伊達きよ(@kiyokiyomaroro)さんの人気ツイート(いいね順)

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あるところに狐がいました。狐は嘘つきではありませんでしたが、狐の父親は嘘つきでした。嘘をついて村の皆からお金を騙し取り、それを持って逃げました。小狐一匹だけを置いて。 村の人は残された小狐を責めました。小狐は昨日まで親切だった村の人達がとても冷たく尖った言葉をぶつけてくるので
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ドラゴン族に嫁に行くことになったけど、閉鎖的で人間の生態をよく知らないドラゴンたちに囲まれてなんか色々困ってる人間くん。歳を聞かれて「二十だ」って答えると「赤ちゃんじゃん!」ってざわざわ。夫になるドラゴンも「いや、さすがにこないだ生まれたばかりの子を嫁に貰うわけには…」って
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「一回だけ抱いて欲しい」って受けがお願いしてさ。基本的に来るもの拒まない攻めは「うーん?」って思いながらも今まで親友だと思ってきた受けを抱いてあげる。それがあまりにもしっくりくるもんだから「いい感じだし、またしようよ」って言っちゃう。と受けが真っ直ぐな目をして「じゃあ恋人になり
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「お前に必要なものは全部俺が買ってやる」ってカードチラつかせながら恋人の買い物にむりくりくっついて来たはいいものの、1軒目が早速カード使えない店(商店街のお豆腐屋さん)でしょんぼり顔するスパダリ好き。続く2軒目3軒目(八百屋、精肉店)でもそんな感じで「なー!カード使える店行こうよ
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に、彼の耳にもそんなふうに聞こえていたらいいなと思いながら、狐は「ありがとう」ともう一度伝えました。 狐の耳には、ちりちりと可愛い鈴の音が、いつまでもいつまでも、途切れることなく響いていました。 終わり
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夫ドラゴンは青ざめて震えながら「死ぬな…」って人間をぎゅっと抱っこする。「いやだから後四十年くらいは生きるから…」って言うけど、「四十年…!!!」って余計泣かせるだけ。ドラゴン族みんなで人間嫁の寿命を伸ばす方法探しが始まる。
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言い出して。いやいやいや人間の世界では敵年齢だからって必死に説得して、そのついでに「六十になる前には死ぬから」って漏らしたら「死ぬのぉ〜〜!?!?」ってまた騒然とする。ドラゴンからとったら六十なんてまだまだ子供。周りのドラゴンたちは急に「長生きさせなきゃ」ってわいわいしだすし、
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基本的に誘われれば誰でも抱いてあげる、顔はいいけど風船より軽い男。でも誰とも付き合う気はない。ある日、長年の友達の友達くらいの立ち位置と思っていた真面目で大人しそうな男に「抱いて欲しい」と言われて驚く…けど、まぁよくあることなので「いいよ〜」って抱いてあげて。けど慣れてる感じじゃ
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人間の嫁が来るぞ!ってことで付け焼き刃の知識で歓迎会とかすることになって。「肉は生では食わんらしいぞ」「じゃあどうやって食うんだ?」「なんと、焼くらしい…!」「えー!うっそー!」みたいなやり取りがある。んで、火を吐く系のドラゴンが「いくぞ?いくぞ?」ってちりちり小さい炎を出して twitter.com/kiyokiyomaroro…
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行こうよ行こうよ〜」って散々駄々こねてようやく連れて行ってもらったドラッグストアで洗剤の詰め替えとトイレットペーパーをカードで買う。ほくほく顔でトイレットペーパー(2倍巻)を抱えるスパダリを見て「かわいいな」って思う堅実な恋人。お礼にロールキャベツ(肉と豆腐1:2)をご馳走してあげる。
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未亡人のお父さんが美人で儚げで蠱惑的すぎて、連れてくる彼氏みんなそっちに行っちゃう男の子かわいそう。夏のある日、彼氏を連れて家に帰ると薄着で水やりしていたお父さんが「あ…〇〇のお友達?」って振り返って。きらきらと飛び散る水とどこか儚いその笑顔に虜になる彼氏。二日後に「ごめん…、
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浮かぶのは「恋人になりたい」って言った時のあの真っ直ぐな目。 数年後、風の噂で海外のとある場所で見かけたって聞いて、居ても立っても居られず探しに行く。真っ直ぐなあの目に、ちゃんと真っ直ぐな気持ちで答えるために。
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#創作BL 「俺って恋したことないんだよね」って言ったら「はぁ?」「恋は知らないけど性欲はある、と」「こわ。絶妙に会話が噛み合わないモンスターみてぇ」って友達に言われる感じのヤリチン大学生くん。ほんとに恋したことないし。えっちは恋じゃないし。恋してなくてもできるし。って拗ねてる。
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#創作BL 妥協で付き合ってる同士(「男を好きな奴周りにそうおらんし、俺らで付き合う?」「あー…うん」みたいな始まり)だったのに付き合っていくうちに片方が「やばい。こいつのことほんとに好きになってる。好きってかもう好きすぎる。愛してる」ってなって、でも相手はあくまで妥協で付き合ってる
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#創作BL いつもくっついてくる同級生くんがいてさ。俺好かれてるなぁ〜って思ってたら家の人(お金持ち)が準備した、金で雇われたボディガードだったってやつ。毎日一緒に登下校したのも、テスト勉強見てくれたのも、「俺キスしたことない。練習させてよ」って言ったらほんとにキスしてくれたのも、
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悲しくなりました。けれど、自分の父が「悪いこと」をしたというのもなんとなくわかっていたので、文句は言いませんでした。 行くところもなく、狐はその村の外れにある荒屋に住み続けました。村の人はいい顔はしませんでしたが、面と向かって出ていけともいいませんでした。狐はひとりぼっちでした。
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十年が経ちました。 狐は一度も悪いことをせず、むしろ人が困っていたら手を貸し力を貸し、村のために尽くしてきました。しかし、どんなにいいことをしても「所詮は狐の子供だから」の一言でいいことを無かったことにされました。狐の父の罪は狐の罪ではない、と思いましたが、それを狐が言うべきでは
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「ありがとう」と言いました。狐は全身の毛が逆立つのを肌で感じました。それはおよそ10年ぶりに聞いた、混じり気のない「ありがとう」でした。その黒くて小さな命が愛らしくてかわいくて、狐は黒猫をソッと抱き上げてその腹に頬を寄せました。そして「どういたしまして」と答えました。
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どうしてだか、涙が後から後から溢れて止まらず、狐は黒猫に見えないようにこっそりと涙を流し続けました。 続く。
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困らせて悪かったな」って。別に、恋人になってやってもいいのになぁ〜まぁ体の相性はいいんだし、また機会はあるだろ…ってふわふわした気持ちで寝て、目を覚ましたら受けはもうどこにもいなかったって話。 これまで友達として長い時間を過ごしてきて、色んな顔を見てきたはずなのに、思い返すと
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たい、って言ったら?」って言って。思わず一瞬、ほんの一瞬だけど言葉に詰まってから「いや。まー…、うん、それもいいかも?」って言ってるうちに本当にそれがいい考えの気がして。「じゃあほんとに付き合っちゃう?」って半ば冗談っぽく言ったら、受けは優しく笑って「ううん」って言う。「大丈夫、
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ないということもわかっていました。狐は人の顔色を伺うのが得意になっていました。 そんなある日、狐は川で小さな籠を拾いました。中を覗いてみると小さな黒いものが入っていました。黒い、猫のようです。狐は家に帰ってミルクを温めてやりました。黒猫は目を閉じたまますんすんと鼻を鳴らしミルクを
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村人は突然現れた黒猫を見て嫌そうな顔をしましたが、目の見えない黒猫にはその顔は見えません。狐は堂々と黒猫を育てました。黒猫さえ嫌な思いをしないのであれば、それでいいと思っていました。 黒猫はとても行儀のいい子でした。食べ方寝方歩き方、そのどれもが上品で、狐はその動きひとつひとつに
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見惚れました。なんて美しい子だろう、なんて可愛い子だろう、狐はいつもそう言って黒猫の額を舐めました。黒猫はくすぐったそうにそれを受け入れて「きっとあなたが育ててくれているからです」と答えました。黒猫はたいそう狐に懐いていました。 狐は黒猫がどこにいってもわかるように、とその首に鈴
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求めました。が、それがそれがどこにあるのかよくわかっていないようでした。どうやら目が見えないらしいのです。狐は自らの指先にミルクを垂らし、黒猫の口元に持っていってやりました。黒猫はちうちうと狐の指先を吸いました。そして、皿いっぱいにあったミルクを全て飲み干した頃、小さな小さな声で