すわぞ(@suwazo)さんの人気ツイート(古い順)

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人間「なんで渡れもしないのにそう川が好きなんだ?」 吸血鬼「ふふ、いつかどうしても渡りたい川があってね」 人間「どこの? 日本の?」 吸血鬼「日本のだよ。君もいつかは渡るだろうね」
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トラックに轢かれて転生したら蜂の女王になっちゃった! 卵を産むだけの虫生なんて絶対にイヤ! でも皆にちやほやされるの悪くないかも……でも、あれ? 蜂って冬を越せるのって女王蜂だけ……? こんなに私を慕ってくれる部下たちを死なせてたまるもんですか! 自然の掟を超えて、皆を救ってみせる!
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妖怪「とって食ってやろうと思ったが……おぬし、どこぞの神か大妖怪と関わりがあるな?」 人間「なぜわかる?」 妖怪「付箋が付いとる」 人間「付箋」 妖怪「人間には見えん付箋だ。勝手に食うなと書いてある」 人間「俺は冷蔵庫のプリンか」
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#twnovel 十年後にまた会おうと冗談交じりで約束した喫茶店は勿論もうなかったが、瓦礫の上で奴がキャンプグッズで湯を沸かしていたので笑った。それから泣けてきた。奴がまずい珈琲をすすり、「よく国境を越えられたな」と言った。「建設屋に国境はないのさ」「医者にもな」さあ、国を再興するのだ。
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吸血鬼「私は、ちょっとこの地に長く居すぎてしまったかもしれないね」 人間「急にどうした、故郷に帰るのか」 吸血鬼「この間、古い知り合いと電話してたんだけどね」 人間「……おう」 吸血鬼「日本語が訛ってると言われた」 人間「近所の年寄りとばかり交流するから……」
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吸血鬼「あのね、吸血鬼にも上級下級があって、私ほどになるとちっぽけな小川くらい何ともないんだよ?」 人間「そうなのか? 下級なら……」 吸血鬼「流しそうめんも怖がるレベルの知り合いもいるけど」 人間「弱すぎる、よく吸血鬼やってられるな」 吸血鬼「本人もそう言ってた」
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#twnovel 生まれ変わったらどうしても逢いたい相手がいた。しかし何度も生まれ変わるうちに理由を忘れてしまった。なのに逢いたい気持ちだけが募る。心の奥底から込み上げるこの感情は……。「ところで、お前は私の恋人であったのか敵であったのか」訊くと、やっと逢えた相手は何か凄い表情をした。
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#twnovel むかし逢った人魚にまた逢いたくて、海に近い場所に喫茶店を開いた。常連になった地元の女性と結婚した。人魚とは二度と逢えなかった。その妻を早くに亡くしたあと、酒の席で義父が言った。「口止めされてたんだけど、元々あいつは養女でな」記憶喪失だったのを浜辺で拾ったんだよ。
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今まで物語的には冬が死を司り夏が生を司る感じだったけど、ここへきて夏が《大いなる死》を司りはじめたきらいがありますね
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普段からうっすら体調悪い属の人はみんな思ってると思うが、「ちょっとでも体調おかしいなと思ったら休んで」は難しいよな(あと女性は周期的なアレもある)
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『普段からうっすら体調悪い属』の皆さま、このご時世には大変ですよね……。改善を模索したり頑張ってひどくしたり。いつもなら『よくある不調』として気にもしないものが、今だと必要以上に心配になっちゃったりするし。暑さにもやられるし。低空飛行でも何とかゆるゆるやっていきましょう
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#twnovel 王都の広場中央には岩に刺さった剣があり、「抜いた者は王になる」と伝えられていました。その隣には小さなガラスの靴があり、「履けた者は王子様と結婚する」と伝えられていました。聡明な読者はお気づきでしょう。そうです。いま現れた少女が、みごと剣を抜き、なおかつ靴も履いたのです。
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#twnovel 「子供の頃からシンデレラの物語が好きだったわ。ある意味でね」老婦人は語る。「皆が私を馬鹿にした。誰も私の夢を理解しなかった。でも私は諦めなかった。頑張って夢を叶えたのよ」「シンデレラになった?」「まさか。魔法使いのおばあさんになったのよ」彼女は女子奨学金の創設者である。
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人間「なに沈んだ顔してんだ」 吸血鬼「オレオレ詐欺にあった……」 人間「何か取られたのか!?」 吸血鬼「その前に気づいたけど、電話で『俺、俺』なんて言うからつい……百年前に死んだあいつかと」 人間「百年前」 吸血鬼「生まれ変わってまた会いに来てくれたのかと」 人間「あああ泣くな」
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#twnovel 本好きの叔父は独り暮らしの家にこれでもかと本を積み上げていた。いったい何百、何千冊あるのか、本人も把握していない。「俺に何かあったら始末を頼むよ」「冗談でしょ」私の返答に叔父は言った。「あの山のどこかに、お前が十五のときに初めて作った同人誌が埋もれてると言っても?」
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「ストレスをためないようにしましょう」って本当そのとおりなんだけど、こっちだってストレスをためようと努力してきた覚えはまったくないんだが
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ツリーにいっぱい話が続いてるのでよかったら読んでくださいー 日本の地方に住んでる吸血鬼と人間の特に何も起きない話です。名前はまだない。 twitter.com/suwazo/status/…
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#twnovel 台所の床磨きをしていたら突然見知らぬマダムが現れた。ドレスや宝石を出して、華やかなパーティーに連れていってくれた。物凄く楽しかった。「なぜこんなことしてくれるの?」「証明するためよ」「女の子は誰でもシンデレラになれるって?」「女は誰でも魔法使いのおばあさんになれるって」
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#twnovel 「もう犬でも猫でも何でもいいから嫁を貰え」養い親である魔法使いは口癖のように俺に言う。「もう人形でも婆でも」「石でも牛でも」「絵でも樹でも」バリエーションは豊富なのに、頑なに「男でも」とは言わないのは、言った瞬間に自分がプロポーズされると薄々気づいているからだろうか。
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#twnovel 子供たちが密室トリックについて議論を交わしている。『犯人』はどうやって鍵を開けて閉めたのか? それとも始めからどこかに隠れていた? そもそも本当に密室だったのか? 秘密の抜け穴や共犯者の存在の可能性は?「とにかくプレゼントの包みを開けたらどう?」クリスマスの朝のことである。
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#twnovel 猫は人が知らないだろうことをいろいろ知っている。たとえば、人がやって来られるはずのない高い屋根のてっぺんで昼寝しているとき、ふいに撫でてくる柔らかな手(明らかな人の手)があること。背中に羽があればそれは天から降りてきた人だし、羽がなければこれから天へのぼる人なのだ。
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#twnovel 花魁の前に現れたのは狐だった。怪我して死にかけたのを、人の男に救われた。人に化けて恩返ししたいが人の美醜がわからない。美しいと評判の貴女の姿に化けてもよいか。「いいとも」花魁は言う。「私の顔と姿で、愛する男と添い遂げるといい。私には叶わぬ望みを叶えてくれたら私も嬉しい」
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#twnovel 推理小説を書くのはもうやめると言うと、友人は「それは困る」と喚いた。僕の小説の殺人トリックはすべて友人が発想したものだ。「書いてくんなきゃ、俺、実際に試したくなる……」泣きながら言われて、渋々もう少し続けることにした。後日、友人が持ってきたネタの被害者は推理作家だった。
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#twnovel メイドロボの修理をしていた若手が「えっ」と声をあげた。「どうした」「中の部品が一つだけ違うメーカーのなんスよ」「お前、初めてか」親方は説明する。ときどきそういうのがいるんだ。仲良くなったロボット同士でこっそり部品を交換するらしい。指輪みたいにさ。信じられないか。ハハハ。
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本を読まない子は「本を読め」と文句言われるかもだが、本を読む子は読む子で「本ばかり読むな」と文句言われる