今年買った本で、1番良かったのが【華麗な革命】です こちらは、京都服飾文化研究財団(通称:KCI)が1989年におこなった衣裳展の図録です 美しい写真の数々と、詳細な解説に何度も読み返しています KCI関連の本は、どれもとても面白いのでオススメです 日本語で書かれた貴重な資料になります
12日(月)までの期間限定 1910年英国 靴をドレスアップする装飾品【ブーツトップ】の型紙を無料配布します もう泥だらけの地面はありません 綺麗に整備された舗道には、馬車に代わって自動車が走ります 泥除けとして生まれたブーツトップは、装飾品へと昇華します↓ rrr129annex.blogspot.com/2022/12/boot-t…
ブーツトップはドレスコードのひとつとなり、紳士淑女の足元を彩ります 特に女性のブーツトップには、小ぶりな釦が多数付き装飾性を高めると同時に、造形美を成立させています 極端な足のカーブに沿わせるためには、無数の釦が必要なのです まだファスナーのない時代に考えらえた工夫でした
小さな釦を留めるために、女性たちは専用の器具を使いました それが「釦フック」です ホールの中にフックを通して、釦を引っ掛けて使用します 上流階級にもなると、釦フックにもこだわりました シルバーに意匠を凝らしたデザインや、宝石を埋め込んだものなどが存在します
1780年ロココ朝 死の緑色「シェーレ・グリーン」のカラコを紹介します 多くの女性の命を奪ったパリスグリーン その前身となるシェーレグリーンは、19世紀初頭まで幅広い用途に使われました 黄緑色の優しい色合いですが、強い毒性性を持ち、ヒ素中毒へといざないます
皆さんはどんな財布をお持ちですか? 150年ほど前の西洋では、老若男女問わず【マイザーパース】という財布を使っていました 現代の財布とはだいぶ見た目が違いますね いったい何処からお金が出るのでしょうか? 別名「けちん坊の財布」と呼ばれたマイザーパースの由縁を探ります
お金はここから入れるんです 中央にはリングが2つ それを片側に移動することで、口が開きます(写真2) そしてお金を入れて、リングを端まで寄せれば完了です お金が、落ちずらい(取りずらい)構造になっており、けちん坊の財布と呼ばれたとも言われています
この写真3枚は、すべてMETミュージアムの所蔵品です どれもかわいいですよね 編み物ができる方は、マイザーパースをつくってみてはいかがでしょう 現代では、なかなか見ないユニークな財布です
12月はヴィクトリア朝の婦人服を数多く修繕しました 目の覚めるようなチェック柄のドレスは1860年アメリカのもの とにかくスカートが巨大なので、修繕もひと苦労でした このドレスはバックスタイルに面白い特徴があるので、綺麗に直し終わったら、早く皆さんとシェアしたいです🙂
4月15日、16日に渋谷にて「小学生限定」のワークショップを開催します ドレスなどの洋服はもちろんのこと、天然繊維についても学びます 見て、触って、嗅いで、西洋服飾史・文化史を一緒に楽しく巡りましょう 教材となる衣装は、すべて100年、200年以上前の「本物」を使用します 詳細はまた後ほど
目の覚めるようなタータンチェックが美しい 1850年の【クリノリン・ドレス】を紹介します お尻に付く「巨大なリボン」は、まるで漫画の世界から飛び出てきたかのようです リボンのふちには、なんと【ハッシュタッグ#】が縫い付けられていました SNS映えも計算済みの、古くて新しいドレスです
それがこちらのドレスです 1861年製です 驚くべきことに、全身ハッシュタッグ#のデザインです 現代社会でみると奇怪に映りますが、当時はどうだったのでしょうか もし現代で、このドレスを着ていたらイイ感じに拡散されそうですね Met museum所蔵
私の専門である構造についても少し触れます 背中のこの縫い目 こちらは「ファン・ボディス」と呼ばれるかたちをつくる縫い目です よく見ると「柄合わせ」がズレてますよね 実は、この時代はズレるのが正しいんです むしろ、わざとズラすんです 目の錯覚を利用してウエスト細く魅せる技なのですね
チェック柄のドレスは数多く存在します 1840年代にヴィクトリア女王がスコットランドを訪れ、タータンチェックを着用し、流行の柄となりました 美しい作例を紹介します 写真1,2は1830年 3,4は1873年 すべてMet museum所蔵です
皆さんからのコメント、大変興味深く拝見しました 「ヴィヴィアン・ウエストウッド」っぽいデザインだという声や「若草物語」を連想するといった声が多くありました 個人的に一番ツボったのは、数名の方が【このドレス、某忍者かと思った】と呟いていたことです 今日のランチは冷えた八宝菜にします
ちょっと、そこまでお散歩しましょう? 1880年ヴィクトリア朝後期 貴婦人たちの「お散歩ファッション」を紹介します 外出時の羽織りとして重宝されたのが【ヴィジット】という特殊な衣服です 「背中から袖が生える」という複雑な構造は、手をヘソの前で重ねる品の良いポーズを強制しました
ヴィクトリア中期に見られる「わざと柄をズラす」テクニックですが【和服にも同じような技がある】と何名かの方がコメントしてくれました ありがとうございます 和服は曲線裁断をしないので、てっきり柄を合わせるものだと思っていました 和服で柄をズラすのには、どんな意図があるのでしょう🧐?? twitter.com/rrr00129/statu…
左:135年前 右:165年前 皆さんは、どちらの造形がお好きですか?
半・分解展に新しい仲間が加わりました エドワーディアン朝の英国陸軍【肋骨服】です 半・分解展には、英・仏・米とさまざま国の肋骨服が並びます ボディに縫い付けられた無数のブレードはすべて「銀糸」で織られています
英国陸軍の美しい兄弟 また半・分解展で拝んでください
私が愛してやまない軍服コレクターがイギリスのpemburysです 世界一のコレクションだと勝手に思っています pemburysのHPを覗いてみてください そこは【肋骨服の楽園】です ちなみに100~300万円ほどで購入できるアイテムもあります pemburys.com
左:213年前 右:113年前 どちらも西洋で流行した婦人服です 女性たちは、こんな格好で街を闊歩していました ちなみに両者共に秋冬の装い 皆さんは、どちらがお好みでしょう?
現在でも愛好家の多いクラシックシューズの王道【釦ブーツ】 今回は1890年にアメリカでつくられた、女性用釦ブーツを紹介します その歴史は古く1810年ごろまで遡ります 「紐の靴よりもほどけにくい靴がほしい」という声から発明されたそうで、1910年ごろまで永く愛されました 細部に迫ります↓
この手の靴に必須の秘密道具が「釦フック」です 小さな釦を手で留めるの至難の業 この釦フックを使えば、釦の開閉が多少はマシになります 以前19世紀の小説か映画で、紳士が女性の服を脱がす描写がありました しかし、釦ブーツ、ボディス、コルセットなど無数の釦を外すのに苦戦し悶絶していました
釦ブーツが欲しい!と思っている方は、ぜひboutique.dramaticaさんを覗いてみてください @btqdrmtc 半・分解展にもよく来てくださるマニアックなデザイナーさんがつくっています (写真はboutique.dramaticaの釦ブーツ)