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生物多様性と金融の講演で最も記憶に残っているのは、熊本が8000億円規模の半導体工場を誘致できた理由の1つは「阿蘇由来の高品質な地下水」だったということ。熊本の人たちが、阿蘇山系の森林はもちろんその下流の水田を適切に保全してきたことの賜物。生態系全体の保全がお金につながる骨頂です。
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1万年以上の永きにわたってドングリは私たちの重要な食糧源の一つだったため人間は幼少期からドングリに対する強い選好性がある。というトンデモ与太仮説を思いついてしまうくらい、子供ってドングリ好きですよね。(洗濯物に紛れ込んだドングリの残骸を捨てながら)
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学生さんの「日本の農地の作付け、水稲の次に多いのは耕作放棄地じゃないですか」という言葉にハッとさせられた。確かに調べてみるとそのようだ。よく考えたら凄まじいな・・・。
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なるほど。GPSの邪魔しちゃうのか。
ただ、今後、農地の生物多様性の重要性が高まったとき、農家さんにとって防風林の価値は高くなると思うのですよね。哺乳類・鳥類がいるので。
防風林管理、悩む農家 十勝のスマート農業に支障 伐採で強風被害増、見直しも:北海道新聞 hokkaido-np.co.jp/article/634374
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屋上緑化も普及して時間がたつので、そろそろビルの屋上に定着した雑草でビル間の遺伝的分化が進んできてもいい頃合いだと妄想しています。高層ビルの屋上を孤立した島と見立てた「天空で起きる急速な進化」、どうでしょうか。(既に研究あるのかもしれない)
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ゴールデンカムイ,チェーザレ,同志少女よ、敵を撃て等々、膨大な学術的知見を散りばめた魅力的なフィクションの数々。作者がどう文献を探し収集し作品に組み込むか、体系的な仕事術を知りたくないですか?私はすごく知りたい。研究者としては、学術的知見を世に役立たせてもらうヒントにつながる。
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アボカドが鳥類に猛毒だったり、ブドウがイヌに中毒を起こしたり、ペットに危険な果物のリスト。これは果物の野生種が種子散布者を選んでいた痕跡と捉えると包括的に理解できるかも。哺乳類散布のアボカドは鳥類には食べてほしくない、鳥散布のブドウは哺乳類には食べてほしくない、のような。
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この鳥追いカイト、うちの農場では効果があるようで色んな所に立ててあります。鳥たち直ぐ慣れるかと思ったけど効き続けてます。慣れが起きない理由は、隣の演習林に本物のオオタカがいて時々農場の鳥を捕食してるからじゃないかと思ってます。農地への間接的な生態系サービスだったら面白いですね。
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沖縄に漂着している軽石。沿岸の動植物や影響を受ける方々には甚大な被害をもたらす絶望的な災害ですが、一方で、激烈な環境変化に対して、沿岸生物がどのように適応進化するかを理解する貴重な機会だと思います。前後で比較するには、まさに今のデータ必要です。どなたかが行っていることを祈ります!
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生物好きは、生き物を知らないのは損だと常々思っているかもしれませんが、生き物の関心の低下が経済的に大きな損失になってそうな事例を聞きました。漁業です。消費者の認知が低い種は、美味で水揚げ多くても、価値が非常に低くなるそうで。逆に、魚の知識の向上で、水揚げは同じで収入が増えるかも。
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職場に、ルンバ的草刈りロボットが導入されてました。健気です。特に電気がなくなって充電器に戻っていく姿はお疲れさまと言いたくなります。
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秋になると”あの芳香”が気になるイチョウ(の肥大した外種皮)。意外にも有効な種子散布者は不明のよう。鳥類、食肉・げっ歯目の利用は報告あるが、イチョウ綱の仲間は悉く絶滅して自生地(中国南部)も限られてるので、検証が難しい。あの匂いから腐肉食性動物(含む恐竜)ではと考えられているそう。
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先日の果物追熟論文、役に立つか/立たないかと言われれば、役に立たないバリバリの基礎研究ですが、なんと英国の老舗政治経済紙"The economist"で紹介されました。”役に立つ”ことを一生懸命考える政財界のエリート達が、果物の進化の記事読んで、おもしろ〜となってるのを想像するとホッコリします。 twitter.com/Alien_Evolve/s…
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論文が出版されました!
小学生から生態学者まで、果物好きから生き物好きまで、誰でも楽しめるちょっと驚きの発見です。明日から果物を見る目が少し変わるはずです。ぜひご覧ください。
「果物が追熟するのは何のため? ~見逃されていた生態学的意義を初めて検証~」
research-er.jp/articles/view/…
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農場で働くようになって、農業や農学では当然の現象でも、進化生態学に大きなテーマになる現象が沢山あることに気がついた。最近気になるのは「つるぼけ」。サツマイモなど、肥料を投入すると最初は線形に収量(イモ)が増えていくけど、一定量を超えると収量が減り地上部重量だけ増える現象です。
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この技術が凄いのは、1. 選択圧として強力で抵抗性が進化しにくそうな点と、2. 種の識別がベースなので、選択制の強さを変えられる点。この路線では、例えば雑草害の弱い種や特定の場所だけ除草圧を弱めた保全型農地ゾーンなんかも作れる。これが小型&廉価になったら畑地農業の世界が変わるのでは? twitter.com/kurorabukyouzy…
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太陽光パネルによる周辺生物種へのインパクト。
project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/fea…
水面と間違えて高熱の太陽光パネルに寄せられてしまったカエルたちが大量死していると思われる事例が書かれています。 twitter.com/Kasuganoma/sta…
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これは凄い執念の研究だ。カメの違法取引がどこでどのように行われるかを丹念に追っている。Facebookグループ, インターネットフォーラム, 実際の市場(金魚市場)に入って違法取引を定量化。
sciencedirect.com/science/articl…
結果、Facebookが最大のマーケットであることを突き止めた。まるで潜入捜査です。
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よく考えると、太陽光発電の雑草管理は雑草学の専門家が大きな貢献できる分野な気がします。何度も除草剤撒き続けて成長の早い攪乱依存の1年草を維持し続けるコストは膨大ですよね。災害にも弱そうだし。比較的成長が遅く管理の楽な植物群集に移行させる技術はニーズが高いのではないでしょうか。
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観察するだけなら実験も簡単なので、お子さんの自由研究などにピッタリかもしれませんね!
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大雨で外に行けない自然好きのみなさん、家の近くで観察できる面白い現象があります。ぜひ「水溜まりに水没した雑草たち」を見てください。水没は陸上植物にとって死活問題なので、様々な逃避反応をします。明確なのは、葉の角度を垂直にする反応。何とか葉を立てて水没を回避しようと頑張っています。
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イネ科・アブラナ科・キク科・タデ科など幅広い雑草でこのような逃避行動が報告されています。報告はされていませんが、オオバコなど身近な雑草でも起きていそうです。(昨日、水没したオオバコが葉を立ててる様子を見て論文検索しました)
参考文献:nph.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.11… New Phytologist (2006)
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人生の楽しみの総量を増やすことを学びのひとつの効用だとすると、家の周りの雑草を30種類覚えることは、コストパフォーマンスが高い学びな気がします。都市の中でも自然の動態を実感できるし、通勤通学がちょっと楽しくなる。子供でも誰でもできて、常に目にするので生涯忘れなさそう。
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植物学者は綺麗な種に偏って研究しがちなのかも。Nature Plants (2021)
nature.com/articles/s4147…
高山植物を対象にした280の論文と対象の形質の関係を解析すると、生態や希少性よりも、形態や色彩の特性、分布域の広さが有意に大きな影響を与えていた。
好奇心ベースの基礎研究は仕方ない気もする…
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「求む、環境専門家」 金融業界で採用ラッシュ
jp.reuters.com/article/climat…
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の流れも鑑みるに、近い将来、金融業界が生物多様性の専門家を求める時期が来るのかもしれません。ノイズの大きな大量データを扱うという意味でも似てるし、色々貢献できるかも。