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「下町ロケット」の再放送を見た細君が、「ほんの少し昔の作品なのに、数字の改竄を許さないのは技術者の誇りとか不正は司直の手に委ねられるとかのドラマの前提が崩れ去ってしまったねぇ」と嘆息。なるほど「自分が不審な死をとげたら告発状が新聞社に行くぞ」という脅しも、今は役に立ちそうにない。
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あらためて検索すると、その雑誌はデジタルコレクションに入っているが、あいにくインターネット公開にはなってないので、そのままでは見れないのだが、画面左側の「目次・巻号」タブを開き、該当号をクリックすると収録内容とページがわかる! あとは遠隔複写を申し込めば――というわけなのだ。
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僕が校閲記者をしていた1982年以降、もう「血」をそういう意味で使うことは最大級の禁止事項でしたよ。そのあと「遺伝子」「DNA」と言い換えながら、やはりいけないということになった。それをあっさり復活させるほどオリンピックというのは危険な熱狂を呼ぶんですね。 twitter.com/mas__yamazaki/…
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何でみんな疑似西洋ファンタジー風異世界に行くんだよ、日本人ならちょん髷ワールド、お江戸こそ何やってもいい物語空間だよと常々言っているが、僕の十代のころすでに時代小説は敷居は高かった。使いこなすべき言葉があまりに多くて、いっそ中国を舞台にしようと思ったり漫画の方がいいのではと考えた
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庵野秀明、宮崎駿といった人々のドキュメンタリーを見ると、逆にアニメの世界に入る人が減るのではと心配になる。だってここまで極端な「一将功成り万骨枯る」世界はない。ふつうの映画は監督中心とはいえ撮影・美術・照明など各パートが「自分」を持って仕事をしている。どう見てもそれとは違うような
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トレスはいかん模写もいかん参考にするのもいかん、たとえ権利フリーのものでもいかん、街角でのスケッチや人間観察さえいかんということになって、どうやら漫画家・イラストレーター諸氏は脳内に3Dモデルを持たなければいけないらしいが、でもそれに取らせるポーズが前例皆無なんてありえないのでは
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小説本のアニメ絵・漫画絵表紙の悪口を言ってほしくないのは、あれもれっきとした闘争で獲得した小説家の権利なんですよ。ソノラマ文庫でさえ最初は拒否されたというし、コバルト文庫も嫌がる編集を「売れなかったら責任を取る」と作家が説得し漫画家さんに依頼したという。アダヤオロソカにはできない
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長々とRTしてご迷惑かもしれないが、「ドライブ・マイ・カー」についての小峰健二氏のツイート。共感賛同の一方トンチンカンな反応も多い。「日本映画の勝利なんて言ってる人いるんですか?」「映画って勝ち負けなんですか?」「低予算の何がいけないんですか?」――だが、それより怖いことに気づいた。
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そもそも、日本映画が国際水準どころか、世界をリードする作品を連打していたこと。芸術映画から他愛のない、でも愛すべき娯楽映画までが山のように作られていたことを知らない人が多数派らしい。彼らにとっては邦画は最初から低レベルで、だから凋落と感じていない。いや、日本自体への評価が低いのだ
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若いうちに政治はもちろん社会問題に何の関心も持たなかった人が、一定の地位を得て急に発言を求められるようになり、自分にはその資格があると思いこんで口を開けば、およそ結果は見えている。お笑い芸人しかり作家しかりだ。だから若い衆、生煮えでも青臭くてもそれらに触れ、慣れておきなさいよ。
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「小説や漫画の創作は学校で教えられるか」という論議があって、毎度否定派が勝つんだけど、何せ日本では音楽や美術の学校はあっても演劇アカデミー一つない。こういう「××は学校で教わるものではない」という考えに固執してると「教えられるトコトンまでは学校で教えるよ」という国に引き離されるだけ
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「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」という格言?の後半はそもそも捏造だし、これぐらい日本の凋落を感じさせる言葉はないのでたまらなく嫌なのだが、検索してみたら「深い」だの「感動した」「付け加えた人えらい」というのばかり出てきたので、何かどうでもよくなりました>RT
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前も書いたけど、「銀河鉄道999」の劇場版(どれのときかは不明)の脚本家が、シナリオ雑誌で松本零士氏の原作にむき出しの侮蔑を述べていて、相手の目に触れる可能性に気づかない愚かさと邦画人の傲慢ぶりに呆れた。そりゃ原作への敬意なんかないでしょうよ。
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人の怒りのスイッチはとんでもないところに隠れており、僕も例外ではない。最近もそのせいでせっかく得た友人に突っかかったりしたので。僕の場合デビュー初期に受けた仕打ちから来る極端な猜疑心と攻撃性があるが、もう一つ「絵」に関するコンプレックスがある。そこを上手な人に刺激されるとヤバい。
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これは良いまとめ。不滅のエンタメって本当にヒョコッと誕生するのだなと。ひたすら面白いことの尊さ、「いい奴ら」の活躍を見る楽しさ。後の創り手への影響はたぶん絶大→金曜ロードショーで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を初めて観た人の感想 - Togetter togetter.com/li/1541691 @togetter_jp
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タレントの誰かが「日本はまだまだいける。だって黒沢明を生んだ国ですよ?」と言って、過去の栄光にすがるにもほどがあると笑われたそうだが、過去に栄光があったことすら知らなければ、もっといいものが作れるはずだとも思わないし、そもそも作ろうとも思わないよねえ。
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日本人の役は日本人に演じさせるというポリティカルコレクトネスによって作品の品質は向上するという意見を見たが、「大阪人の役を大阪弁がしゃべれるだけのお笑い芸人にやらせた結果、レベルが地におちた映画・ドラマ」を山のように見たことからすると、とうてい承服できませぬな。
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いま放送中の「ドリーム」に「私たちのアポロ計画」と副題を付け、結局「マーキュリー計画」とは改めず、結果的にわけのわからない邦題になった件を、「大怪獣のあとしまつ」のプロデューサー・インタビューで思い出すなど。どちらも本邦映画関係者の観客への底なしの侮蔑を感じさせる点で。
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もう疲れたから言わないけど、少年少女向けの冒険探偵小説や伝奇時代小説が消滅した時代に育った人たち(僕からしてそうだが)には、そもそもそういうものがあったことを知らないから、いくら「将来のお客さんのために子供向けエンタメを出そう」と言っても通じないんです。そういう概念がないんだから twitter.com/ashibetaku/sta…
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ライトノベルと純文学だか一般文芸だかの比較論が持ち上がっていたようだが、中高生の学校への行き帰りの気鬱を払う以上の意義は読書になく、その役目さえ果たせれば高尚だろうが低俗だろうが優れた文学なんである。
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「異世界ファンタジーで日本語特有の表現が出てくるのはおかしい問題」、僕らもつい文句というよりツッコミを入れたくなるが、小説は痩せ細らせるようなことはやめた方がいいと、「事実」を振りかざしたマウンティングに悩まされてきたミステリ者としては思う。ほんとにすぐわいて出るんですよ。
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鬼滅の刃は僕もよく知らないのだが、主人公の妹がくわえてる竹を「巻物」と誤解した人が多いと聞いて逆にホッとした。つまり妖術使いが巻物くわえてドロンドロン、が継承されてるということでしょ? 今、日本人の中から「言葉」と「物語」が凄い勢いで消えて行っているが、何とか踏みとどまってほしい
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ライトノベルの定義について、はるか離れた地から言わせてもらうと、ジャンルの定義が困難であり危険かもと思うのは、「大衆文芸」も「探偵小説」も「SF」も、最初は「何やってもいいし才能は来るもの拒まずのオモシロ小説」として始まるので定義しようがないということですな、そして、そのあとは