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子供が「あれが欲しい。これがしたい」と言ってくるのは、わがままや反抗も含めてとてもよいことです。それが強いのは生きる意欲・パワーが強いということ。親にとっては育てにくくて大変ですが、そういう子ほど後々活躍します。逆に、子供が自己主張できない次のような親子は心配です。
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子供が家でだらけるのは当たり前。外でも家でもがんばるのは大人でも無理。家でリラックスできて初めて外でがんばれます。でも、親が強圧的だと子供は家で緊張して過ごし、園や学校で発散することになります。困った先生が親に伝えると、「園・学校の指導が悪い。家ではしっかりやってる」と言われます
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テキパキ行動できる子は生まれつきです。親の指導がよかったわけでも、本人が特にがんばっているわけでもありません。だらしがない子も生まれつきであり、本人のせいでも親のせいでもありません。その証拠に兄弟を同じように育てても全く違ってきます。ですから、親は子供も自分も責めないでください。
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日本の学校は、みんなが同じ時に同じことを一斉におこなう集団主義が大前提に設計されています。でも、既にそういう時代ではなく、完全に時代遅れなのです。不登校が増えているのは、子供たちがそれを教えてくれているのです。教育の個別最適化に本気で取り組まないと、日本に未来はありません。
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子供の愚痴や不満は、まず共感的にたっぷり聞きましょう。励ましやアドバイスはその後です。この順番が大切であり、共感の部分を省くと、子供は「自分の気持ちは聞いてくれない。お説教ばかり」と感じます。そうなると、子供の心は閉じてしまい、親の働きかけは一切受け入れなくなってしまいます。
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「しつけのためなら叩いていい」「お尻なら叩いていい」「後でハグすれば叩いてもいい」「叩かれる痛みを教えるために叩くことも必要」などは、心理学の研究で間違いと判明しています。恐怖をもとにしたしつけや教育は全て有害です。恐怖心の反動は攻撃性であり、恐怖心が強いと攻撃的になります。
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40代のEさんのお話。「小学生の頃ピアノ教室に通っていました。普段、ピアノを弾くのは好きでしたが、その日は全くやる気が出なくていい加減に弾いていました。すると、ピアノの先生が『気の乗らない日もあるよね。先生だってあるもの。そういうとき無理にやると嫌いになるよね』と言いました。そし
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過保護とは、子供が自分でできる状態なのに、そして自分でやりたいと思っているのに、親がやってしまうこと。過干渉とは、子供の気持ちを無視して親がやらせたいことをやらせること。どちらも子供のためになりません。自分で気づかないままそうなっている人が多いので、振り返ってみて欲しいと思います
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親が「あなたのため」と言うときは、ほぼ全て否定的な言葉。今の子供のあり方を肯定できなくて、「今のあなたではダメだ」という内容です。もちろん、親は子供のためと思っているのですが、言われる子供にとっては本当に苦痛。「あなたのため」という言葉がトラウマだという人もいるほどです。
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子供がだらしがないのは親のせいでもなく、その子のせいでもなく、生まれつきです。そして、だらしがない子は、大人もそうですが、創造性が高いとか共感力が高くて癒やし系であるなどの長所を持っていることが多いです。だらしがないことを叱っても直らないので、そこは諦めて長所を伸ばしましょう。
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子供相手にユーモアを発揮できるか否かは、子供をリスペクトしているか否かで決まります。リスペクトしていない場合、命令で済むからユーモアは必要ないわけです。子供にユーモアを発揮できる人は、子供をリスペクトしている人なのです。子供は本能的に相手を見抜き、そういう人が大好きになります。
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本を読む子は自分で伸びます。子供を本好きにする王道は読み聞かせです。理想は毎日おこなうこと。読み聞かせはもう無理という場合は、子供が好きな分野の本から入るといいです。卓球が好きなら、卓球少年物語、有名選手の伝記、卓球の練習法など。家族みんなが一斉に読書する『読書タイム』は効果抜群
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他人の不機嫌に影響を受けて、自分の大切な一日を台無しにするのはやめたいものです。それは相手に支配されたようなものですから。自分の一日は自分の力で最高にいい一日にしましょう。他人の不機嫌に付き合って自分も不機嫌になる必要はありません。自分は上機嫌でいて幸せになりましょう。同じく、自
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自然体験が多いほど子供は伸びます。どんぐり集め。落ち葉の布団。虫取り。里山遊び。砂遊び。泥遊び。植物を育てる。動物と触れあう。こうした体験が豊かになるほど感性と知性の両方が磨かれ、それが芸術的創造や科学的な探究の源にもなります。机上の勉強だけでは限界があります。
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親子遊びで思い切りふざけると、その後は自然に静かな時間がやってきます。この時、脳内でとてもよいことが起きます。大騒ぎしてふざけることで脳の扁桃体が満足し、静かに過ごすときは前頭前野が扁桃体を抑制します。この切り替えの経験をたくさんすると扁桃体と前頭前野をうまく使う力がつき、扁桃体
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掃除は人を幸せにします。体を動かすことで血流がよくなりやる気がわいてきます。身の回りがきれいになって気持ちもすっきり。だから、鬱屈として気分が優れないときはとりあえず掃除をしてみましょう。ただし、やらない人を責めるのはやめておきましょう。実は、これが掃除で幸せになるための必須条件
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6才くらいまでの子育てで最優先なのは、子供の心に安心感と信頼感を育てることです。毎日安らかな気持ちで安心して過ごせて、ママとパパが自分を大切にしてくれると感じられるようにしてあげてください。それが自己肯定感と他者信頼感につながります。しつけや勉強を優先すると大事なところが壊れます
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「子供を大切にする」というなら、育てている親も大切にしてほしいですよね。同時に学校・園・学童の先生も。日本では、政治も行政も世間も「子供は社会の宝」とよく言いますが、そのわりには子育て家庭や子育て世代を大切にしていません。かけ声や精神論でなく実際に予算を回して欲しいです。
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親に叩かれている子は、「自分は親に叩かれるような、その程度の存在に過ぎない」と感じます。そして、自尊感情が傷つき「自分は存在する価値がない」と思い込むようになり、苦しみます。「お尻なら叩いていい」などの場所の問題ではないのです。
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幸せ体質の子にしてあげよう。「私は大切にされてる。愛されてる。私も皆が大好き」「私は存在していいんだ。ありのままの私でいいんだ」「私はけっこういい感じ。私はがんばれる。達成できる」「私は役立ってる。うれしいな」「毎日楽しい。あれもこれもやってみたい」と思えるようにしてあげよう。
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自分を楽にする方法
1,完璧を捨てる。51%主義
2,自分を許す。人も許す
3,人に頼る
4,「まあ、いいか」と言う
5,諦める。受け入れる
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真面目ゆえに子供を苦しめてしまう親の3タイプ
1,自分が完璧主義なので子供にも求めてしまう。
2,仕事や家事でやるべきことを先にやらないと落ち着かないので、子供にも求めてしまう。
3,「人に迷惑をかけたくない。人に後ろ指を指されたくない」という思いが強く、しつけ主義に走ってしまう。
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親は子供より上という意識が強いと「ゲームは1時間!」等の押しつけが増えます。その結果守られず、叱ることが増えて親子の信頼も崩れます。子供を1人の人間としてリスペクトし、共感的で民主的な対話で約束を作れば守られます。また、親にリスペクトされている子は親をリスペクトするようになります
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「朝、親が起こしているといつまでも自分で起きられない。片づけてあげていると、いつまでもできない。自立の妨げだ」。これらは親も子供も苦しめる迷信。自己肯定感を大切にしていれば、いずれそれなりにできるようになるから大丈夫。できないことを叱り続けて自己否定感を植え付ける方が弊害が甚大。
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「抱っこ」と言ったら
「歩けるでしょ」
と言わずに抱っこする
「読んで」と言ったら
読んであげる
これで子供は
親の愛情を実感する