深野 祐也(@Alien_Evolve)さんの人気ツイート(新しい順)

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無垢な(?)子供から鋭い質問されることに期待がありましたが、すごい一撃が来た気がします。 「なんでミカンは外も中も黄色いの?」 これは種子散布生態学的に重要な気がします。確かに、種子散布者へのアピールなら果皮だけで十分で果肉を着色する必要がない。検証されてない疑問な気がします。
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「窒素肥料の過多が植物の葉を茂らせるばかりで、実の生産量の低下を招くのはどのようなシステムによるのか」となりますが、農業技術的には広く知られていることがらでも、植物生理学分野からの説明はまだほとんどできていません。 jspp.org/hiroba/q_and_a… 進化生態学分野からの説明もまだな気がする
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生態学者におススメするSFを勝手に考えていますが、『法治の獣』春暮康一が暫定首位かもしれない。3作の中編集ですが、それぞれ動物行動学・進化生態学・群集生態学をモチーフにしたマニアックな生態学SF。 ハヤカワ文庫さんは、これを掲げて生態学会年次大会の書籍販売コーナーに殴り込みしてほしい
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保全科学で成功事例は稀、特に広域・群集レベルの事例は多くない。この研究は、数百のため池の新規創出という力技だが単純な方法が、両生類の大半の種でメタ個体群レベルで個体数減少を止め、回復すらできることを20年の調査・解析で解明。@スイス pnas.org/doi/abs/10.107… PNAS (2022)
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自分で考えてみた。農閑期の1-3月の寒い日。肥溜めから、ドラム缶2つ分(400kg)の人糞・尿を汲んで、田んぼまで運び、田の中にばらまく。これを2か月毎日やって、やっと24トン。排泄物への忌避は多少慣れるにしても、やっぱりつらいだろうな…。この合間に牛馬の世話とか草刈とか…文明は有難い…
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しかし本当に毎年大量の有機質肥料を投入しなければならなかったのですね。排泄物以外にも、踏土(農家の門口にごみ,ぬか,はきだめなどを散しておき人馬に踏まれて腐熟させたもの)とか用水路の泥土とか、使える栄養を田んぼに全て投入している。これが伝統的な有機農業なんですよね。農業は大変だ。
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人糞・厩肥の窒素含有量は0.5%くらい、化成肥料の10分の1以下なので単純に重い。機械無しでこれはしんどい…。参考資料はこちら、「江戸時代中期の稲作と施肥」pdfです。 jcam-agri.co.jp/book/data/%E8%…  これに苗代・代掻き・移植・無限除草(しんどい)・収穫・脱穀精米と。害虫来たら終わり。つらい…。
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江戸時代の農業では肥料として人間の排泄物に頼っていたのは知ってたけど、どれくらい使っていたのかと計算したら基肥で「農家1戸1haあたり人糞7.2トン, 小便1.8-20トン+厩肥9トン」となってその重量に驚いた。さらに追肥で同じくらい投入。1年で4-50トン。牛馬使ったとしても、物凄く辛い労働だ…。
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進化生態学のマニアックで渋い研究が、英国王立協会紀要から出版されたので紹介させてください。急速な進化が、群集の多様性にまで影響することを野外実験で確かめた初めての成果です。 「⾜元で起きる進化」の波及効果 ―たった1 種の形態進化が植物群集の多様性を変える― h.chiba-u.jp/topics/220930_…
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チャールズ皇太子「小規模家族農場は、持続可能な未来の中心であるべき」 theguardian.com/environment/20… 農業に対して炭素排出/生物多様性に配慮する圧力が高まったとき、大資本しか生き残れない未来はダメだろうという意見。日本の参考になるかも。日本の場合、もちろん皇室ではなくJAの発信に注目です。
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耕作放棄地が農地周辺にあることでどれくらい雑草・病害虫・獣害の発生(と防除コスト)が増加するか、という定量的研究を探しています。経験的にはよく知られている気がしますが、きちんと調べようと思うと、個々の農地周辺の景観や品目の違いを考慮した解析が必要なので、定量化はなかなか難しい?
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金融業界の知り合いから「生物多様性熱いよね!次来るよ!」と(間接的に)言われた。丸の内で語られる「生物多様性」と、山川海田の実際の生物多様性に大きな乖離がある気がする。現場の生物多様性屋の皆さんは、黄金の風、届いているのだろうか(もしくは、だが断る、なのだろうか)。
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農業生産者・関係者の方々が、必死にSNS上の有機関連の農業デマを諫めようとするのをみます。今後「みどり戦略」によって、有機農業デマも広がりやすくなるかもしれません。現在、パブコメを募集しているので、有機推進に際して正確な情報発信・普及啓発に努めるよう意見してみてはいかがでしょうか?
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ヒトが昼行性なので、夜の送粉者の研究は少ない。100年前から送粉が研究され重要な作物であるアカツメクサですら、夜行性の蛾が全訪花の1/3を占めていることが初めて報告。スイスの半自然草地での観察。 royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rs… Biol. Lett. (2022) もしかしてシロツメクサも…??農耕地ではどうだろう
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安定のデイリーポータル植物学。これ、発見地点数が増えると進化生態学的研究の対象として面白いじゃなかろうか。土壌養分も気温も日照も生物相も、野外と全く異なる環境で、地下植物はどんな進化をしているのか。都市進化の極致である。 都会の地下で植物が勝手にはえている dailyportalz.jp/kiji/tokai-chi…
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嬉しいことに、講義への質問に「スライドが見やすいですが、スライドを作るときに意識する点は?」みたいな質問が。これは千葉大学が誇る研究発表プレゼン術の伝道者、高橋佑磨さんらのウェブサイト『伝わるデザイン』を紹介しなければ。 tsutawarudesign.com
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みなさま推薦どうもありがとうございました。私がチェックできた範囲で66冊の本が挙げられてました。まとめましたので、ご覧ください。最初の画像が教科書的な本、残り3枚の画像が非教科書的な本です(私基準)。「捕食者なき世界」が最多推薦でした。生態学はファンが多くて幸せな学問ですね。 twitter.com/Alien_Evolve/s…
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学部1年生に生態学のおすすめの図書を聞かれました。入学していろいろな研究室に訪問して(私のところにも来ました)、生態学が面白いと感じたそうです。 生態学好きの皆さんだったら何を薦めますか?沼に沈めるための、珠玉の一冊をお聞きしたいです。
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麦踏(ムギが小さいときに踏み、草丈を抑制し分げつを促す栽培技術、収量増加につながる)は、古くから世界中で行われてきたと思っていたら、日本で発展した経験知でだったのか!知らなかった!!定量的な研究も日本語論文のみだったらしい。Front. Plant Sci. (2014) frontiersin.org/articles/10.33…
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みどりの食料システム戦略により有機農業が今後強く推進されるのは間違いないですが、(消費者の気持ちには寄り添いつつも)そのマーケティングに明らかな疑似科学がは入り込まないように注意が必要だと思う。農業・農学だけの問題だけで無く、科学・社会一般に大きな負の影響が懸念されます。
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なぜこれが問題になりそうかというと、メガソーラーには国内・海外の”ESG”ファンドが投資していて、今後炭素排出に関わる情報開示が厳しくなると予想されます。この時、メガソーラー設置時に土壌由来の炭素を大量に喪失していることが明らかになると、ファンドに厳しい評価がなされるかもしれません。 twitter.com/Alien_Evolve/s…
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先日のシンポで印象的だったのは、作物の研究者から「生態学者が理想とする農地」を提案してくれた方が作物栽培側もそこに合わせて技術開発できる、と言われた点。共同研究者によると、同じことを都市計画の研究者にも言われたそう。曰く「生態学者は”極力、生き物を減らすな!”と言うが、
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具体的に街に残すべき生き物の種や量(目標)は全然示さない。目標を示してくれたら、それに向けて都市計画者が開発方法を検討できるようになる」 もしかすると、生態学者は生き物の”多様性”を研究しているので、多様性を取りこぼしてしまうシンプルな目標の提示に躊躇してしまうのかもしれません。
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個体数の減少が生物学的絶滅につながるように、市民の関心と記憶の衰退が「種の社会的絶滅」につながるかもしれないという、コンセプト論文。 sciencedirect.com/science/articl… TREE (2022) 社会的絶滅は、社会の保全への支持を低下させる。主に保全教育・マーケティングが絶滅を緩和するために必要だろう。
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D・モンゴメリーさんの一連の著作を読んでいますが、人間の歴史は土壌の破壊の歴史だと初めて認識しました。メソポタミアから新大陸まであらゆる地域で、耕作から数百年〜数十年で土壌を激しく侵食させる。破壊の再現性がすごい。世代"内"で悪影響が出にくい現象は経験知が蓄積しないんだろうな。