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Foreign Affairs Report の今月号のパンデミック記事を読んでいたらこんな文章に出会いました。「高所得国の数百万人がすでにワクチン接種を受けているかもしれないが、多くの低所得国、中所得国の民衆はまだ1回の接種も受けていない」。「世界のワクチン接種の75%は10カ国に集中している」
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ワクチン接種が進んでいない国は変異株に対して「特に脆弱な状態に置かれている」ので、「高所得国が集団免疫が近づいた」あとも変異株を生み出し続け、世界にとってのリスクファクターになるだろうという見通しでした。日本の話をしているみたいです。
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なぜ自分たちの生活基盤を掘り崩すような破滅的な政策を続ける政治家を有権者たちは支持するのか?この問いは西谷さんとの間でも話題になりました。彼らの能力や、誠実さや、政策の成否について有権者がまったく知らないということはあり得ません。それでも他の政治家より好ましいと思う根拠は・・・
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「立場上しなければいけないこと、言わなければいけないこと」と「私人としてしたいこと、言いたいこと」の間の不整合に苦しみ、葛藤することが市民的成熟の指標であり、大人であることの徴だという社会的常識が失われたからかも知れません。
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二階幹事長の「五輪中止」発言。首相が訪米してバイデン大統領に「もう止めたら?」と言われたら止めるしかないので、「心の準備」のための予防線を張っているんだと思います。政府が五輪中止を宣言すると「五輪成功の勢いで」衆院選に雪崩れ込むというプランが使えなくなります。
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こうなると負け幅を減らすためには対中国・対韓国の危機を煽って、排外主義の勢いを借りるしか手がありません。五輪中止発表後の自民党は「中国と韓国が諸悪の根源」キャンペーンに全額張ってくると僕は予測します。
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わが国では「仮定の質問にはお答えできない」という言い訳が公認されています。だから、為政者は「仮定」をしません。仮定さえしなければ失政の責任を取ることが免ぜられるからです。幹事長はうっかりそのルールを忘れて「仮定」してしまったので党内騒然となったのでした。
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ワクチン100人当たりの接種者数で日本は1.7人。世界116位。ベラルーシよりボツワナよりラオスよりミャンマーより下です。もちろん先進国最下位。この不手際について、日本政府は国民に対してまず「段取り悪くてすみません」と一言謝罪があるべきではないでしょうか。
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もし「やるべきことを、手順通りにやったらこの結果でした」というのでしたら、日本政府の実務能力は世界100位以下だということになります。まあ、それくらいなのかも知れないですね。
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東京では人出を抑制するために午後8時以降の消灯(店頭の看板やネオンなど)を要請とのこと。「欲しがりません勝つまでは」ステッカーの街頭配布もたぶん企画会議で誰か出したんじゃないかな。
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ニューヨーク市では有資格者はアポなしで市が運営するサイトでワクチンが受けられるんですって。文明国っていいなあ。😭 twitter.com/nytimes/status…
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輸入ワクチンの在庫はすでに十分にあるのだけれども、接種する仕組みが整備されていないというニュースを読みました。どうしてこういうことについて情報開示を政府は積極的にしないのでしょうか。「何が起きているか」を開示して、「こう対処している」と告知するのが公的機関の務めだと思うけれど。
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合理的に推論すると「ほんとうは何が起きているか、それにどう対処しているかを明らかにすると内閣支持率が下がる」からだと思います。「違う」としたら理由を教えて欲しい。まさか特定秘密に指定されているわけじゃないでしょうし。
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国内のコロナ死者が1万人を超えました。これからもさらに増える予想です。最初の死者が確認されてから1年で5000人、その後3か月で5000人というペースでした。人口当たり死者数は韓国の2倍、中国の22倍。
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政府はどう対処する気なのかまったくわかりません。首相は「一日もはやく収束させる」と願望は語っていますが、「いつまでに、何を達成するのか」という数値目標は決して開示しません。目標を示さなければ成否の判定ができないからです。「やるだけやった」で許してもらうつもりでいるのでしょう。
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どうしてこんな大事な数字を政府が間違えるということがあり得るんでしょう?いま政府が発表する数字の中で最も注目度の高い数字であり、かつ政府の能力の指標でもある数字なんですよ。それを「わざわざ高めに間違える」とは・・・ twitter.com/karyn_nishi/st…
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インタビューだん。政局について。内閣は感染をある程度抑えておいて、五輪は「絶対にやる」と宣言しながら解散総選挙に流れ込むつもりだったけれど、感染は拡大し、五輪中止宣言のタイムリミットは切迫し、もう解散のタイミングは失われたというのが僕の見立てです。
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どうしていいか分からずにだらだらしているうちに解散総選挙のタイムリミットを迎える。起死回生の秘策が「改憲して、緊急事態を発動して行政府独裁と私権の全面的な制限」を前面に押し出した「安倍再々登板」。これがたぶん「一番負けが少ない」と判断した自民党議員たちが安倍を担ぐんです。
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自民党がいまになって「改憲」を急ぎ、維新が「私権制限」を言い出しました。感染症対策の起死回生の策は自民党改憲草案にある「緊急事態宣言による行政府独裁」であると国民に信じさせようとする強い意図を感じます。
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市民が私権制限を受け入れるのは「公共の福祉を配慮することで得られる利益」が「行動の自由がもたらす利益」よりも大きいと判断した場合に限られます。近代市民社会では「私権制限」は市民が「自己利益の安定的確保のために」自主的に提案する。それが基本です。
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でも、いまの状況は違います。行政の無策のせいで、公衆衛生的に安全な環境の回復の見通しが立たないことにいら立った市民が「行動の自由や経済活動の自由がもたらす自己利益」をいつ得られるか当てにならない利益のために犠牲にしたくないと思い始めた。
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無能な行政への不信が理由で起きている事態を行政への権限集中で解決しようとしている。論理的にあり得ないことです。私権制限を言うなら「行政に任せておいた方が個人的に生き延びる工夫をするより利益が大きい」という確証を市民に扶植する努力から始めるべきでしょう。
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最悪の選択は「誰も『五輪中止』を最初に言うリスクを引き受けたくなくて、五者で押し付け合っているうちに時間切れとなり、感染拡大のさ中に五輪がずるずると開催されて、それが国内の医療崩壊と世界的な感染爆発の引き金となり、国際世論に『日本は終わった』と宣告されること」でしょうね。 twitter.com/kei_nakazawa/s…
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菅首相では選挙の看板になりませんので自民党は起死回生の秘策「安倍再々登板」を選びます。選挙公約は「改憲による行政府独裁と市民的自由の制限」ですが、これを歓迎する有権者が意外に多くて、日本国民は進んで民主主義を捨てる瀬戸際まで行く・・・という怖いシナリオをお話ししました。
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