RANGER(@narcissina)さんの人気ツイート(古い順)

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佐渡の農薬削減の歴史は以下です。 2008年:トキ放鳥!水稲栽培農薬3割低減が出荷要件。 2012年:農薬5割低減が出荷要件化、ネオニコの9割自主削減。トキの繁殖初成功! 2018年:ネオニコの不使用が出荷要件に。 島民が一丸となって地域の出荷要件を引き上げてきたことが佐渡のスゴいところです。
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鳥に餌を与えてもいいのか? について、まずは悪影響を認識し、できるだけ控えることが基本です。 その理由は ①感染症の伝播 ②鳥の生態を変えてしまう ③不適切な餌により疾病を引き起こす ④餌付けによる生態系の構成の変化 ⑤食べ残しや生餌による環境汚染・攪乱 などがあります。 (1/17)
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①感染症の伝播 衝撃的な事例として、2005年にイギリスで餌台を介してハトからアオカラワヒワにトリコモナス症が伝播しました。その結果、カワラヒワの個体数は10年で66%も減少してしまいました。身近な鳥が本当にあっという間に絶滅危惧種になっています。(2/17) royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rs…
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また、餌台を介した感染症による鳥類の大量死は世界中でたびたび起きています。たとえば日本国内では2005年度や2008年度の冬期に北海道でサルモネラ感染症によるスズメの大量死が発生しています。(3/17) jstage.jst.go.jp/article/jjzwm/…
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2010年以降、ツルの給餌を行っている鹿児島県出水市では高病原性鳥インフルエンザがたびたび発生して野鳥が死亡していることも報道されている通りです。 本来それほど集合しないはずの鳥を人間が給餌によって集めたことによって、感染症が種間や種内で広がってしてしまう可能性があるのです。 4/17
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②鳥の生態を変えてしまう 餌付けは鳥の分布や生態を変えます。例えば、ズグロムシクイでは冬に餌付けをもとめるものと求めないもので渡りのルートが二つにわかれ、分化が生じています。 餌付けによって「鳥が人に依存する進化」を起こしてしまっているのです。(6/17) bird-research.jp/1_newsletter/d…
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③不適切な餌により疾病を引き起こす 人が与える餌は鳥の本来の餌ではないため、鳥を危険に陥れるリスクがあります。 例えば、ハクチョウがパンを喉に詰まらせて死亡する事例が複数報告されています。実はパンを上げるのは危険な行為なのです。(9/17) tml.co.jp/jswan/kaishi/3…
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また、偏った餌を給餌し続けることで様々な悪影響が生じます。たとえば、翼が反転し、飛べなくなってしまう奇形が発生します。これは「エンゼルウィング」と呼ばれ、水鳥から猛禽類まで様々な鳥で報告されています。 ちなみにトキもなります。(10/17) en.wikipedia.org/wiki/Angel_win…
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あまり知られていない事実としては、ヒマワリの種を鳥に与えすぎると酸化ストレスによって精子に奇形が生じることが報告されています。 「小鳥に種をあげるくらいなら大丈夫」ということでもありません。(11/17) onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.111…
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また、本来淡水魚を食べる鳥に海水魚を与えることでアニサキス症が生じて、鳥が死亡する場合があります。これは佐渡の日本産トキが有名です。 鳥はお腹がすけばなんでも食べようとすることが多いですが、実はそれによって苦しんだり、死んでしまっている場合もあるのです。 (12/17)
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鳥への給餌は、希少種を絶滅から救うための時間稼ぎとして行われる場合もあり、どうしても様々な側面がありますが、まずはこうしたリスクをきちんと認識して個々の餌付けを見直すことが必要だと思っています。(17/17)
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今週、佐渡では「トキが繁殖にむけて黒くなった!」というニュースが流れました。トキの羽色変化は本当にスゴいことなので今年も解説します。 (1/)
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トキの羽は毎年12月下旬ごろから2月頃にかけて墨をつけるように徐々に黒くなります。この羽毛の色の変化は「化粧色」と呼ばれます。 普通の鳥は年に1、2回程度羽が抜け替わる「換羽」によって色が変わりますが、トキはまさに化粧のように羽に物質を塗りつけることで色が変わります。(2/)
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トキは喉や首から剥がれた皮膚(フケのようなもの)を塗りつける事によって黒く染まります。 なんと、これは世界で唯一トキだけで確認されている特殊な生態です。この時期の佐渡ではゴシゴシ羽を染めるトキが見られますが、実は世界で唯一の変な行動なのです。(3/) twitter.com/i/status/12406…
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ちなみに化粧色は様々な鳥で報告されています。ヒゲワシが酸化鉄を塗りつけたり、ライチョウが土を塗りつけたり、サギが粉綿羽を塗りつけたりします。しかし、トキと同じ変化をする鳥は1種もいません! スゴイぞトキ! (4/9) journals.uchicago.edu/doi/abs/10.108…
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では、トキはなぜ化粧をするのか? これは繁殖可能であることを示す信号、優良な遺伝子を持っている事の信号といった機能があるとされます。もしかすると巣にいる際の保護色でもあるかもしれません。(5/9) besjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.11…
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つまりトキは黒くなる事で、自分の魅力を異性にアピールしているわけです。 このため、親子のトキを一緒に飼育している場合、子が黒くなると親が子を追い回し始めます。我が子だろうと黒くなれば"恋のライバル"になってしまうようです。 (6/9)
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ちなみに、トキの首回りの羽は効率的に黒く染まるように進化しているため、撥水性が犠牲になっているような気がします。 雨に濡れるとビシャビシャになって、情けない感じです。でも、そんな不利益があっても黒いことがトキの社会では重要なのでしょう。(7/9)
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そんな世にも稀なトキの「黒い化粧」ですが、残念ながら人間には不人気のようです。 世の中にはトキのグッズやマスコットがたくさんありますが、黒いトキが登場することはほぼありません。黒いトキもカッコいいので、ぜひもう少し知られてほしいと思います。 (8/9)
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佐渡島民にとっては本格的な冬を告げるトキの羽色変化。こういう事を知っているとトキ観察もより楽しくなるので、真冬の佐渡にお越しの際はぜひ黒いトキを探してみてください。 (9/9)
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猫による捕食は野鳥を死亡させる最大の要因の一つです。猫のためにも鳥のためにも、猫は室内飼いをしましょう。 fws.gov/birds/bird-ent…
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環境省の公募、もしかしてトキ、ライチョウ、イヌワシとも応募がなくて再公募なのか。 専門家を使い捨てる任期付き雇用は破綻していることがよくわかるような気がする。どれも長い年月を要する活動なのだから、安定して保全へ取組んでいただける仕事を増やすことが必要ですよ。
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公衆衛生を軽視すると不幸な動物がより増えるので、一部の個体と飼い主のために特例適用というのはかなりマズいだろうと思います。 そもそも潜伏期間が180日弱だから180日隔離するのでしょうし。狂犬病は致死率100%ですし。 sankei.com/article/202204… @Sankei_newsから
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利尻昆布とウミネコの件、研究者から公式コメントが出ていました。残念ながら、鳥獣保護法違反の捕殺が実際に行われているようです。 研究者がこんなコメントを出さなければいけないほどの状況が日本で放置されている事は、本当に異常だと思います。
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日本で繁殖するウミネコは過去36年間で65%減少していると推定されています。とくに2000年代後半からの減少速度は信じられないほど急速であり、日本で最も急速に減少している海鳥と言えそうです。 そのため、駆除ではなく防除を中心に共生を考えることが必要です。 cambridge.org/core/journals/…