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300頁まで読んで、あとちょっとだった『ブルシットジョブ』読了。いや~、面白かったです。どうして人々は「無意味な仕事」を人に課すことにあれほどの熱意を示すのか、少しだけわかりました。僕は日本の学校教育は「無意味耐性」を強化することを目的にしているのではないかと思っていましたが、
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「システムをシンプルにしたがる人たち」のおかげで「話が早くまとまった」事例を僕は知りません。「大阪都構想」の経緯を見るとよく分かります。「こうすれば無駄がなくなる」という話をまとめるために多年にわたって膨大な手間ひまとお金を無駄にしているんですから。
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だから、貧乏人は「自己責任でそうなったのだから、公的支援を求める権利はない」ということが声高に言われるのです。社会的弱者に自尊感情を絶対に持たせてはならない(持つと異議申し立てを始めるから)というのは統治上の狡知です。
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竹中平蔵が「7万円のベーシックインカム」を言い出したのは「BIというのはお上が下々に施すものである」という気後れを市民の間に刷り込むためです。市民から自尊感情を奪えば、それと一緒に政府に抗う気持ちも失われる。やることが徹底してます。
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東京五輪本気で開催する気なんでしょうか。選手は検査して陰性の人だけ入国させるということができても、観客はどうするんですか。感染が終息していない国からは入国させないという差別化は「五輪の理念」を否定することにはなりませんか。 twitter.com/mas__yamazaki/…
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アナウンサーを名指しして個人攻撃するのってほんとうに卑劣だと思います。こういう人に「公人」を名乗る資格はありません。 twitter.com/akisumitomo/st…
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還暦時点で貯金が300万円以下が3分の1というのは衝撃的なデータ。日本社会の貧困化は急激に進行しているようです。 twitter.com/gaitifuji/stat…
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恫喝の専門家は相手がどれだけ多くても、中の一人にまっすぐ詰め寄って、その一人だけを脅しつけます。周りの人たちは「よかった、自分じゃなかった・・・」とほっとして、犠牲者ひとりを取り残してじりじり後ずさりする。だから「名指しで個人攻撃」は有効なのです。たいした技術です。 twitter.com/levinassien/st…
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「オレに分かるように説明しろ」は論争的ウェポンとして「謝れ」より高度ですね。「謝れ」は「謝りました」という反論が可能ですけれど「説明しました」は「オレにはわからない」で却下できる。論争では相手の言葉の「採否」を査定できる立場を先取りしたものの勝ちなんです。
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政治家でもいますね「論争のうまい人」。相手の主張に正面から反論するのではなく「相手が知らなそうなどうでもいいこと」を質問するんです。相手がそれに答えようとしたら、それで勝ちです。質問して、答えを査定できる立場を先取したものが論争では「勝っているようにみえる」というテクニックです。
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ということは内閣に承認された残り99人の学者たちは「政権にとって無害なのでオッケー」と判定されたということですよね。政権にとって無害であることが学者として優先的な評価項目だということにご本人たちもものすごく腹を立てているんじゃないでしょうか。
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日本学術会議へのこの介入は菅政権の強権的な本質を露呈したものです。これについて日本のすべての学者は「権力との親疎に基づいて学者を格付けすること」に同意するのか反対するのか意思表示をする義務があると僕は思います。
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安倍政権は「権力と親疎に基づいて政治家・官僚・ジャーナリストなどを格付けする」ことで一強体制を築いてきました。その「成功体験」を菅も踏襲したつもりなのでしょう。権力におもねる政治家や官僚や言論人を形容する特別な言葉は存在しません(「茶坊主」とかいう包括的な表現はありますが)。
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でも、学者については存在します。「曲学阿世」というのがそれです。それが学者にとってどれくらい恥ずべき、致命的な呼称であるのか、官邸の諸君はたぶん知らない。
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朝一メールは「学者の会」の佐藤学先生からでした。宇野重規先生は学者の会の呼びかけ人の一人ですし、学者の会の柱である広渡清吾先生が元学術会議会長ですから当然だと思います。「学者の会」はこの問題に全力で取り組みます。
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これほど大事になるとは官邸は予測していなかったと僕も思います。大学人なんか「金を出さんぞ」と脅せば縮み上がるという教育行政での成功体験を過信したのかも知れません。でも、「大学人」は組織の利害を配慮して動きますが、「学者」は個人です。自分の信念に従って動けばいい。 twitter.com/kou_1970/statu…
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安倍政権以来「質問に正しく答えると実際にしたことと齟齬する場合、嘘をつくとばれた時に責任を追及される場合」には「論点をずらして答えない」ということが常態化しました。 twitter.com/shiomura/statu…
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accorder, bon prince, octroyer といった語にこめられた皮肉を日本の新聞記者たちは理解できたでしょうか。「首相の恩恵によって会見をさせていただいている」というポジションに置かれていると思われているんですよ。どうして平気でいられるのかがわからない。 twitter.com/levinassien/st…
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菅首相が記者たち相手に仕掛けているのは「いつ、どこで、何を話すかを決めるのはオレだ」という「誰がボスか」の確認儀礼です。場所と時間と話柄を指定できる方が上位者なのだということを記者たちに刷り込んでいる。前政権との共通点は「三度の飯よりマウンティングが好き」ということです。
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おはようございます。今日はこれから東京へ移動して、前川喜平さん、寺脇研さんとの鼎談第二回目です。当然日本学術会議の話題になると思います。
政権とそのスポークスマンたちが学術会議からの批判の論点をそらそうとしていきなり「金の話」を持ち出したのはきわめて徴候的だと思いました。
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偉そうなことを言っても、学者たちも最終的には「金が欲しい」から学問をしているのである、学術会議は「金を欲しがる団体」なのだというシンプルな物語に落とし込んだら国民の支持が得られると信じているのでしょう。そんな貧しい物語しか思いつかない底の浅さが恥ずかしくならないのかしら。
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AERAに「学問の自由」について書きました。税金を使って研究するなら政府の監督に従えというのは「好きな学問をしたければ公的支援を期待するな」というリバタリアン的な言明に接続します。これってちょっと目には「マッチョ」でかっこいいんですよね。好きなことは一人でやれって。
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でも学術というのは「公共財(common)」なんです。空気や水や森林や海洋と同じように。あるいは社会的インフラや行政や医療や教育と同じように。「それなしでは人間が集団的に生きてゆけないもの」には市場と政治イデオロギーは関与してはいけない。専門家が公的に管理しなければならない。
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日本学術会議の新会員任命拒否に対して政府に撤回を申し入れる声明を発表した学会は現在79だそうです。最終的には200を超える学会が抗議の声明を発する見込みです。
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学問の自由というのは学問の公共性のことです。学的手続きとその成果は「公的なもの(common)」です。共有し、享受する。空気と同じです。「自分で吸う空気は自分で買って吸え」というのは暴論です。空気は個人が手作りできるものじゃないから。学問の自由もそうです。個人が手作りできるものじゃない。