
69
そもそも「頭がよくなる」というのはどういうことか。情報処理プロセスに当てれば「入力→処理→出力」でスループットが向上するということでしょう。昨今はこのうち「処理」だけが議論されがちですが「入力」を司るのは五感なので、結局「感じる力」が高まらないと頭も良くならない、という単純な話。
70
野村監督はよくメモを取れと言ってましたけど、その理由が鋭くって、メモを取る習慣がつくと「感じる力」が増すからたいうんですね。感じる力のない選手は絶対に成長しない、感じる力をつけるためにメモを取れ、という。これも「頭の良さ」における「入力」の話ですね。
71
都市からたまに離れるのが良いのも五感の感度が上がるからです。よく「都市は情報量が多い」と言う人がいるけど、あれは間違いで都市は逆に情報が非常に少ないんです。人間のアイデアがモノに転写されただけですから。自然はずっと情報が多い上に絶えず変化する、だから五感が磨かれるれるんですね。
72
勤労の道徳は勤労を必要とせず、他者の勤労によって裕福な暮らしをする階層の人々によって捏造されたものだ、とラッセルは言っています。勤労の道徳は奴隷の道徳である、しかし現代は奴隷を必要としていない、と。「一生懸命働くのは良いことだ」という価値観の根拠を疑うべき時代ですね、哲学です。
73
ファーストペンギンがいないとよく言われますが、ポイントを外してるなと。本当の問題は「セカンドペンギンがいない」ということなんです。セカンドが出て初めて、最初に飛び込んだペンギンに「ファースト」の称号が与えられる。セカンドが出ないと単に「飛び込んだバカ」になっちゃうんですよ。
74
バートランドラッセルは「怠惰礼賛」の中で「暇を楽しむには教養がいる」と言ってますね。この指摘を踏まえると、なぜ働き方改革が上手くいかないかがよくわかります。改革して浮いた時間をゲームとかテレビとかSNSとかで潰すしかない人にとっては「働き方を改革する」インセンティブが無いんです。
75
改革の目的が抜け落ちてるんですよ。彼らに仕事を効率化して早く切り上げたい、と本気で思わせるようにするためには、浮いた時間でこんなに豊かで文化的な時間が送れるんだ、ということを実感させないとダメなんです。文化的生活の基礎がないままに労働改革しても上手くいくわけありませんよ。