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あわせて、米英の視座からのみで世界を観ることに偏りが生じないように、フランスを代表する外交史家のモーリス・ヴァイス教授の通史を翻訳しました。是非、ロシアのウクライナ侵略の背景をこちらを読んで参考にして頂ければ幸いです。冷戦後のNATO東方拡大の背景が分かる。amazon.co.jp/%E6%88%A6%E5%B…
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ロシアのウクライナ侵略や米中対立など、同じ問題をめぐって米、英、仏、独、中、韓などでメディアがいかに異なる論じ方をしているか。そして、それかいかに日本での報道と異なるか。参考にして頂ければ幸いです。apinitiative.org/global-affairs…
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日本のある特定の新聞だけを毎日読むことで、無意識のうちに育まれた「正義感」や「感情」が絶対的なものとならないよう、世界の多様な主張を知る必要があると思い、国際論壇レビューを毎月書くようにしているのだが、そういった「正義感」に執着する方は、きっと読んでくれないのだろうな。これ。
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『歴史認識とは何か』という拙著の中で、戦前の日本において、国際的な潮流と日本国民の間に巨大な乖離が生じたことが、独善と孤立、暴走に走った一因になったと書いたのだが、80年近く経ってもその「ずれ」が解消していない部分があるのかも。
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もしも、政治家が「嘘をつく」ことが絶対的な悪で、政治家を評価する絶対的な規準であるべきだというのであれば、毎日無数の嘘をついているプーチン大統領を「一方的に悪とみるべきではない」という主張がなぜでてくるのか、分からない。
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国際社会で、何が正義で何が悪か。どのような指導者が評価され、どのような指導者が批判されるのか。そして歴史の中で、これまでさまざまな指導者がどのように評価され、位置づけられてきたのか。そのようなものごとを多角的に観る視座が重要なのではないか、と思います。
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色々考えたが、プーチン大統領を一方的に悪と決めつけるのは間違いだが、安倍元首相を一方的に悪と決めつけないのは間違い、という論理は、どのようにしたら成り立つのか分からない。前者は明白な国際法違反と侵略、殺戮を指示し、世界から非難されている。後者は、世界中から哀悼の意を受けた。
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ラーメン二郎、ジョージア大使から韓国大使まで、どれだけ日本外交に貢献しているんだろうか。すごい。ラーメン外交。 twitter.com/Kim2Yongmin/st…
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不穏な情報。ロシアのウクライナ侵攻が難航していることが、中国の武力統一へのハードルを上げたと指摘されてきましたが、なかなか中国政府の意図は分からないですね。■中国、「ウクライナ」参考に台湾侵攻を模索か CIA長官 a.msn.com/01/ja-jp/AAZNL…
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これを見ると、日本の方がはるかに紳士的な気もしてきました。ボリス・ジョンソン政権は色々なものを破壊したと思いますが、秩序やルールを守るマナーも含まれるのかもしれません。 twitter.com/ReutersJapan/s…
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いま、日本の指導者が「嘘」をついていたことが問題だと、激しい批判を述べる方がおられます。「政治と嘘」の関係は、それ自体が重要なテーマです。それを理解するために、日本政治史がご専門の五百旗頭薫東大教授のこちらの一冊は必読です。 amazon.co.jp/dp/B085RZGV9M/…
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なお政治において人格批判は生産的ではありませんが、政策批判は不可欠です。志位委員長や辻元議員は、安倍元首相の銃殺後は品格ある言葉で哀悼の意を示す一方、現政権の国葬実施という政策決定には異議を示すというのは、政治的立場やイデオロギーは私と異なりますが、優れた姿勢で、敬意を抱きます。
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なので、安倍首相や、自民党政権を罵り、侮蔑し、怒るエネルギーの一部でも、どのようにすれば野党勢力がより良い政策を構想し、より幅広い国民の理解を得て、より政権に近づけるのかのための議論に向けられれば、日本の民主主義の将来の希望につながるはずだと思います。
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安倍首相が選挙で勝ち続けたことよりも、その間に自民党内での不祥事やスキャンダルが見られたことよりも、それにも拘らず国民が野党に政権を託そうとしなかったことを重視すべきだと思います。民主主義が機能するためにはオルターナティブが必要です。そしてそれは幅広い支持に支えられねばならない。
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一部の知識人の方やメディアが、これだけ世界中で高く評価され、世界の指導者たちから温かい哀悼の言葉を受けている安倍元首相を死後も罵り続けていることに、より中立的な国民の方々が疲弊し、うんざりし、場合によっては強い不快感を抱いていることをもっと理解する努力も必要だと感じます。
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ところが、その重みに耐えられず、まずは一年以内に連立政権に加わった社民党が政権から離れました。また民主党は党内抗争で、下野後は政権を失った責任の押し付け合いでますます世論の支持と得票を減らす結果に。そのことが、自民党の緊張感を失わせ、万能感を生み、不祥事の温床にもなる。
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2012年からの10年間、本当に野党の政策構想は最善だったのか。国民の支持を拡大するための努力は十分だったのか。選挙で勝てないのは全て自民党、安倍首相のせいだったのか。有権者の国民は、選挙で常に騙され続ける愚かな存在なのか。「怒り」や「罵りの言葉」よりまず自省が肝要ではないでしょうか。
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英国の労働党、フランスの社会党、ドイツの社民党、米国の民主党は、戦後何度か政権与党を経験し、権力の重みと、制約の中での政策の選択の必要を学んだ。日本の民主党も、2009年に政権与党になった時には、現実的な政策を模索し幅広い国民の支持を目指し、一部成功した。
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吉田茂首相が国会で「バカヤロー」と述べたことや、当時の東大総長を揶揄、批判したことをもって、吉田茂が最悪の首相だとは思いません。またその言葉が人格やマナーの全てだと思いません。当時はあれだけメディや左派系知識人から嫌悪されたのに、今では最も尊敬される首相の一人に選ばれます。
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他方で日本の社会党(社民党)は左右合同以降、70年を超える歴史で結局一度も過半数を取れませんでした。立憲民主党も同様。選挙が全てではありませんが、過半数をとるということは幅広い層からの支持と、現実的な政策構想が不可欠。安倍首相が国政選挙で6回連続勝利をしたのはそれがあったからです。
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最近の政治世界では、何か完璧な欠点のない人間、「聖人」か「神」を求めるような傾向があるのはないでしょうか。あらゆる人間が欠点を持つように、あらゆる指導者も、あらゆる政治にも、欠点はある。自らにもあるように。欠点を受けれ、理解して、その上で公平な評価をすることがますます重要です。
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「他者」を罵り続け、「怒り」の言葉を吐き続けることでは、将来の明るビジョンは生まれない。また、限られた予算と、国民世論の支持と、党内政治力学と、国際環境という制約の中で、誰からも受け入れられる「完璧」な政策はつくれない。「レッサー・イービル」の選択として政治を考える必要がある。
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ブレア元首相も、安倍元首相も、イデオロギーは左右と逆ですが、首相としてはプラグマティズムの中道層に支持を広げて、選挙では勝利を続けた。今日の司会の方の言葉では、1979年から11回の英国総選挙で、ブレア党首以外で労働党は一度も勝利していないと指摘。それほどまでに選挙での勝利は難しい。
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今日のブレア元首相の演説では、多くの人たちが政治を論じる際に、writing anger, not answerと述べて、怒りに満ちた言葉ばかりを吐いて、現代の困難な問題への「解答」を論じようとしないことを批判していました。私もそれに首肯します。怒りは吐けば吐くほど、精神に余裕がなくなる。 twitter.com/iwatekenmin01/…
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今、トニー・ブレア元首相とお話しして、私が日本語でブレア政権の外交について本を書き、賞を頂けたことを伝えて、多くの方に読んで頂いたと伝えたら、笑いながら有難うと肩をたたかれた。緊張して心臓が止まりそうでした。研究対象と話せた喜び。