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また対岸に渡った装甲車両は攻撃を受けた際に迅速に撤退する事が難しく、架橋部隊もまた砲撃や爆撃を受けても逃げる事が難しいので、比較的無防備な状態となってしまいます。
なのでそうした反撃に備えた十分な備えを取ったり、安全を確保するのにも時間や手間を必要とするので、
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むしろ宇軍側に「橋を破壊するだけの時間」が元々あった点が結構重要なんじゃないかなと。
橋ってめちゃくちゃ頑丈に作られてるので爆撃や砲撃にも耐えるやつとかあるし、それを各所で破壊されてるの露軍側にとっては一つの失点でもある
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攻勢を掛ける軍隊にとって橋を破壊されることは活動を阻害されて致命的な事に繋がりかねません。
そうした少しずつの手間の積み重ねが露軍を停滞させ、宇軍に必要な時間を与えて物資の輸送や陣地の構築、その他必要な活動を行える余裕を持たせることになるんですよね
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けれど河川を渡る装甲車両を見て「橋を落としても無意味なんだ……」と感じるのも分かるところです。
そういったインパクトある映像や写真で見た人に偏った印象を与えるのもプロパガンダの重要な仕事なので、なんらかの衝撃を受けるのも当然というもの。
しかし実際の道具とそれを用いる組織は
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人や物が当日の内に現地に入り、救援や簡易な復旧を行えるんです。
よく戦略爆撃は「敵の生産能力を削ぐのだ」とか言われたりしますが、その目的自体が完全に達成されるのは難しいんです。
特に工業都市はそれを支える物流が発達しているので復旧や復興が早く、工場なんて最優先で他から機材や資材や
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それをわざわざ行うのは狙いが生産能力だけでなく、圧倒的な破壊力や「空襲されている」という事実から戦意を削ぐ事も大事な目的だったからで、そこには他の軍事作戦とは違う異質な残虐さがあるんですよね。
実際WW1のツェッペリンによる空襲は純粋に「爆撃による戦意喪失」を狙った所から始まって
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人や動力なんかが回されるんです。
記録映像で軍用機が汽車や船や橋を破壊している物もありますが、これは爆撃の復興に必要な物流を遮断する機能も果たしています。
しかしそれでも完全に物流や復興が止まる事は無いので、戦略爆撃は「民間人の被害と比較して微妙に効果が低い」とも言えるんです。
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これは本当に大変な一冊。現状出来得る最高の飛行船解説本ですよ。
関わっている方々はツェッペリン飛行船に関して日本屈指というだけでなく、近現代の軍事や政治や風俗等の知識も持ち合わせた「ガチ中のガチ」の集いです。
この本は間違いなく今後20年の日本のツェッペリン飛行船知識の基軸となる。 twitter.com/mc_axis/status…