ニセ医学は票になるけどニセ医学批判は票にはならない。
「有害事象」といって、ワクチン接種後に起きた好ましくない出来事はワクチンとの因果関係を問わずすべて集めます。ワクチン接種による副作用を漏れなく検出するためです。残念ながら、ワクチンに反対する人たちの一部は、有害事象がすべてワクチンのせいであるかのように誤解しています。
N-NOSE(尿検体を用いた線虫によるがん検査)が藤沢市のふるさと納税返礼品になったことで話題になっています。臨床研究に参加するとか研究費用を寄付するとかならともかく、何らかの医学的な利益を期待して線虫がん検査を受けることはおすすめしません[ president.jp/articles/-/613… ]。
私は内科医ですが、自分の診療経験からも、よほど専門領域ドストライクでもないかぎり(だったら自分で診るべきですが)、医師の家族が治療方針に口を出すとあまり良い結果にならないと思っています。主治医が明らかにヤブなら別ですが、それを言うなら新型コロナに限った話じゃないです。
社会全体の公平性、医療体制の維持という点からもきわめてマイナス。嘘を医師に申告することによって不適切な診療や余計なコストが生じ、医療体制が混乱し、あなたやあなたの家族が死ぬことになるかもしれない。
思春期に本を読まない、学校で理科の勉強しない、そのまま成人してから、仕事や付き合いで医学の話にかぶれると一瞬でニセ医学に染まる事例もさほど珍しくないと思います。
いずれにせよ、いまやれることは変わりないです。トンデモ情報に惑わされず、粛々とワクチン希望者にできるだけ早くワクチンを接種することです。現時点で、日本で使われているのはイスラエルで実績のあるファイザー製のワクチンです。従来の感染予防対策もしばらくは必要です。以上。
「本当はよく効く薬なのに大手製薬会社の利益を損なうから政府は承認しようとしないんだよ!!」という意見をよく耳にします。利益相反を気にするのなら、あることないこと吹聴する個人輸入代行業者の主張も疑ったほうがいいと思います。個人輸入が増えれば彼らの利益になります。
世の中は定量的な考えが苦手な人がいて、検査は必ずしも正確ではないということを申し上げると、「HIV検査もがん検診も腹部や胸部エコーもMRIも血液検査もCTも嘘ばっかりですよね」「子宮頚がんの検診も嘘なんですね」などと反応する人がいる。皮肉のつもりらしい。
子宮頸がん検診は、がん検診のなかでも優秀ですが、それでも浸潤子宮頸がんの発症や子宮頸がん死を100%防ぐことはできません。メタ解析では子宮頸がん死でリスク比は0.65です(PMID: 23706117)。最近のHPV-DNA検査併用ならもっと成績はいいですが、100%防ぐのは無理です。
日本では情報統制されているらしいので英語で調べてみました。 twitter.com/totemoiine777/…
自粛はうんざりでしょうし経済的ダメージを受けている方も大勢いらっしゃるでしょう。しかし、「新型コロナはただの風邪」とツイートしたところで新型コロナはただの風邪にはなりません。それどころか感染拡大を抑えられず自粛期間が長くなるだけです。敵はウイルスであって科学ではありません。以上。
周囲の人がワクチンを接種し集団免疫ができれば、免疫系の疾患をもつ人など免疫が弱い人も感染症から守られます。しかし、「自己免疫を優先する」「3歳を過ぎるまでは何も打つべきではない」などと半端な知識でワクチンを打たない人が増えたら、結局は犠牲になるのは免疫が弱い人たちです。 twitter.com/MIYAKE_YOHEI/s…
売る方も健康増進効果を謳っていたりする。たぶん、E型肝炎のリスクを知らないのだろう。「新鮮だから大丈夫」「冷凍したから大丈夫」とか言いそう。大丈夫ではないです。
現時点でアビガンを使うなら「本当は効かないかもしれない」可能性を十分に念頭に置いて、並行して比較試験も行いながら、覚悟を持って使うべきだと言っています。覚悟が要ります。当たり前のことなんですが、特定の薬剤に対して熱狂的な支持が集まると、この当たり前が通じなかったりします。
[「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! natrom.hatenablog.com/entry/2022/10/… ]。そもそも夕張市では「ほとんどの病気で死亡率が下がっ」てなんかいない。
水害後の片付けには感染症、汚染物質暴露、外傷のリスクがある。「子どもたちが頑張っている姿は周りに元気を与えてくれるのは確か」だが「リスクがあると分かれば(中略)そのような話を美談にしてはいけない」。 / htn.to/4bb3Q4K2KM
マスクをつけるのが苦手な人もいる。子どもの特性の多様性に配慮したり、強すぎる同調圧力に対する危惧としての「マスク強要反対」なら充分な合理性があるが、日本母親連盟/内海聡氏のは完全にトンデモ。 / htn.to/DWGaU4Hoco
2014年、岩上安身氏が代表であるインターネット報道メディアIWJにおいて、「輸血は不要、むしろ危険だ」とする内海聡氏らの会見が報道され、その後なんら説明なく削除されたことは忘れませんよ。 twitter.com/iwakamiyasumi/…
「新型コロナウイルスは存在しない」って言っていた人たちが最近の状況をどう考えているのか見にいったら「ワクチンを打てば打つほど感染拡大」とか言っていた。存在しないウイルスが感染拡大とは?
「がん検診は役に立たない」「検査すればするほどよい」といった単純な主張は間違っており、「がん検診には利益もあれば、害もある」「利益が害を上回る有効ながん検診もあれば、害のほうが大きいがん検診もある」ことが、より多くの人に伝われば幸いです。以上。
「赤血球ががん細胞に変化する」と主張する千島学説が話題になっていますが「ヒト赤血球は脱核してDNAを持たないから癌化しない」というまともな説明は通じません。なにせ、千島学説では、ウイルスや細菌やゾウリムシ(原生動物)まで自然発生すると主張されているのですから。
鹿肉を生で食べるのは、どんなに新鮮であってもE型肝炎のリスクがあります。冷凍してもウイルスは死にません。食文化との兼ね合いもありますし絶対禁止とまでは言いませんが、食べるなら自己責任で。
イベルメクチンも、ワクチンと同じぐらい多くの人に使えば、死亡を含めた多数の有害事象が報告されると思います。 twitter.com/fadeout999/sta…
「アース製薬が本気で飲んでほしいシリカ水」(商品名:アース コロイダルシリカ100)を推奨している星子クリニック院長星子尚美医師は、自由診療で血液クレンジングを提供しているような医師だ。料金1万5000円(税別)。