芦辺 拓(@ashibetaku)さんの人気ツイート(古い順)

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「少女漫画でフランス革命なんて」に始まり「1920年代のアメリカなんて読みたい人はいない」「60年代冷戦風世界でのシットコム、何一つ今の読者は知りませんよ」「鎌倉時代が舞台? やっぱり幕末戦国でなくっちゃ」と編集者が作家に言うのはいいんだ。だが、作家が作家に言ってはいけない。自戒したい
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「そんなもの書いてもダメ」「こんな舞台/アイテム/人物は出してはいけない」――こんな“助言”のせいで壊された世界の廃墟や、生み出されたまま放棄された人物たちが僕の脳内には蠢いている。その責任は差し出口に耳を傾けた僕自身にある。これはかなりキツいのでプロアマのみなさんともお勧めしない。
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トリックのパクリが話題になっていて何かと思うが、「凍ったor硬い食べ物でブン殴ったあと、食べて凶器を隠滅する」作品でアンソロジーが作れないかと思った。確か松本清張のは寒中に晒してカチカチになった餅で殴り殺したあと、切り刻んで大鍋で雑煮だかぜんざいにしてみんなに食わせるというのだった
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何でもかんでも相対化と逆張り、正義を疑え、地獄への道は善意で舗装されている、宗教団体と政治が結びついても必ずしも悪いと言えないナー的論議に飽き飽きしたので、もうこれからは堂々と臆せず照れずに「正義の味方」「善の組織」を書こうと思う。フィクションの中でぐらい後ろ暗さ抜きで悪を叩けよ
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笹川良一が好々爺然としてCMに出まくったのと、竹村健一が今でいう逆張り論客として売り出し始めたころ、こちらは中高生だからつい好感を抱きかけた。そしたら周囲の大人たちが「あいつはあかん」と猛烈に叱ってくれた。今では感謝してる。僕らはちょっと怠ってきたな、ウザがられるのを恐れて。
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こうなることはわかっていて、こうなつたところで何とも感じていない人々。先日の、五輪反対世論に苦しめられたが、自分たちの努力で克服したと言わんばかりのアスリートたちのインタビューを思い出す。 新型コロナ『第5波』のデルタ株 亜種が東京五輪を通じて世界に拡散か news.tv-asahi.co.jp/news_society/a…
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ここ十数年、不思議でならないのは、いつのまに「自分は保守派だ」と名乗ることが、何かちょっと胸を張って威張れる感じになったかということ。あと、テロを憂うる辻元清美氏にニコ生民が浴びせた嘲罵のように「野党はいくら馬鹿にしてもかまわない」風潮がいつできたのか。かつては全くないことだった
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かつてある大物芸人が政治や世相について語り、評価された。すると今度は「芸人として大物になったら、政治や世相を語るもの」という慣例ができてしまった。かくて興味も識見もないのに場だけ与えられ、トンチンカンなことを語り、世を誤るはめになる。もうやめてはどうですか news.yahoo.co.jp/articles/eab04…
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これは本当にそうなんです。「初心者は際限なく人物を出して収拾がつかなくなるから絞った方がよい」が「登場人物が多いのはダメ」にされてしまう。そんな解釈が書き手を縛り、苦しめることがあるんだよ。僕なんかも未知のジャンルを書く前に差し出口に耳を貸したせいで、作品とキャラがまるごと死んだ twitter.com/wantan_tabetai…
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何しろ「蟹工船」の作者が蟹工船に乗ったことがないと非難される昨今ですから、僕らも近所で密室殺人が起きるたんびにこんなカバンを引っ提げて駆けつけたもんですよ。 twitter.com/MintoTsukino/s…
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これ、白人は「美しく描かれたキャラクターことに主人公を、自動的に自分たち白色人種を描いたものだと決めつける」というだけのことでは。とにかくこの図はいまだに流通しているので、描いた奴を詰めないとな。 twitter.com/tigersharkNY/s…
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若い人、それも作家が「そもそも80円やそこらで東京から大阪に翌日に郵便が届く方がおかしかったんだ」と言い出したのに愕然としました。何もかもが贅沢、多くを望むな、お上の恩恵に感謝しろ――それをおかしいと思う僕は、きっと左巻きの老害なんでしょう。 twitter.com/ishikitokihiko…
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ナンブ寛永さん@kan_ei_senが入手された戦後すぐの「サザエさん」の断片なんだけど、戦前の豊かな時代を体験したサザエと、戦時下の耐乏生活しか知らないカツオの落差がおかしいより怖い。「国が国民のために金を使うのは当たり前」と考えるサザエと「とんでもない、それは甘えだ」というカツオたちと
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『ドグラ・マグラ』に「正木博士は羊羹色の紋付羽織(略)という村長然たる扮装」」とあるように、これは服地の色として使われてきた表現。微妙な色彩の訳語として使ったのは先人の知恵で、むげに排除するのは、日本語の連続性を断ち切ることになるし、「西洋にない」から排除というのは狭量では。 twitter.com/Cristoforou/st…
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こういう小理屈で、日本語からものすごい勢いで語彙が消されてゆく。街角の素人臭かったり素人はだしだったりした絵看板などが「いらすとや」一色になったようなことを日本語でやられてはたまったものではない。これに迎合する翻訳者らしき人間がいるのも不愉快。
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いや、だって一応は作家としてキャリアのある僕が、「ガンダムは見てない」と言っただけで、満座の中で罵倒され、笑いもんにされたんですぜ(あの三人の名は一生忘れない)。若いもんが必須教養とおびえるのも当然でしょうよ。 twitter.com/kasai_sinya/st…
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なので、僕も初期ラブライバー(当時はラブライ部員と申しました)の人たちと知り合ったとき、「ファーストガンダムだけ押えとけばいいから、劇場版のディスク3枚だけ見ときましょう」と教えてもらいました。
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あるジャンルの編集氏と話したのですが、出す側はこのままではいけないと新しい才能の発掘や伝統の復活を試みているが、主力購買層である読者の保守性にことごとくはねつけられて、数字を出せない。そこに「ほどほど」を続けなくてはならない苦悩がある。が、大変動はいずれ来るのです。新本格のように
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これは漫画の世界で言う「デッサン」を重要視し、「カメラのレンズ」を意識し、それに近づこうとする描画法からは絶対に生まれてこない「漫画絵」。新聞記事や論文の文章では小説が書けないように、漫画を成り立たせるものは一般的な意味での「絵」とはやはり違うのではないか。 twitter.com/zolge1/status/…
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「スターシップ・トゥルーパーズ」の国策映画みたいな作りが、原作者ハインラインの自尊自衛思想も含めた愛国マッチョイズムへのおちょくりだとアメリカ人には気づかれなかったと聞いて大笑いしたんだけど、まさか日本人であれをマジメに受け取る人がいるなんて、まさか……でも反応見てると確かになぁ twitter.com/BuniNaitoh/sta…
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「目から鱗が落ちる」は聖書の言葉なので時代小説に使ってはならないという指摘が流れてきたが、僕も先人に学んで物語世界にふさわしい言葉選びをしたいと思います。画像は野村胡堂『身代り紋三』より。
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ソウルの事件から明石歩道橋事故を思い出す人がやはり多いし、「金髪(茶髪)の若者が暴れた」という証言が実は嘘だったのが酷かった。しかもその理由が「髪を染めた若者のせいにすれば信じると思った」であり、そのことが処罰の対象にならなかったのがショックだった。嘘がが罪でない国だと思い知った
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漫画アニメ小説や芸能人の発言に政府批判があると不快がる人たちは…… 昔、新本格を売り出すとき、それまでノベルスに惰性的についていたイラストを廃止したんですよ。そしたら今度はミステリに挿絵がついてると怒りだす人たちが爆誕したのです つまり「知らない」「慣れてない」だけのことなんです
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だから昔のようにバンバン世相批評とか入れていけばいい。そのうちそれが常識になります。 そもそもは「社会問題をマジメに考えるのはダサい、不正に目をつぶり、利権に群がれるオレかっこいい」という時代が続いたせいで、やはり80年代文化はクソ。
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かりに僕が上司で、部下に兼業作家がいたら徹底的にしごき抜きますし、人事なら絶対に小説が書けないような部署に異動させますね。勤務中にほかのことを考えている人間は要らないからです。軽々に兼業作家をすすめる人は「会社」というものを知らないんだと思います。それでもあえてやるなら、お覚悟を