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【民間事故調/9】一方でノートにはこんな殴り書きも。「Kに冷却水が必要」…Kとは菅さんのこと。危機が刻々募る中、技術陣の無様さに、次第に総理のテンションが高じていったのも事実。あそこは優しく彼らの硬直を解いてあげるのがリーダーの務め。…私がその立場でも、それができた自信は無いが。
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【民間事故調/10】自分だけ冷静だったように振り返るのはフェアじゃないから、正直に言う。私自身、あの時は人生最大の緊張状態にいた。眼を合わせない専門家さんに、「頼むから、1つの作業が始まったら、次に何を備えなきゃいけないか、先回りして考えて下さい!」と懇願したのを覚えている。
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【民間事故調/11】当時の激動の渦中で、私を含む当事者は皆《自分が体験したアングル》だけであの時の出来事を一面的に認識し、それが真相だと銘々に信じている。しかし、仮に1人も嘘をついていなくても、その証言は至る所で食い違う。我々は誰もが、全貌が見えぬ相手と闘う蟻でしかなかったのだ。
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【民間事故調/12】だから、色々な立ち位置にいた“蟻”達の証言を後で総合し全体像をつかむことは、《何があったのか》を知り再発防止策を作る上で、決定的に重要だ。私が事故調のヒアリングに全面協力したのも、今こうしてツイートで補完しているのも、そういう理由から。続いて報告書P.79⇒
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【民間事故調/13】震災翌朝。福島の現場では、東電本店との電話で「吉田所長が首相の突然の訪問予定に…『私が総理の対応をしてどうなるんですか』と激しいやり取りをしていた。」これは、来る菅への怒りか?(世間の見方) “総理対応はそっちの役割だろう”と本店を怒ってたのか?(私の見方)
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【民間事故調/14】なぜ私が後者の見方をするかと言えば、それが当時官邸にいての実感だったから。目の前にいる面々にいくら訊いても情報も判断も出て来ないなら、直接現場に行くしかない。で、実際、菅・班目氏らと現場に行って感服した。吉田所長は、総理を迎える態勢など、何も取っていなかった。
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【民間事故調/15】この視察は儀式ではなく、状況把握作業だ。どうか本末転倒な歓迎準備になど人手を割いていませんように、と案じながら到着してみると、歓迎の人垣の代わりに建物内で総理を迎えたのは、毛布にくるまって廊下にゴロゴロ転がる疲れ切った人の群れだった。我々は、その隙間を進んだ。
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【民間事故調/16】間近な最前線での闘いから時間交代で戻って来て、ぐったり仮眠しているその人達は、10cm横を今総理が歩いていることなど、全く気付いていなかった。その《総理扱いの放置ぶり》に、「ああ、これなら作業のお邪魔は最小限で済んでいる」と私は安堵した。そして会議室へ。
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今日の文春は凄い。私のツイート【3】を明らかに読んだ上で、尚も「ぞっとした」発言を菅批判の如く確信犯的に誤用。更に【9】も、ラストの「私でも出来た自信ない」だけを切り捨てて、これまた菅批判の材料に。いずれこの記者を教室に招いて対談したい。これが正義感でやってたりするんだよナ。
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そう、官邸にはいなかった。だから、発生の翌朝原発に乗り込んだ時、図面を広げてテキパキと自分の言葉で説明する吉田所長を見て、「やっと話せる相手が見つかった」と菅さんは言った。私も100%同感だった。←@yasuhisanitta そこに本当の技術者はいなかったと断言させて頂きます
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【民間事故調/17】報告書P.79◆福島の会議室で東電副社長が、ベントできぬ理由を「電力が無くて電動弁が開けられないと説明すると、(菅首相は)『そんな言い訳を聞くために来たんじゃない』と怒鳴った」…確かに、Whyに答えたら“言い訳するな”と叱られた、というのは理不尽にも見えるが⇒
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【民間事故調/18】やはりあの場面は、「電力が無くて電動弁が開きません」オワリ、じゃなくて「だから次は○○という方法を試みます」と続けるのが、責任ある者の答だろう。あの緊迫の数日、前者のような、次の一手の提示を伴わない単なる「出来ません」発言を、どれだけ技術系から聞かされたか…
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今日も産経Web版が、相変わらず民間事故調の「ゾッとした」下村証言を、菅批判の文脈で利用してる。よりリアルに、《本当は何にゾッとしたのか》を伝える必要があるようなので、初めて携帯電話の逸話を明かした。今朝の東京新聞2面上半分→bit.ly/wsHJ8R
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ニコニコニュースのロング・インタビューより/誰かのせいにまとめてしまうのは、なぜいけないか。別に「その人が気の毒だから」じゃありません。「そいつさえ去れば、もう大丈夫」という大いなる誤解を世間がして、真の再発防止から遠のくことが、怖い。bit.ly/zQi82I
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『原発とメディア』②◆実際TV界にいた頃、脱原発運動を取材しても報道番組に採用されず放送断念、ということが何度もあった。よく言われるような「電力会社がスポンサーだからダメ」が理由なら闘いようがあるが、「視聴率が下がる」=国民が求めていない話に時間枠は割けない、と言われると…
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『原発とメディア』③◆相手が“国民”では反論できず、悔しかった。当時の実感として、脱原発話を何とか報じたい私にとって最大の壁は、「原発反対なんて、一部の偏った運動家の主張でしょ」という《世間》の空気だった。勿論、その空気を育てていった大PRの問題は背景に有ったにせよ、だ。
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一昨日、原子力安全委が大飯原発の安全審査を“妥当と認めた”と大報道された件。やっと昨日深夜、ニコ動でその委員会直後の斑目委員長の会見をノーカット動画で見て唖然。報道から受ける印象と、実際に斑目氏が言ってる事が、殆ど真逆! 一切の私見を挟まず、ただ同氏の発言内容だけを採録する。
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斑目会見発言①「妥当という書き方は、この中には一切していない。妥当性に関して白黒つけるものではない」「安全性の確認ということに関して、我々は何も発言していません。あくまでも、総合的安全評価としては、1次評価では不十分ですと申し上げています」
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斑目会見発言②「総合的安全評価はあくまで1次・2次評価をあわせてやるもの。非常に簡略的な方法で1次評価が出て来たので、それに対しては2次評価に向け色々と意見を付けさせてもらった。ある意味で全てYes, but。もうちょっと現実的な評価をやって下さいよというのが、後ろにくっつく」
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斑目会見発言③「やはり総合的安全評価という意味では、もっと踏み込んだ現実的評価をやって頂きたい。これではまだちゃんとした評価になってないな、と思うところは多々ございます。例えば、4頁の…[略]…このシナリオ以外のことも考えて頂きたい、というのが裏にあります」
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斑目会見発言④「現実的評価をぜひお願いしたいと思っているのは、これで出来たシナリオというのは、『本当はそんな事は無いよ。そんな値では決して壊れないよ』と現場の人が思いこんでしまう可能性がある。そうすると、また変な安全神話が生まれかねない」
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斑目会見発言⑤「ストレステストと再稼働を結び付けている国はない。それはそれで1つの政治判断としてなされること。今まで1次評価を保安院でやられたが、それではやっぱり世界的に納得を得られるものではないでしょう、ぜひこういう深さまでやって頂きたい、ということを提案した」【了】
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昨日の枝野会見、「再稼働方針決定」という報道一色。3週前の斑目会見報道(bit.ly/HET7sq)同様、また事実とずれた印象。そもそも再稼働は決定していないし、全く報じられていない枝野さんの注目発言も色々あった。斑目さんの時と同様、そういう部分のみ以下採録。
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枝野会見発言①「四大臣会合の結果を説明する前に、まず申し上げたい。政府は昨年7月、《脱原発依存》の方針を決定している。今回の一連の四大臣会合も、当然この方針の枠内で行われたもの」←ここからまた原発依存社会に戻っていく再転換点ではない、と菅政権路線の継承を冒頭に明言!
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枝野会見発言②「私は昨年3月の計画停電の時、官房長官として、人工呼吸器の患者さん等全員と1人残らず連絡が取れるまで停電しないよう指示を出し、切迫した状況の中で厚労省と死にもの狂いで対応した。突然の電力不足が、社会の隅々に如何に深刻な事態をもたらすかを、心底実感した」