見直し、同性愛は不自然なことではなく、多くの動物で見られる自然な現象であることを示しました。 なお、キリンの同性愛を報告した研究者は当時25歳の女性。発見時は恥ずかしくて周囲の人には言えなかったらしい。親戚には「そんなものを見たなんて…」と呆れられたそう。写真は現在のお姿。素敵。
動物の同性愛といえば、スコット南極探検隊のジョージ・マレー・レビック! 彼は、ペンギンの同性愛や死姦を目にしてショックを受け、観察結果を一般人から隠す為に、報告書をギリシャ語で書いている(図)。なので、当時ペンギンの同性愛行為を知れたのは、ギリシャ語を読める一部の教養ある人だけ。
恥ずかしくて周囲の人に言えなかったのに、論文として世界に公開しているんだから、学者ですよねぇ。今回本を書くにあたって、最初に編集さんに言ったことは「Dagg先生のご著書のような黄色い本にしたいです」だったなぁ。
色んな動物の同性愛(雄同士・雌同士)について調べた論文はこちらです→onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.111…
コメントいただきましたが、正しくは「ギリシャ語アルファベットで書いた英語」です。 本件に関する論文はこちらです→cambridge.org/core/journals/…
なお、"9割がオス同士"のソースは、おそらくDaggさんの著書内の「オス同士の交尾はたくさん見たけど、オスメスの交尾は一回しか目撃しなかった」という記述から来ているのだろうと思っています。性的二形がはっきりしない動物だと、ちゃんと観察しないと同性間なのか異性間なのかわからないですよね。
今更ですが、「交尾」という言葉はあまり適切でなかったですね…正しくは性行為=sexual behaviorです。性的興奮をしながらマウンティングをしますが、どうやら交尾までには至っていないようです。誤解が生じるような書き方をしてしまいすみません。
なお、同性愛をという言葉の適切さについては、研究者によっても意見が分かれるところだそうです。ちょっとセンシティブな意味合いを含む言葉ですもんね。 研究業界では、同性愛(homosexual)は、動物(人を除く)における同性間のあらゆる性的行動を指した言葉として使われることが多いようです。
「自分の力を示すためのマウンティングでは?」というコメントを何件かいただいておりますが、その通りです。上記の研究などで、同性間で行われる性的行動・性的な体勢が報告され、「これは同性間のヒエラルキーの上下を示すための性的行動だろう」と解釈された、という経緯です。
私はキリンの研究をしている人間として、「交尾の9割が雄同士」という雑学を否定したく思ってソースを探したのですが、「雄同士の性行為(マウンティング)は雄牝間よりも多いくらいですよ」という論文を見つけて、(・ω・)となりました。周囲にメスがいてもオスに跨ることもあるようです。
昨日は久しぶりに多摩動物公園に遊びにいってきました。多摩には現在この春生まれの3頭の赤ちゃんキリンがいます。複数の赤ちゃんがイチャイチャ仲良くしている姿を見られるのは結構レアだと思うので、気になった方はぜひ遊びにいってみてください!可愛いよ!
大学で動物解剖学の講義を担当しているのですが、講義の準備をしていたら「内臓を模したキャラクターが軽快な音楽にのせて自分の機能を説明した歌を歌う」というコンテンツを見つけた。食道というテーマで1曲作ってるのまじですごい。youtube.com/channel/UC7EFW…
キリンの角は短くて丸っこくて可愛いですが、中には骨が入っているのでとても硬いです。ぶつかるとめっちゃ痛い。なので普通に武器として使います。 ちなみにオス同士が首をぶつけて闘う「ネッキング」では、うまく相手にヒットしないとバランスを崩して転倒することも…(動画ラスト)#キリン解剖記
骨の研究をしている人間としてどうしても行ってみたくて、プラハのセドレツ納骨堂に行ってきました。これでもかってくらい悪趣味なんだけど、最高に神々しかった。三枚目のF. Rintは内装作成者の名前なんだけれど、自分の名前を骨で刻むというのは、どういう気持ちなんだろうか。
南アフリカに行って一番驚いたことは、野良猫やカラスぐらいの感じで野生のハイラックスがいること。ハイラックスはネズミのような見た目ですが、ゾウに近い動物です。よく見ると、小さな指にはゾウのような蹄がついています。 晴れた日に窓辺でハイラックスが昼寝してるなんて、最高の家だなぁ。
南アフリカの水族館では、ウミガメの解説の横にビニール袋の水槽があった。なるほどなぁ。
井の頭自然文化園で飼育されていたアジアゾウはな子のその後についてのお話。 はな子が亡くなったのは2016年5月26日。享年69歳。はな子の遺体は、科博に献体されることになりました。とても有名で多くの方に愛されていた子なので、「博物館に献体される」ことに抵抗を感じた方もいたかもしれません。
はな子の遺体は解剖を経て、骨格標本となり、現在は科博の収蔵庫に保管されています。解剖により、長らく一本だと思われてきた歯が実は三本残っていたこと、歯がうまく抜けなくて顎の間に挟まってしまっていたことがわかりました。 骨格標本には、末尾3桁が875(はなこ)となる管理番号がつきました。
もう一頭のゾウ・インディラは、現在、骨格標本として上野の科博で展示されています。かつて上野動物園で一緒に過ごした三頭のゾウが、何十年もの時を経て再び上野で一堂に会する日が来るといいな、と思っています。(注:私に展示の権限はない) 在りし日の三頭の姿はこちら→mainichi.jp/graphs/2016052…
博物館では、骨格標本になっても、生きていた時と変わらない深い愛と敬意をもって管理されています。献体された動物は決して可哀想ではないと私は信じています。 私も、キリンをはじめとした多くの動物の貴重な遺体から少しでも多くのことを学び取り、新たな発見をしていけるよう、更に頑張ります。
学会発表のために「アフリカゾウは鼻先にある2つの突起を使って物をつまむことができる」「アジアゾウは鼻先に突起が1つしかないので、鼻先で物をつまむのではなく、鼻を巻きつけて物を掴む」ことを示す写真を探していたら、「鼻先で恵方巻きをつまむアフリカゾウの写真」を見つけた。コラみたい。
様々な分野から優秀な研究者を集めたドリームチームのような研究グループで、総力を上げて「科研費の申請書類のサイズを3MB以下に抑える」ことに取り組んでいる、なう (3MB以上だとオンラインシステム上ではねられて申請できない) いま日本各地で多くの研究者が同じことしてるのかなと思うと涙が…
「1.5MBにできました!」 「よし、アップロードだ!」 ↓ オンラインで書類をアップ、PDF化 ↓ 「なぜか図が消えました!」 「なぜだ!!!!」 みたいなことを繰り返している…
解剖学的には、首を横に振る否定の動作は、ロール軸の動き。背骨を軸にとると、頷きがピッチ、否定がロール、かしげる動作がヨー。ヒューマノイドロボットな方々とは軸の取り方が違うので、工学系の学会で講演すると高確率で「あ、そっちがヨーなんだ、へぇ〜」という反応をいただきます。異分野交流! twitter.com/kumarobo/statu…
キリンはウシと同じ「反芻類」なので、反芻(一度飲み込んだ食べ物を吐き戻し、再び咀嚼すること)をします。 食べ物が行ったり来たりする様子は、外から見ていてもわかるので面白い。 ちなみに、一度胃に入った食べ物を口に向かって押し戻す役割を果たしているのが「第二胃」。いわゆるハチノスです。