1880年ヴィクトリア朝 超変態的な構造のコート「クリフトンスリーブ ドルマン」を紹介します このコートは完全に玄人向けです 一見すると派手な服にしか見えませんが、洋裁の技術者が視れば【変態的な構造】に気が付くはずです 婦人服の裁断方法が複雑化する19世紀末においても、際立って変な服です
1890年【ヴィクトリアン ボディス】を紹介します 「漆黒の宝石」と呼ばれた「ジェット」を贅沢に縫い付けた1着です ジェットはヴィクトリア女王が喪服に合わせる宝石として着用し(写真3枚目)ヴィクトリア朝後期に流行しました このボディスは全身がレースで覆われ、その上からジェットが付きます
当時、フットマンの水分補給といえば「ビール」でした まさか生水を飲むという選択は、腹下しと背中合わせの行為です きっちり仕事するためにもアルコールで消毒された液体でなければいけなかったのです (きっちり仕事できたのは、ごく少数のフットマンのようですが...) twitter.com/rrr00129/statu…
男の【Vゾーン】をご存知でしょうか Vゾーンとは、スーツにおけるV字のコーディネートを指します スーツの衿(ラペル)から覗く、シャツ+ネクタイのコーディネートは時代ごとに特徴があります ロココ/新古典主義/ロマン主義/印象派、それぞれのVゾーンスタイルを紹介します
1890年 紳士の外套【インバネスコート】を紹介します 日本では「トンビ」の愛称で親しまれ、シャーロックホームズのアイコンとしても有名なインバネス 19世紀末にはさまざまなタイプが開発されていました 今回は、非常に珍しい【袖付きインバネス】の紹介です 好きな人にはたまらない1着でしょう
「袖付き」そして「パッチポケット」 日本のトンビとは、全く異なるディテールです 1870年英国の資料を見てみると、パッチポケットのイラストと製図が載っていました また、1890年英国の裁断書には「パッチポケットは一般的に正しい仕立てであり、大きくゆったりと付けると良い」と記されています
日本のインバネスと比べてみるとその違いは歴然です 写真1枚目は、1930年ごろの日本製のインバネスです ケープをどけると、大きな穴が開いているのがわかります 着物のうえからでも着易そうです 1890年の袖付きインバネスは、ジャケットのうえから着用することを想定し、設計しています
ほとんど知られていない技術ですが、縫い目ひとつとっても、現代とはまったく違うんです 例えば、端の縫い方 19世紀の外套などは「突き縫い」という技法を用います 写真2,3枚目で解説をしていますが、これをやろうと思うとめちゃくちゃ難しいんですよ 技術者ならわかるはず...
ちなみに、日本製のインバネスコート(トンビ)はつくり込みが本当に神がかっています 写真はすべて日本のインバネスですが、裏地の仕立てやポケットの配置、衿のつくり込みなど本場を圧倒する完成度です 日本製の古いインバネスは簡単に手に入るので、興味ある方はぜひ
インバネスコートとケープコートの違いが分からないという声がありましたので、図解を用意しました 正面からでは判断し辛いですが、背中を見れば一目瞭然です また、インバネスコートのケープは「取り外し不可」です ケープコートのケープは「取り外しできるものと出来ないもの」両方があります
本日より【半・分解展の入場券】を販売します 4月12日から25日まで東京 渋谷にて展示いたします 本物を見て、実際に触れて、直に嗅いで、袖を通す 「 全身で 感動 を浴びる 」 それが半・分解展です 1740年から1940年までの衣服、約60点を展示します HPはこちら↓ sites.google.com/view/demi-deco…
【半・分解展の入場チケット】ご購入いただき、ありがとうございます 当日券は4,000円ですが、3月いっぱいは「早割り2,600円」で販売しています 婦人服の展示もより一層充実し、1780年から1910年まで取り揃えました 18世紀ロココ朝の婦人服は最高ですね HPはこちらです↓ sites.google.com/view/demi-deco…
1892年イギリス 上流階級の羽織り【ヴィジット】を縫ってみました 19世紀末の資料に散見される「ジャポニズム スタイル」を参考に、羽織り風につくりました 洋装にも和装にも合わせられるコートです
1780年フランス フランス革命前夜の女性の上着【カラコ】を紹介します 革命の足音が近づくにつれて、簡素化したファッションが流行します 宮廷で着用する丈の長いドレスではなく、田舎風の丈の短い上着、それがカラコです この1着は鮮やかなサックスブルーのシルク生地で仕立てられています
半・分解展の入場券はもう購入されましたか? 1,400円お得な「早割り券」は3月いっぱいまでの販売です 個人の展示としては高額な半・分解展、早めのチケット購入がおすすめです 期間中の再入場は「何度でも無料」ですので、気の済むまでお愉しみいただけます sites.google.com/view/demi-deco…
1770年イギリス ロココ貴族のドレス【ローブ・ア・ラ・ラングレース】の上半身を手に入れました 本来は写真3枚目のようにスカートと一体になったドレスなのですが、切り落とされています しかし上半身だけでも充分に資料的価値があると判断し、購入しました 摩訶不思議な構造を紹介していきます
【半・分解展の仕様書】アップデートしました 研究するうえで得た新たな発見を書き足しています 1870年フランス 肋骨服(メディカルオフィサーチュニック) 1809年アメリカ Mノッチ など加筆修正しています 下記URLより無料でDLできますので、ご活用ください rrr129annex.blogspot.com/p/spec.html
18世紀ロココ朝 女性の胸当て【ストマッカー】を紹介します ドレスの胸部分が「取り外しできる」なんて知りませんでした ストマッカーと呼ばれる胸当ては、ドレスの最も目立つ胸部をより一層引き立たせるために用いられました 18世紀のドレススタイルに欠かせない華やかな装飾品です
シルクの生地を埋め尽くすように自然モチーフの刺繍が散りばめられます ひと針ひと針がとにかく繊細で、素晴らしい職人技です 着用時はコルセットの上に直接ピンで刺して固定しました 特殊な着用方法は、こちらの動画が分かりやすいです 4分15秒ごろ↓ youtube.com/watch?v=UpnwWP…
【半・分解展 東京】では、ヴィクトリア朝の「肋骨服」を5点展示します 「ゴールデンカムイが好きで、本物の肋骨服を見にきました」という来場者も多く、その影響で私もゴールデンカムイを読むようになりました 写真1枚目は1880年イギリス軍 2枚目は1890年ノルウェー 珍しい「女性の肋骨服」です
そして、イギリス陸軍の最上級連隊ハウスホールドギャバリーの肋骨服「ギャバリーフロック」は2点展示します 君主護衛の宮廷騎兵が着た肋骨服は、通常の胸飾りとは異なり「ドロップ・タブ」と呼ばれます ドロップタブは、馬の歩みに合わせゆらゆらと魅力的に揺れ動きます
半・分解展は【本物に触れる】展示です 本物の肋骨服に触れてみてください 想像を遥かに超える布の「厚み、固さ、重さ」に驚愕するでしょう 袖を通せば美しい造形美に酔いしれるはずです 入場券はHPよりご購入ください 高額な展示ですが、絶対に後悔はさせません sites.google.com/view/demi-deco…
1820年フランス 新古典主義を体現した女性の上着【スペンサー】を紹介します 厚い生地でつくられることの多いスペンサーですが、こちらは薄い「モスリン」 モスリンとはマリーアントワネットが、田舎遊びに興じる際に着ていた「シュミーズドレス」の生地 宮廷の華やかさに対抗した【簡素の美】です
ヴィクトリア朝末期 狩猟舞踏会における召使いの正装【ハントドレス コーチマンズスーツ】を縫ってみました いつもは地味なスーツを着るコーチマンですが、狩猟舞踏会では色味のあるスーツを着用しました 今回の作例では、衿とカフスをボルドーで切り替えています
1900年初頭アメリカ エドワーディアン期の女性用乗馬服【ライディング ハビット】を紹介します ヴィクトリア朝とは異なる「メンズスーツ」の影響を受けたテーラードタイプの乗馬服です ドレスメーカーでなく「テーラーの技術」で仕立てられており、内部には固い麻芯が仕込まれた重厚な1着です