科博の研究員が、奥さんの実家に行った時に珍しい動物の死体をみつけて、骨格標本用に拾いたいなと思ったけど、運転中の義父さんにそれを切り出せないまま義実家に到着…でも諦めきれず、夕食時に「拾いたい」って切り出す話、良い。 死体=標本をスルーして、あとからジワジワ後悔するのわかる。
私は普段川田さんの作業を見ていて、「あぁ、川田さんに標本にしてもらえる動物たちは幸せだなぁ」と思っているのですが、きっとこの本を読んだら同じ気持ちになると思います。 私の本でも紹介させていただいた「博物館の3つの無」のコラムもおすすめです。無目的、無制限、無計画。
以前、学会当日の朝にスズメの死体を見つけたので、標本用に拾って、そのまま学会に行ったら、「ついさっき川田さんもモグラの死体拾ってやってきたよ」と受付で言われたことがあります。もはや習性。 そんな博物館関係者の日常を覗ける本・標本バカは9/30発売だそうです。 amazon.co.jp/dp/489308934X/
川田さん=コラムの執筆者である科博の研究員さんです。ちなみに私は3月まで川田研の一員でした。 4連休中に川田さんにお電話したら、開口一番「何が死んだ?!」と言われました。確かに我々が電話する時、8割方は「動物が亡くなって明日献体されることになった」時ですね…(先日は珍しく違った)
出版社のHPで五話分の試し読みができるので、気になった方はどうぞ。 日本に初めてやってきた2頭のキリン「ファンジとグレー」の剥製に関するコラムも試し読みできます🦒 bookman.co.jp/smp/book/b5301…
科博の研究員のところに「チュパカブラの同定依頼が来ている」という事実、面白すぎるでしょ。#標本バカ
補足:コラムに登場するキョンという小さな鹿は、千葉のレジャー施設から逃げ出して野生化してしまった外来種です。今では推定生息数は5万頭にものぼると言われていて、結構問題にもなっています。 私もかつて、落ちてる死体を拾いに行って標本作りました。
キョンは、眼の近くに大きな臭腺(においづけに使う臭い液がでる器官)があって、その出口が閉じた眼の様に見えることから「四つ目鹿」とも呼ばれます。 骨にも眼窩の前に大きな窪みがあって、立派な臭腺があったことが窺い知れますね!四つ目っぽい! (生態写真はWikipediaより)
歩き方や走り方が正確で、よく出来たCGですが、大人のキリンをそのまんま小さくしているだけなので違和感がすごいですね。あと子供に対して大人がデカすぎる🦒 twitter.com/danielle_taked…
大人🦒と子供🦒の大雑把な違い ① 大人は脚と首の長さが同じくらいだけど、子供だと足の方が長い。 ②子供は角に毛がバサバサ生えている ③子供の方が顎が華奢(ミルク飲んでるので)
本物の赤ちゃんキリンを楽しみたい人向け🦒🦒 twitter.com/AnatomyGiraffe…
動物園の是非に関しては様々な意見がありますが、かつて指導教官が言っていた「たった一頭のゾウが、何万頭のゾウを救う人を育てるかもしれない。その可能性に価値がある」という意見が忘れられない。 その可能性を少しでも広げることが、自分のやるべきことの一つだと思っています。まだまだだけど。
なお、これは「そのために一頭を犠牲にしてよい」という意見ではありません。念のため。
以前、ジブリの中の人と飲んだ時に、「トトロに出てくるヤギには、本来ないはずの上顎の前歯が描かれているんですけど、あれはミスなんですか?」と尋ねてみたところ、「上顎の前歯がないと表情が出にくいんだってさ」と教えてもらったことがある。確かに「圧」みたいなものが違う気がする。
本当に意図的だったのか、それとも後付けの言い訳なのかは判断しかねますが、「事実に即した正確な描写」が必ずしも「作品として良い描写」なわけではないんだなぁとしみじみ感心しました。(まぁ十中八九、意図的な演出だろうと思います) ちなみに私は、魔女の宅急便が好きです。
むしろ、「その一頭を犠牲にせず、少しでも良い環境で飼育するための様々な取り組み」も含めて、「いつか数多くの生き物を救う人の育成」に繋がっていくんだろうなぁと思っています。
日本語監修をした絵本「世界一キモイいきもの図鑑」が10/28に発売されます!類似本は多々あれど、リベイロイア(カエルに寄生し、脚の形成を阻害したり、逆に脚を過剰に形成したりする寄生生物)の生活環まで解説する本は他にないと思います。 1P目の導入がとても良いので、是非手に取ってみてください
同じく日本語監修を務めた「ウンチでわかるいきもの図鑑」も10/28に発売されます! ウンチや足跡、羽や巣穴など、自然界に残された様々な痕跡を手掛かりにして、身近に生息する生き物を推理する方法を解説した良書です!大判本ですが、これを持って外に出かけると楽しそうです👍
原著の「Oh deer!」というシカのセリフ(Oh dear!のもじり)を、「まじか!」と訳した翻訳者さんのセンスに脱帽です。外国語の言葉遊びを翻訳版で残せるのって素晴らしいなぁ。
絵本に登場する「Oh deer!」というシカのセリフを「マジカ!」と訳した素晴らしい翻訳者さんのお名前が「鹿田さん」であることに気がつき、「翻訳者さんの前世はシカ疑惑」が浮上している🦌 twitter.com/anatomygiraffe…
最初の原稿チェックで感動に打ち震える私。
おおー!明治10年に、博物学者・田中芳男氏がフィラデルフィア万博でキリンの剥製を購入し、日本もに持ち帰って展示していたそうなので、それを見て描いたものなのではないでしょうか? なお、日本で最初のキリンの絵は、蘭学者・桂川甫周国瑞が寛政初年ごろに描いたものだろうと言われています。 twitter.com/LfXAMDg4PE50i9…
「サメの歯は、形が違うと性能も変わるのか?」を調べるために、サメの歯を使ったノコギリを作って、シャケの切り身の切りやすさを比較した論文!この研究、やってる最中めちゃ楽しかっただろうな〜! (実験で分かったことは、スレッドへ!)
実験でわかったこと ・歯の形によって切れ味に大きな差がある。カグラザメ(前ツイートの下2つ)に比べて、イタチザメ・メジロザメ(前ツイートの上3つ)は三倍の深さまで切れる! ・何度も実験すると、イタチザメ・メジロザメでは切れ味が落ちたが、カグラザメはあまり変わらず
サメの歯には、「鋭くて切れ味が良いけどすぐ摩耗して性能が落ちるもの」と、「それほど鋭くないけど、摩耗しにくく性能が落ちづらいもの」があるらしい。面白いなぁ〜 royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rs…