「マスクの使用を継続すると、呼吸の苦しさに慣れてしまうが、脳が慢性的な酸素欠乏の状態になり、脳の退行が進み、神経細胞が失われ、認知症が急増する」などと主張している専門家は大勢どころか、私の把握する範囲内では一人もいません。皆無です。 twitter.com/You3_JP/status…
たまたまのタイミングですが、年齢調整について大須賀覚先生がよい記事を書いています[ なぜ、日本のがん死亡者数はどんどん増えているのか? news.yahoo.co.jp/byline/osukasa…]。がん死亡者数増加の最大原因は高齢化で、正確な死亡率を知るには年齢補正が必要です。
[HPVワクチンが子宮頸がんを増やすというニセ情報を検証してみた natrom.hatenablog.com/entry/2020/08/… ]。現時点において、HPVワクチンが子宮頸がんを増やすとの主張は間違いです。
医学的には不要であるのに、たまに薬を強く希望する患者さんがいらっしゃいます。通常の風邪に対して抗菌薬を処方しろ、インフルエンザの検査が陰性でも念のためタミフル下さい、など。これも医師患者間ギャップの一例です。
「0歳〜3歳の子供に何十本ものワクチンを打たせようとする今のシステムは明らかにおかしい。僕らが子供の頃と、比較にならないくらい打たせてる」のだそうです。ここで日本の乳幼児死亡率の推移のグラフを提示しましょう。三宅洋平氏の「子供の頃」は1980年ぐらい。 twitter.com/MIYAKE_YOHEI/s…
周囲の人がワクチンを接種し集団免疫ができれば、免疫系の疾患をもつ人など免疫が弱い人も感染症から守られます。しかし、「自己免疫を優先する」「3歳を過ぎるまでは何も打つべきではない」などと半端な知識でワクチンを打たない人が増えたら、結局は犠牲になるのは免疫が弱い人たちです。 twitter.com/MIYAKE_YOHEI/s…
良記事。唾液PCR検査は代理指標に過ぎない。プライマリエンドポイントが未評価。ランダム化されてない。対照が不適切。観察研究か介入研究か不明。この研究だけで効果の存在を示唆する公的発表は不可。等々。 / htn.to/3V8SEtNHfP
2014年、岩上安身氏が代表であるインターネット報道メディアIWJにおいて、「輸血は不要、むしろ危険だ」とする内海聡氏らの会見が報道され、その後なんら説明なく削除されたことは忘れませんよ。 twitter.com/iwakamiyasumi/…
何が言いたいかっていうと、「事情があってうちの子はマスクを着けられないんです」というのと、「マスクは有害不要」というニセ医学を混同しちゃいけないってことです。
マスクをつけるのが苦手な人もいる。子どもの特性の多様性に配慮したり、強すぎる同調圧力に対する危惧としての「マスク強要反対」なら充分な合理性があるが、日本母親連盟/内海聡氏のは完全にトンデモ。 / htn.to/DWGaU4Hoco
BuzzFeedから取材を受けました。「死ぬのが正解」などと回答した医師だけの問題ではなく構造的な問題があります。 / htn.to/3oYtYdbNjd
もしかすると、将来、新型コロナウイルス対策にポビドンヨードうがいがとても効果的だということが判明するかもしれない。そうだとしても、今回の大阪府の発表には問題点が多くあったことには変わらない。臨床試験は結果オーライではない。
問題点は多岐にわたるが、とりあえず一つだけ。批判している人たちは、ポビドンヨードうがい(イソジンうがい)に効果がないと言っているわけではない。効果はあるかもしれないし、ないかもしれない。現時点ではわからない。検証を試みるのは有意義だろう。
順天堂大学医学部免疫学特任教授の奥村康氏は、私にとっては「免疫学の権威」じゃなくて「喫煙と肺がんの関係を否定している残念な人」だな。
まあ確かに結核ウイルスは存在しない。 twitter.com/bmdurg/status/…
検査に限らず医療介入自体について再考を促す本として、一冊だけお勧めするなら、名郷直樹先生の『「健康第一」は間違っている』[ amazon.co.jp/dp/4480016058 ]がお勧めです。ちょっとだけ中級者向け。
検査の弊害については、確かに理解が難しいです。「検査したほうがいいに決まってんじゃん」と考えるのは自然ですし、何と言っても医師でもそう思っている人はたくさんいます。しかし、良くない検査をするぐらいなら検査しないほうがましなんです。
検査に抑制的な主張の中にも言いすぎや誤りはあったけれども、感染症やEBMの専門家たちが口をそろえて言っていることには合理性はあるんです。理解したいなら、自称詳しい人のブログやツイートではなく、まずは教科書から読むほうが効率的だと思います。
新型コロナウイルスの存在に否定的なデマは海外だけの話ではありません。[新しいニセ医学「新型コロナ否認主義」 natrom.hatenablog.com/entry/2020/06/… ]。ほかのニセ医学と緩やかに連鎖しながら日本でも見られています。
逆に、ワクチンの効果は過小評価しやすいです。ワクチンのおかげで病気にならなかった人は、ワクチンなしで病気にならなかった人に紛れて可視化されません。一方でワクチンを打っても病気になった人や有害事象(因果関係を問わず)が起きた人は認識されやすいです。
がん検診の効果も過大評価しやすいです。検診で発見されたがんは予後がよいので、検診のおかげで予後がよくなったと誤認します。早期がんを発見できるかどうかではなく、がん死亡率を下げるかどうかで、がん検診の有効性は評価されるべきです。
自然治癒する疾患に対する治療の効果は過大評価しやすい、という心理的メカニズムを臨床医は自覚するべきです。そうでないと、風邪に対して抗菌薬をバンバン投与する医師になります。風邪に対して抗菌薬を使って治ったという事例はいくらでも経験できますから。
アビガンに好意的な、「効かなかったら、2000人も使われていないのでは」という意見もありましたが、論外です。「効かなかったら200年間も使われていないのでは」などと言っているホメオパシー支持者と同レベル。
アビガンにまったく効果がないとしても、効果があるという声が出てくることは大いにありえます。この点を、患者さんはともかくとして、専門家たる医師や政策決定を行う政治家はわかっていなければなりません。アビガンを推すとしても外れくじかもしれないことを承知した上で推します。覚悟が要ります。