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ラダック地方では、ほぼ毎年のように軍事衝突やテロがどこかで発生しているので、現地の人々はこうした状況に慣れている。例年は隣国パキスタンや地域内のムスリム住民との緊張が主な原因だったが、今回は中国が相手だというのがこれまでと違うところ。
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それでも、こうした突発的な軍事衝突に対しては「お互いに一歩も引かない姿勢」を見せて、国内世論から「弱腰」との批判を受けないようにしつつも、どこかで妥協点を探って、これ以上の緊張を避けるんじゃないかと思います。インドも中国もこれが戦争に発展することは望んでいないだろうから。
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ラダック地方の南にあるスピティ谷も、辺境バイク旅を愛する者には特別な場所だ。ほぼ垂直に切り立った岩山の縁に造られた道路は、まさに「天空の道」と呼ぶにふさわしい浮遊感と恐怖が同時に味わえる道だ。それにしてもよくこんなところに道をつくったものだ。
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インド北部ラダック地方のバイク旅は過酷だ。特にザンスカールへ向かう道はひどい。未舗装のガタガタ道が200km以上も続き、雪解け水が流れる場所を突破しなくてはいけない。ローギアで一気に進まないと立ち往生してしまう危険な場所だ。
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スクーターに4人乗りで登校するのもすごいけど、この状況で教科書を読んでいる女の子もすごい。この集中力、このたくましさ。寸暇を惜しんで勉強する姿に、「インドの二宮金次郎」と呼びたくなった。
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インドのハイウェイでは、ときどき驚くような大型車両と出くわすことがある。これは風力発電用の支柱を運ぶトレーラーだが、積み荷がほどけて倒れてきそうで、ちょっと怖い。あ、左車線を走る逆走バイクですか?これはインドでは誰も気にもしません。
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左側通行で、ちゃんと中央分離帯があるハイウェイなのに、堂々と逆走してくるインドのドライバー。百歩譲って逆走は認めるにしても(←あかんけど)、もうちょっと端っこを走ってくれないかなぁ。ど真ん中を逆走するかね。
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インドでもっともバイク走行の難易度が高い場所はバラナシだろう。迷路のように細く曲がりくねった路地には、人だけでなく、野良牛や野良犬もいるし、ゴミも散乱している。あまりにも複雑に入りくんでいるからグーグルマップさえ役に立たないのだ。この迷宮に迷い込んだら、抜け出すのは大変だ。
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インドの田舎道を走るオート三輪の荷台に、小猿を抱いた少年が座っていた。ちょっと不安げに少年を抱きしめる小猿もかわいいし、隣のおばあさんの座り方もカッコいい。おおらかなインドの素顔を垣間見ることができた。
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インド最大の聖地・バラナシの旧市街を歩いてみよう。ここは五感をダイレクトに刺激する街だ。迷路のように入りくんだ路地裏には、野良牛や野良犬が行き交い、靴磨き職人が座り込み、水を運ぶ人々が歩いている。バラナシはインド庶民の生活のリアリティーが感じられる街だ。
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もし自動車がエンストしたら、レッカー車を呼ぶんじゃなくて、バイクで押してもらうのがインド流。「バイクで押す」って意味がよくわからない人も、この動画を見れば納得できるはず。いやー、インド人の発想って自由ですね。
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バイクで運ばれていくインドの山羊。山羊は性格がとても従順なので、こうしてかなり窮屈な姿勢を取らされても、暴れたりせず大人しく運ばれているのだろう。
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素敵な混沌。インド東部コルカタの街にはそんな言葉がよく似合う。人口密度が異常に高くて、モノや人や荷車やリキシャが狭い道路にひしめき合っているからだ。このカオスな路地裏を誰にもぶつからずに歩くのは、難易度の高いゲームだ。なぜだかワクワクする。
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ミャンマーの街中をサイカーに乗って走るワンちゃん。自転車の横に座席をくっつけた独自の乗り物「サイカー」に乗せられた犬が、大量の竹かごと共に移動していた。移り行く景色を眺める表情がキュートだ。
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ミャンマー第二の街マンダレーにある精肉所。おびただしい数の骨の中で、男が斧を使って牛の骨を砕いていた。取り出した骨髄と脂肪を大きな鍋で煮て、ソーセージや石鹸に加工するという。残酷でグロテスクな場面に見えるかもしれないが、これもまた「いのちを食べる」ということの本質なのだと思う。
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千葉県の山羊が線路沿いの斜面に逃げ込んで戻ってこないというニュース。山羊が持つ「少しでも狭く、少しでも高い場所を好む」という性質ゆえの行動だろう。インドで出会ったこの山羊も、なぜかエンジンの上に立って、居心地良さそうにしていた。断崖絶壁で暮らしていた野生の記憶がそうさせるのか。 twitter.com/nhk_news/statu…
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「マニ車」はチベット仏教のお経を収納した仏具で、一回まわすと中のお経を一回唱えたのと同じ功徳があるとされている。インド北部ラダック地方の村には、珍しい「水力マニ車」があった。小川を流れる水の力でマニ車を回し、自動的に功徳が積めるというなかなか便利なアイテムだ。
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インド北部の辺境ザンスカールをバイクで走っていると、子供たちから「ハイタッチ」を求められる。石ころだらけの道を走りながら、子供たちの手にタッチするのは簡単ではないが、上手くできるとなんだか嬉しい。車もバイクも滅多に通らない辺境の地で、子供たちが生み出した「遊び」なのだろう。
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インド北部ラダック地方の道をバイクで走っていると、奇妙な浮遊感に襲われる。空はあまりにも青く、光はあまりにも透明で、そそり立つ崖には草木一本生えていない。別の惑星に降り立ったような現実離れした風景が、延々と続くのだ。ここもまた地球の一部だということに純粋に驚いてしまう。
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インド北部ラダック地方に広がる現実離れした風景をバイクで進む。一応道路が通っているが、車はまったく走っていない。異世界に迷い込んでしまったようだ。大きく褶曲した地層が、数千万年の時を刻んでいる。これは3Dゲームのテクスチャーマッピングではない。ありのままのリアルな世界だ。
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僕がバイク旅を勧める理由は、ラダックの動画を見ればわかると思う。自動車でも同じ場所を走ることは可能だが、ガラス一枚隔てるだけで、風景との「一体感」がまるで違う。バイクは無防備で剥き出し。だから風も光も直接身体に「突き刺さってくる」感じなのだ。リスクはあるけど、素敵じゃない?
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インドの「人力観覧車」はヤバすぎる。危険を顧みない男たちが、命綱もなしに足で踏んで観覧車のホイールを回しているのだ。回転速度は速くて、のんびりと景色を眺めている余裕はない。絶叫マシーンに近いアトラクションだ。ちなみに料金は1人2ルピー(4円)と激安だった。あなたは乗りたいですか?
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インドの「人力観覧車」に実際に乗ってみた。男たちがホイールの中に入って足で漕ぐ、世にも奇妙な人力観覧車の客席からの眺め。最初はゆっくりと、徐々に速くなり、最後には絶叫マシーンへと変わる様子がわかる。動画を見ているだけでも乗り物酔いしそうだ。