京アニ放火事件の犯人をどうすれば止められたかは、当時から続報を見るたびに考える。度重なる犯罪で逮捕されたときに異常が分かり、障害者手帳交付や薬物療法も受け、更生施設にも入って生活保護も受け、と現在の社会ができることはだいたいやっていて、他の現実的な制止手段はなんだろうとなる。
SCP財団がトレンドでなにかと思ったら「本当にそういうものがあって陰謀論を流している」と思う人がいる、という、創作内部で想定された人々すら現実に出てきて、なかなかおもしろい現象。
珍しい人だと、人の肋骨を折るのが娯楽のお爺さんに会ったことがある。治安の悪い場所のゲーセンに勤めていたが、近くの同業者のお爺さんがそれ。店内でヤンキーやバカが暴れると、クソデカレンチで殴って肋骨を折るのが一番楽しいとしていた。治安の悪い町に昔からいる人は、そうでないと死ぬらしい。
nazology.net/archives/43660 人類史における暴力と殺人の減少が、経済成長と比例せず、近代文学の登場と広がりに比例するという話は何回でもしておきたい。今回の記事でおもしろいのは、ノンフィクションでは共感力が向上せず、物語でだけ向上するという不思議さ。
「ブラックシープ」人喰い羊たちと感染した羊人間が襲ってくるホラーコメディ。製作者が「怪物とゾンビがいっぱい出る映画を撮りたいけど、予算も人員もない。そうだ、我がニュージーランドには売るほど羊がいるじゃないか!」と気づいてしまった、ニュージーランド映画。
「作中人物の頭の程度は、作者の頭の良さを超えない」はいろいろな方法で補える。問題はむしろ「作中人物の善性は、作者の人間性や偉大さを超えない」のほうで、頭の良さが第一に置かれて、善性について語れない創作と語られない場は少し寂しい。
「努力しないでチート能力で無敵無双で~」という話を書いている人が、まず本を書くという凄い努力をしている事実。
日本の犯罪が2002年から五分の一となったそうで、他の先進国はどうかなと法務省資料を見たら、件数は人口差があるにしても率がひでえ。アメリカにいたっては、日本の百倍も強盗が発生。なおそのアメリカでも世界治安度ランキングだと真ん中より上という。人類っ!
#洋画に出てくる好きな日本人キャラ キャビンに出てくる日本の学生たち。世界各地で幽霊や怪物や怪異が出るシステムで全員死んでいくなか、見事な推理と協力で除霊に成功する。ただし、作品的にはそのイベントの解決が、日本と主人公たちで二例あったことが惨劇につながる。
「敵に現実で解決できていないテーマを背負わせると、主人公がふわっと反論しかできず、レスバ負けする」という話を見かけるが、そこが21世紀、2000年代のスタート地点です。創作者、頑張りなはれ。
「海外にグラビアはない、エロいものを見てオナニーなんてしない」という言説、極度の世間知らずか病気か、中世キリスト教にあったプレスター・ジョン幻想(遠い異国にはキリスト教の理想国家がある)と同類の狂信。
妻の頭を帽子として被ろうとする失認症、自分が死んでいると思いこむコタール症候群、自分の身体の一部を切断したくなる身体完全同一性障害、すべてに感情が湧かず現実感を持てない離人症、家族や知人が他人やすり替わったロボットだと思いこむカプグラ症候群と、精神と脳のバグは知っておいてもいい。
エリザベス女王の国葬は、帝国の国葬とはどういうものかを映像で見られる、創作の貴重な資料だろう。葬儀会場や歴史の意味や由来、服装や物品、儀式の手順、参列者の格付けと席次、衛兵の配置などは専門書でもないかぎり分からない。
海外の研究者たちのほぼすべてが、日本の戦国時代を儀式的な内戦としている。欧州や中国などは内乱であっても農民や職人や芸能者まで大量に殺害されるが、日本の戦国時代はかなり少なく、武士や徴兵された兵士同士の戦いがほとんどである。
「なぜそんな危険な所へ行く?」「なぜ死ぬ寸前までリアルタイム映像を撮っている?」「なぜそれを他人が、しかもリアルタイムで知る機会がある?」という問いを「YouTuberだから」という設定だけで完全に説明できてしまうの、そら便利すぎて使うわ。
文章書きは3タイプある。映像を文字に起こす派、脳内文章と文章によって呼び起こされる文章を書く派、なにかが下りてきて書く派。 映像派は文章を読む時間と作中時間をリンクさせようとする。あと左右上下を気にする。台詞も人間の肺活量ではこのくらい、と考える。
「貞子なんてテレビから出てきた所を膝蹴りで一発やろ」とやった人の膝を掴み、ドラゴンスクリューをかけて膝を破壊してから完璧なヒールホールドで踵を砕く貞子の「さんざん世間にいじられて始球式までやっている私が、なにも現世を学ばないとでも?」も見てみたい。
実際、物語で主人公が解決すべき命題を作っているのは悪役なので、主役以上に重要。悪役に仇役、ライバルに強敵がしっかり造形されていないと、物語が締まらず主役とヒロイン自慢のお人形ごっこになる。人々の記憶に残る悪役は作者の腕の見せ所だし、なにかあるごとに言及されるほどの造形は誉れよ。
中近世の資料を読むと、とにかく乳幼児が死ぬので多産。捨て子も頻発するが、修道院や奴隷商人や乳母が保護する。が、斡旋業者に輸送業者も杜撰なので、輸送中に七割が死亡。生き残った子の三分の二も一ヶ月以内に引取先で死亡。保護されてもこれで、保護されなかった子を入れると死亡率高すぎる。
町にクリスマスソングが流れているのを聞くと、昔聞いた「一部のマフィアは、クリスマスソングを歌いながら拷問する。相手はその後一生クリスマスソングを聴くたびに拷問を思い出し、拷問は終わらない」を思い出してしまい、悪人は嫌なことをよく考えるなとなる。
薩摩ホグワーツを見ると作品も改変され ハリー・ポッターと知恵捨ての意志 ハリー・ポッターと秘密の貿易 ハリー・ポッターと薩摩藩の囚人 ハリー・ポッターと炎の誤チェスト ハリー・ポッターと不惜身命の武士団 ハリー・ポッターと謎の藩主 ハリー・ポッターと死の勤王 で、江戸から幕末の話と分かる
人類の殺人と犯罪数の減少は、統計によると、ようやく産業革命によって上昇した生産効率とは比例せず、それに先立つ印刷技術の発明による近代文学の広がりと比例する。つまり本を読む人が増えると、共感能力が上昇して思考の視野が広がり、殺人と犯罪が減る、という説は何度でも言っておきたい。
アニメ「平家物語」を見て「結末は知っているけど、平家にも良い人がいて事情もあり、なんとかならないか」となったあとに「鎌倉殿の13人」を見て「断固として平家討つべし!」という感情を交互に繰り返し、情緒がおかしくなってからが歴史創作物鑑賞のスタート地点です。
「海外では近親相姦はタブーだから」と創作物を責める人に、すぐ聖書やギリシャにエジプト神話、ハプスブルク家や各種王家でと大量に突っこまれている。高校生くらいの知識があれば、無根拠や矛盾を含む発言前に止められる標準セーフティになるのだろう。